たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

生と死の交差

2016-10-21 10:15:58 | 自然災害・参拝マナー

<南三陸町・志津川地区>

 

南三陸町の防災庁舎から、

ほど近い場所にある高野会館では、

震災当日、地元の老人クラブが主催する、

歌や踊りの発表会が開かれていたそうです。

大きな揺れが収まった後、

津波の襲来を予感した職員の方々が、

必死でお年寄りたちを説得して、

会館内にとどまらせたと聞きます。

 

一方、多くのお年寄りが命を救われた建物の

すぐ隣にある町立志津川病院では、

多数の患者さんやスタッフが亡くなりました。

ベッドごと波にさらわれる入院中の知人が、

助けを求めるように手を振っていた姿を、

目撃してしまった人もいたようです。

 

つい先ほどまで、当たり前のように言葉を交わし、

生の温もりをしっかりと感じていた相手が、

大きな波に飲まれ海に流されていく姿を、

どんな思いで見つめていたのでしょうか。

生き残った人たちの心を占めていたのは、

助かった安堵感よりも「助けられなかった後悔」

のほうが大きかったと聞きます。