DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生★1/28試写会 九段会館

2008-01-29 | ドラマ・映画・演劇・アート
2008年の試写会はじめはこの映画。
デップのスプラッタ・ミュージカルへのおつきあいをお願いしたら
逆にダラ子様にお誘いいただいたのですが、
これ、この試写会に行かなかったら、
映画館に1人で観に行ってた、と思う。
今回も超ステキな時間をありがとう!!!感謝です。<ダラちゃ

『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』

アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生 - goo 映画
ヴォーグ誌の依頼で、マリー・アントワネットの衣装に身を包んだキルスティン・ダンストの写真を撮る女性写真家、アニー・リーボヴィッツ。彼女が写真を撮るなら、どんなセレブでも喜んでやってくる。彼女の写真家としての人生は、1970年にローリング・ストーン誌の写真を撮ることから始まった。ミュージシャンたちの素顔を収め成功し、やがてヴァニティ・フェア誌に移籍。よりメッセージ性の強い写真を撮るようになる。

アニー・リーボヴィッツの名を知らない人でも、70年代ロックが好きな人なら彼女が撮った写真は絶対に目にしたことがあるだろう。当時サブ・カル系雑誌としてアメリカの若者に絶大な人気があったローリング・ストーン誌の写真家としてストーンズのツアーに同行し、またジョン・レノンが亡くなる数時間前に、裸のジョンがヨーコに抱きつく、あの有名な写真を撮ったのが彼女だ。80年代以降になると、映画スターやセレブの写真を撮り、よりストーリー性やメッセージがある写真を発表するようになる。なかでもデミ・ムーアの妊婦ヌードは大きな話題を呼んだ。この作品は写真家としての彼女だけでなく、プライベートな部分にも踏み込んだ貴重なものだ。


はい、ジョンとヨーコのこのローリング・ストーン誌は、
当時、梅田の紀伊国屋の洋書コーナーで最後の1冊をゲットしました。
入手時すでに表紙はボロボロだったけど、今もかくかように私の宝物です。



カメラマンはそのカメラマンにしか見えない景色を、
カメラという目によって切り取る、と聞いたことがあります。
この映画を見ると、空気のように場に溶け込むことで、
カメラをまばたきのように駆使して、その「場」をリアル以上に
鮮やかに&濃密に閉じこめてしまうアニーの、自在で奔放な視線に驚きます。

いろいろと危険すぎるので編集長が止めるのも聞かず、
ストーンズのライブに同行して撮り続けた、という貴重な写真の数々。
(編集長の心配どおり麻薬にもどっぷり染まってしまったようですが)
メンバーのナチュラルでリラックスした一瞬、
だからこそのクレイジーでぶっとんだ空気が、しっかり伝わってきます。

ファッションフォトは、やりすぎなんじゃ?という演出だけど
作品になると神秘的でドラマティック。
アイデアの奔放な迸りが、まるで1つの舞台作品のように集約されていきます。
(や、好き放題予算が使えるのは、才能には必要な環境なんだろうなぁ。
・・・そこまでいく間の知恵と工夫もすごいのでしょうけど)

ジョンとヨーコの写真は、その直後にジョンが射殺されたことも
あって、なんだかこの写真がこうして残ったことに、
運命的なものすら感じます。

登場する作品がどれもどれも凄い。
被写体も有名人、セレブだらけ。そういう華やかな世界もまたステキなのだけど、
ずっと撮り続けている家族、恋人だったスーザン・ソンタグの死ぬまでの記録などは、
見ていると、そこにこめられた切実な被写体への思いに思わず胸が熱くなります。

70-80年代のあの時代の、ちょっとトリップ気味な空気が好きな人には
お薦めのドキュメント映画だと思います。
あ、単純に有名人の撮影風景の舞台裏が好きな人も楽しめるかも。
ヒラリー・クリントン、シュワちゃん、キース・リチャード、パティ・スミス、
ウ-ピ-・ゴ-ルドバ-グ、ヨーコ・オノ・・・豪華なインタビューも必見です。
ちょぉーっと、アーティスト特有の独特のクセや自負や生き様の重さはありますが。
私にとってはとてもとてもナイスな&興味深い映画でした。

コメント (4)
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