<日和山公園 ひよりやまこうえん>
北は青森、南は千葉にまでおよぶ
東日本大震災の広大な被災地の中でも、
最大の犠牲者数を出したのが、
津波浸水域人口の多かった石巻市でした。
津波高は約8m、死者数は3000人以上に達し、
全家屋の77%が被災したそうです。
中でも被害が大きかったのが、
日和山公園の南側に位置する、
門脇・南浜と呼ばれる地区です。
もともとは小学校や郵便局、
コンビニや商店などが立ち並ぶ、
にぎやかな街だったそうですが、
現在はいくつかの工場や店舗を除いて、
ほとんどが草地のままになっています。
震災当日に日和山から撮られた映像を見ますと、
雪の降りしきる中を、門脇地区のほうから、
多くの人々が避難してくる様子が映っていました。
不気味な静けさを伴いながら押し寄せた津波は、
低地にあったたくさんの建物を一気に押し流し、
鹿島御児神社の参道でもある日和山へと続く道を、
あっという間に家や車、瓦礫で埋め尽くしたのです。