<南三陸・戸倉小学校跡>
南三陸町にある戸倉小学校の児童たちは、
東日本大震災当日、近くにある神社の山に避難し、
その日学校にいた全員が命を取り留めました。
ただし直前まで、小学校のマニュアルでは、
「津波警報が出たら屋上に避難」
というルールが決められていたのだそうです。
実は、数日前から続く強い群発地震に、
危機感を抱いた戸倉小学校の教職員は、
地震発生の前日まで、最善の避難ルートを
繰り返し議論していたと聞きます。
校長先生自身、津波到達までの時間を考慮して、
屋上への避難を優先的に考えていたそうですが、
過去の巨大津波の言い伝えを叩き込まれてきた
地元出身のひとりの先生が
「山に逃げるべき」と主張したことにより、
屋上ではなく神社の高台への避難も、
選択肢のひとつとして考慮したのだとか。
そして巨大津波が襲来したそのとき、
想像をはるかに超える現実に直面した校長先生は、
とっさに「高台(山)への避難」を命じたのだそうです。