DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展★伊藤若冲初体験!

2011-06-19 | ドラマ・映画・演劇・アート
趣味人のアートコミュの観賞オフに初参加♪
総メンバー10名以上のオフ会でしたが、
アート好きなメンバーの皆さんとのおしゃべり、
また、素晴らしい作品にも複数出会えて、
めっちゃ楽しかったっ!!

●ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション/国立新美術館

国立新美術館には、時々裏切られることもあるのですが、
今回は、印象派の代表作家の作品がバランスよく来ていて
ある意味、捨て絵なし。
さすが12万点から絞り込んだだけのことはあります。(←何様目線;

個人的にすっごくよかったものを観た順にピックアップ
(あくまで個人の趣味&主観です)

●ブーダン:トルーヴィル近郊の洗濯女
なんかすごく開放的で、絵の中から潮風が吹いてきました。
比較的小さな絵なのになぁ・・・、不思議です。

●モネ:日傘の女性、モネ夫人と息子
離れて観たあと近づくと
たった一筆、その一筆を重ねていった効果の素晴らしさが
ミラクル。特に雲と光の表現!!!

●ルノワール:踊り子
さわさわと重ねられたベールのような色彩が、
ポーズをとる踊り子の存在を浮かび上がらせる、
ルノワールの真骨頂でした。

●モリゾ:姉妹
こういうモチーフって好きー。
姉妹が、あまり楽しくなさゲなのも素敵w

●メアリー・カサット:湯女
上半身の線・・・。

●セザンヌ:水辺にて
えーと、バッシング覚悟で言いますが、ゼサンヌ、実はちと苦手です;;。
私にはどうも画面が重過ぎるというか。
で、きっとコレ、生まれて初めて絵の前から動けなくなったセザンヌ作品です。
信じられないほどの表現力、素晴らしかったです。

●ゴッホ:薔薇
えーと、バッシング覚悟で言いますが、ゴッホ、実は好き嫌い激しいです;;。
これはとてもよいです。
一部、いきなりエネルギーが抜けてる感じ含め好きです。


上記が特に大きなマイ収穫。2~3度往復して観ました。

その後、場所をミッドタウンに移動。
●「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展/サントリー美術館


サントリー美術館開初体験にて
なんとまさかの伊藤若冲初体験!!!

●旭日鳳凰図
陶然~。画筆、表現力、テクニック、別格!

●樹花鳥獣図屏風(←これって展示20日までなんですねー、ラッキー☆)
「枡目描き」にも、画風にも、モチーフにも圧倒されましたぁーーー。
まさに印象派の点描写の面版!素朴派の趣もあり、どこかシュールでもあり。



※他の方のブログですが、一番画像がデカイので
http://blog-imgs-24-origin.fc2.com/m/u/r/murakamit/20070601165757.jpg
http://blog-imgs-24-origin.fc2.com/m/u/r/murakamit/20070601165730.jpg
これ、当時どんな評価だったのかなぁ・・・


江戸時代の日本に、こんな絵を描く人がいたなんて・・・
これだけでも行った甲斐あったー!!
今度企画展があったら絶対行くぞ!!!

他にも好きな作品いっぱいでしたー。
鳳凰と獅子、幻獣好きにはたまらないですー♪

サントリー美術館って、自分1人だと行かなかったと思うので、
今回コミュ企画に感謝です!!(o^∇^o)

後期の若冲を観に、もう一度行こうかなぁ。・・・

参考:樹花鳥獣図屏風 静岡県立美術館
両隻とも、まず画面全体に縦、横それぞれ約1センチ間隔で淡墨線を引いて無数の方眼(正方形のマス目)をつくり、そのひとつひとつに、藍・白・黄土・朱などを淡彩で施して地色とした上で、それぞれの方眼に、地色よりやや濃い色、より濃い色の同系色を施すことによって、一種の立体感や陰影を感じさせる色面を形成している。そしてすべての方眼にこうした彩色を施すと言う、驚くべき手法で、それぞれの画面を構成している。
コメント (7)
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劇団昴★エデンの東

2011-06-11 | ドラマ・映画・演劇・アート
先週、ちゃとと様にお誘いいただいて、uoco様と3人でお芝居を見て参りました。
劇団昴★エデンの東
劇団昴の観劇は3回目になります。

