正さん日記

世の中思いにつれて

秋葉原、無差別殺傷事件の裏側にあるものは

2008-06-10 23:08:30 | 社会
 8日、東京秋葉原で起こった通り魔による無差別殺傷事件は、日が立つにつれて事件の経緯や、犯人像などが明らかになってきた。
 特異なのは、携帯電話に犯行直前まで、犯人自身が、犯行に至るまでの経緯や意思を明確に記録していることである。これはあたかも、殺人現場を第3者が実況放送をしているような書き込みとなっているから驚く。
 犯人は、犯行をまるで使命感に燃えているような形で示している。ただその文脈はコンプレックスの塊で、世を恨み、自らの不運を嘆き、その面当てを「誰でも良い」と言っているように、世間にぶつけている。
 しかし、それだけでは済まず、どうせやるのなら、同世代や、ITの先端を行く秋葉原をターゲットに、最後は、自らの存在感をありったけアピールするかのように大量無差別殺害を実行した。正に独りよがりの理不尽そのものの犯行だ。
 ただ、彼のやったことは当然許せないが、100歩譲って、彼の犯行の根幹にあるものとして、コンプレックスや生活不安、将来への希望喪失があると思われ、その源流が、彼が派遣社員だったところにあることも見逃せない。
 現在、派遣社員は雇用者の三分の一に達している。これらの派遣社員は、正社員の60%程度の給与で雇われ、雇用関係は不安定で、仕事についても多くは限定的なものしか与えられない。その中で将来設計が成り立たず、家庭も持ち難い。職場では、正社員とたえず差別のはざ間に置かれている。
 もちろん、このような中でも、ほとんどの派遣社員は自らを律し、毎日を懸命に生きている。しかし、多くの中には、潜在的にこんどの事件の犯人のように、自らの置かれている立場に対し、言い知れない不満のマグマを溜めこんでいる人間が有に居ることは想像に難くない。
 今回の事件に関わり、舛添要一 厚労相が、派遣問題に触れ、その改善の必要性を述べているが、このような不幸な事件を無くすためだけではなくわが国の経済、社会政策の正常化のためにも、派遣労働についてメスを入れることが必要だ。[関連:6月9日
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