「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

日本を発ってちょうど2ヶ月

2010-11-17 23:33:53 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
体調は何とか戻りつつあり。
ただ、気合の入り方がまだまだ。
コーヒー(カフェイン)の摂取量が少ないせい、か???

7時にホテル発。

タクシーでSINAPROCへ。
前日作った早期警戒システムの実験機を実地に試すべく、
7時半にバスで出発、のはずが、
例によってグズグズのワークショップで、
我々の到着時でもいまだ作業中。
結局、スタートは9時過ぎとなる。

ロングタイプのワンボックスに
シート間隔のかなり狭いイスが並んでいて、
15人の男たちがぎゅうづめとなって、
往復4時間近い道のりを現地へ行く。

現場に出てナンボ、とは思っているが、
ワークショップの最中に現場へ出ることは、
意外と難しい。

何のために、どこへ出かけるのか。
往復にかかる時間とその効果を考える時、
近場の歩いて行ける範囲ならばともかく、
よほどうまく設定しないとどっ白けた話となる。

この日の現場訪問は、
参加していた研修員には面白かったのかもしれないが、
あまりに無駄な時間が多かったように思った。

現場に持っていく前のテスト不足。
現場に行ってハンダコテを持ち出し、
テスターで通電を確認し、
果ては回線図を引き直す等々。
おいおい……。
動作確認は、出発前にやるべき話だろ?

緑、黄色、赤に塗り分けられた水位計があり、
その隣には、
パナマの電力会社がテレメーターを設置してある場所ゆえ、
見せたい、という気持ちはわからないではない。
でも、現場でも動くかどうかの確認がメインのことに、
往復4時間をかけるのがよいのだろうか……。

同じ時間を共に過ごす、という意味では、
こういう場も必要なのかもしれないが……。
ワークショップ責任者の姿が見えないという、
無責任体制の中でのこのようなグズグズのワークショップ。

ほめてナンボ、ではあったとしても、
さすがにこれを是としてはいけないと思うのだが……。

妙なものであるが、それでも、
プログラムは前倒しで進んだことになった。
(つまりは、そもそも、
移動日も含め6日もかける中身のセミナーではないという話。)

18時近くになってSINAPROCに戻り、
Sリーダーによる簡単な終了行事。
ディプロマを渡し、記念写真を撮る。

研修生から、
「施設があまりにボロい」との不満の声が続出したため、
この日からはパナマ市内の手頃なホテルに宿泊先を変更。

現長官は返り咲きなのだが、
前の任期中に肝いりで作ったのがアカデミーとのこと。
使われていないことを気にして、
ともかく使え、ということなのだろうが、
恥ずかしくて使えなかった(使わせなかった)という実態を、
どこまで理解していたことやら……。
まぁ、どこかの大学の研修センターゼミでも、
まったく同じことをやっているので、
他人さまのことは笑えないが……。

一応は完成までたどり着いた&研修終了おめでとう、
ということで、
Sリーダーと「旅の坊主」で、
パナマ以外からの参加者6名を
夕食に招待する。

店に落ち着くまで二転三転、
本来の会食開始時間から1時間近く遅くなったものの、
21時を過ぎてようやく、
イタリアレストランで食事にありつける。

こういう食事風景一つをとっても、
日本の飲み会とは違う雰囲気があって、
これはこれで面白いものであった。
スペイン語がもう少し話せたならば、
もっと盛り上がれるのだろうが……。

日本を発ってから、
この日でちょうど2ヶ月となる。

この間、何を残せたかを問われるならば、
生活基盤の確立と、多少の土地勘が出来たくらいで、
大したものは残せてはいない。
残り10ヶ月を請うご期待ということで、
今のところはご勘弁いただくしかない。

まぁ、強制退去処分にはならずに済んでいる訳で、
可もなく不可もなく、というところか。

残りの時間で結果を出せてナンボ、
であることは間違いなく、
その意味で、これからはもっと本気でモノを考えよ、
ということではあるな。

                       (11月20日アップ)