今回は「エデンの東」(「東のエデン」ではありませんよ)。
映画が有名で、ジェームス・ディーンの代表作でもありますね。

お芝居では、映画版とは違って、全4巻の原作を改めて再編集、
双子の兄弟キャル(J.ディーン)とアロンの父親アダム・トラスクにフォーカスし、
親子2代の物語となっていました。

ちゃとと様友人の宮本充さんは、今回はそのアダム役。

あまりにも真っ正直で、まっすぐなために、希代の悪女・キャシーにたぶらかされ、翻弄され、深く傷ついたまま生きてきた、アダムの生き様は、映画では描かれていなかった部分です。どこかで心を閉ざし、母親キャシーに似た要素を持つキャルを受け入れることができない・・・それが物語を悲劇に導いてゆきます。

実は、「エデンの東」は中学時代の夏休みの課題図書(で、スタインベックが苦手になったような;;)。また大学でもスタインベック研究は米文学では避けては通れない道。映画も見ているはず。でもすっかり忘れていました(汗)
有名なシーンは思い出せるのだけど、細かい設定は完全ぶっとんでいました;

が、そんなことは関係なく、お芝居の物語が際立っていて、原作とも映画とも違ったアナザー・ストーリーというか、よりぎゅっとテーマを絞り込んだような・・・

一言でいえば
・人間には絶対悪というものがあるのか?
・悪いとわかっているのに、やってしまうのはなぜか?
・悪い人間は良き行いをできないのか?

ん?このテーマ、最近「マイ・バック・ページ」でも触れたような・・・

「エデンの東」はキリスト教がベースにあるので
罪の意識の表れ方はずっと明確なのですが・・・

繰り返し出てくるキーワード"timshel"。
「個人の行動の選択の自由」という意味で、
物語では、運命は流されるのではなく、自分で選び取れる、ということを意味しています。

これがけっこう深いんだなー。

脚本も面白かったのですが、目を奪われたのは舞台美術と演出。
3時間近いお芝居を場面転換なしでやっていて、
農園や協会、いかがわしい売春宿などを表現。
ライティング1つで、家の柱が橋になり、十字架にも見えるという工夫がすごい。

子どもの成長は、洗濯もの(シーツ)に描かれた子どもの手描きの絵を
1枚ずつめくっていくことで、上手になっていくことで表現。
一緒に干されるシャツも、子どもから青年へ・・・

そういう大胆でユニークな演出が、舞台ならではでした。

舞台が終わったあとのトークショーは
メイン出演者2人と、美術の乗峯雅寛さん、演出の河田園子さん。
河田園子さんはすごく若いのに(って感性に年齢関係ないんですが)
解釈の深さ、情熱がハンパなく、そのエネルギーに感動。
美術のお話も興味深かったです。
ステージが実は凸凹状というのかな?
やわらかな小石状のものがちらばっていて
けっこう歩くと痛い、というのを聞き、
それが演技にも影響するんだろうな、とか思いました。

※uoco様がさらさらと描かれたイラスト。



下北沢でのランチは、セットで500エン、
ケーキもついて600エン、驚愕の下北プライス♪


おまけ:宮本充さんのイラストカレンダー。素敵です。

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マイ・バック・ページ★6/1 吉祥寺バウスシアター

2011-06-01 | ドラマ・映画・演劇・アート
マイ・バック・ページ ★★★★☆
見てきました。面白かった!

入学式。
赤いヘルメット、黒いヘルメット、青いヘルメット。白いヘルメット・・・
ヘルメットの色はきっとあとの体験で補正されているだろう。

入り口には、見たことのない書体で、書かれたなんとなく不穏な
大きな看板。

同じ書体で書かれたビラを受け取る。

入学式自体の記憶はほとんどないのに、
キャンパスの緑と、学生会館と、図書館、そして
立看(というのだと、すぐ知ることになる)とヘルメットの印象だけが
残っている。

学生時代、授業もよく中断した。
ヘルメットをかぶり角棒をもった数名が前の入り口から教壇につめよると
先生はさっさと授業をやめて出ていく。
私やクラスメイトも「またか」、ともすれば「ラッキー」に近い感覚で
教室を出る。
別に誰一人とがめられることもなく・・・

