正さん日記

世の中思いにつれて

首相問責決議のタイミング

2008-06-11 17:34:49 | 政治
 だいぶ前から、民主党などの野党がやるぞやるぞと言っていた福田康夫首相に対する問席責決議案が、ついに今日午後、民主党が、社民党、国民新党と協同で参議院に提出、共産党も賛成して可決された。
 問責決議の理由は、野党共同提出の後期高齢者医療制度廃止法案を成立させるよう与党に迫ったが、与党がこれに応じず、継続審議に持ち込もうとしていること、 ガソリン税の暫定税率復活、年金記録の問題などについての批判で、「福田総理はもはや国民に見放されている」と断定した上のものである。
 首相問責決議の可決は現憲法下では初めてで、福田首相などは、法的拘束力はないとしてこれを無視し、解散や総辞職に応じない構えだ。また、与党は問責決議後、直ちに衆院に内閣信任決議案を提出、12日に可決させて対抗する方針だ。  民主党は可決後、衆参両院で審議を拒否する構えを見せている。
 ただ、何故いま問責決議か、と言えば、いささかタイミングが悪い感じがする。 確かに政府の後期高齢者医療制度に対する高齢者などの反発が強く、暫定税率復活、年金記録の問題の進捗状況について批判は根強い。
 しかし、このところ福田首相も、中国との首脳会談、アフリカ会議、クラスター爆弾禁止条約承認、欧州歴訪イラン大統領との激論など、外交で相当点数を上げている。また、国内政治でも、環境問題や、後期高齢者医療制度を長寿者医療制度と読み替え、内容も改善する方向で号令を掛けているなど、以前に比べ首相の顔が見え出している。
 それを反映して、直近の内閣支持率も10%台から20%台に回復するなど持ち直を見せている。その中で民主党が審議に加わらないことになると、鉄砲玉が逆に民主党側に返ってくる可能性も多分にある。
 また、問責決議に対し、首相側が無視を決め込んだ場合、その後の二の矢、三の矢を放つ見通しがついているのか。
 7月7日~9日には洞爺湖サミットが始まり、福田首相はこれを何とか乗り切ろうと必死になる。野党もサミットを妨害する分けにはいかないから、暫らくは休戦状態になろう。
 この間、サミットで一定の役割を果たした福田内閣の人気が持ち直すと、民主党など野党は立ち往生することになりかねない。この機を狙って福田首相が解散・総選挙に踏み切ると、民主党は勝ち目が無くなる可能性も出てくる。どうも、今度の問責決議のタイミングは後れた感じがする。「関連:5月12日

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