「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

「早期警戒システム」のワークショップに思う

2010-11-16 23:38:50 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
8時にホテルに迎えが来る、とのことだったが、
8時40分に行くだの、あと5分で着くだの、
「蕎麦屋の出前」状態が続く。
(聞けば、前日もそうだったとか……。)

時間ももったいないので、
迎えを待たずにタクシーでパナマの市民防災局、
SINAPROCのアカデミーへ。
「早期警戒システム」についてのワークショップ2日目。

自国で展開中のシステムを広めたいグアテマラと、
アカデミーの施設を使ってもらいたいパナマ。
両国の思惑が入り混じってのワークショップだったのだが、
マネジメントはボロボロ。
かつ、グアテマラから講師役として参加予定の1名が、
出国できなくなるというアクシデントもありで、
一体、どうなることやら、という話であった。

「早期警戒システム」というと仰々しいが、
実態は、中学校の技術のレベルの工作。

淡水は電気を通さないが、
実際の川の水にはいろいろなものが溶け込んでいるので、
多少の通電性はある。
その性質を利用して、
一定の水位になったらリレーが切り替わって
サイレンが鳴るという代物。

国家レベルの防災機関が活用するシステムとしては、
いささか貧相ではあるが、
コミュニティBOSAIとしては、
必要かつ十分な機能を持ったものと言えよう。

コミュニティBOSAIの面白いところは、
単にモノを作ればよい、というものではない点にある。
講師役の不在で、
モノづくりを教えるだけになってしまいかねなかったが、
ソフト急遽、簡単なプレゼンをすることになり、
その準備に取りかかる。

欠席したグアテマラの講師役が何を考えていたかはさておき、
コミュニティが、コミュニティの力のみで、
雨量や水位を観測し、記録を続けることの意味について、
なるべく写真を多く使った資料を作る。
所詮は付け焼刃の感は否定できないが、
そこはお互い、代打ちとうことで、了解してもらおう。

出来については7割程度。
かつ、英語での標記ゆえ、そのままでは使ってもらえないが、
年内にはプロジェクトBOSAIのロゴを入れたスペイン語版を作り、
配布しなくては、と思う。

16時近くになり、機材作りにメドがついたところで、
プレゼンをさせてもらう。
短くまとめたつもりだったが、
終わってみれば1時間近く話をしていた。

CEPREDENACのEさんに通訳を頼んだが、
この程度のプレゼンはスペイン語で出来るようになりたい、
そう思う……。

我ながら意外なことであったが、
日本を発ってから、これが最初の講義というかプレゼンだった。
この間、ほぼ2ヶ月。
講義だけがプロジェクトBOSAIの専門家の仕事ではないが、
ちょっと考えてしまう。

ホテルに戻り、
二階の中華料理屋にて、
Sリーダー、Eさんと、
中華料理。

かなり体調は戻ってきたものの、
まだ本調子とは行かないみたいであった……。

                          (11月19日アップ)