美術系サークルだったので(?)、大学7年生とかへんな先輩も多く、
飲み会などでは、都市伝説のように
「オレの下宿の隣のヤツは逮捕歴があって」とか、
「この間、青ヘルをかくまって」とか「警察に追いかけられて」とか、
セクト、ノンセクト、反体制、闘争、逃走・・・えとせとら。

ベトナム戦争は「ありえない」「非人道的」と思ったけど
それは遠い国の物語。LOVE&PIECE。
反戦ソングも、ただの「好きな曲・キライな曲」のどちらかで
たまに聞きかじった付け焼き刃のメッセージに
煽られるものの、平和な日常のスパイスでしかなく・・・
知識でしかなかった安田講堂は、どこまでも遠く、
ベトナムと同じくらい無関係だった。
そんな4年間。

マイ・バック・ページは、まだまだ安田講堂が生活の中にあって
やらなければ、
かえなければ、
という思いが、挫折の中でうねっていた時代
思想が命に先んじて、価値をもっていた時代
ジャーナリズム、マスメディア。
誰もが自分が社会を作る、変える、と思えることができた時代の物語。

川本三郎を演じる妻夫木聡の演技に、共感を感じて、一気に引き込まれました。
わが(?)松山ケンイチくんは、どうも作品に恵まれない気がしてたんですが、今回はものすごくぴったり!!頭はそれなりにいいけれど、傲慢で、微妙な野心と売名行為に燃え、そのために平気でウソをつき、ヒトを陥れる。そのある種歪んだ情熱に巻き込まれてしまう人たち。革命家気取りの身の程知らずな山師感がバリバリでした。
取り調べ室でのいい加減感、最高!!他人を口先1つで不幸の鈍底に叩き込んでも、悪びれない(いるよなぁ、こういう非道で外道なヤツ)。

松山くんって、かなり負けず嫌いだと思うのだけど、1人で主演を貼るよりは、いい役者と組むほうが力が出る気がする。今回、妻夫木くんとの共演で、またなにか深まった気がする。

妻夫木くんは「悪人」もすごかったけど、今回も見事。
なりきる、というか、役を呼吸している感じ。
観客がシンクロしやすい“すき間”をたくさん用意できる、
感情移入しやすい(ってすごい!)役者さんだなぁ、と思いました。

若手ジャーナリスト・沢田と革命を目指す学生活動家・梅山の出会いのシーン。
沢田の自宅での会見後、ギターを見つけた梅山が
「どんな音楽が好きですか?」「ロック」・・・
そこで梅山・ケンイチがCCRの「雨をみたかい」を口ずさむ・・・
「この雨って、ナパーム弾のことなんですってね・・・」
(Wikiによれば、違ったようですが)
そのあと2人でハモる。
2人の(少なくても沢田の)気持ちが絡んだ瞬間がよく出ていました。

そしてラストに流れるこの曲。
Ah, but I was so much older then,
I'm younger than that now.


「彼ら」は2010年を進行形で生きている。・・・
思いはどこに行ってしまったんだろう?

Bob Dylan, George Harrison, Neil Young, Roger McGuinn, Tom Petty, Eric Clapton
・・・なんか同窓会ソングみたいー。
でも楽しそうです。

======================
ストーリー

元・朝日新聞社記者の川本三郎によるノンフィクションを、妻夫木聡、松山ケンイチの若手演技派初共演で映画化した社会派青春ドラマ。1960年代後半の学生運動を舞台に、理想に燃える若手ジャーナリスト・沢田と、革命を目指す学生活動家・梅山との出会い、立場の異なる2人がそれぞれの理想を追い求めて葛藤(かっとう)し、激動する時代を駆け抜けていく姿を描く。監督は「リンダリンダリンダ」「天然コケッコー」の山下敦弘。

キャスト:妻夫木聡、松山ケンイチ、忽那汐里、石橋杏奈、韓英恵、中村蒼、長塚圭史、山内圭哉、古舘寛治、あがた森魚、三浦友和
監督:山下敦弘
プロデューサー:青木竹彦、根岸洋之、定井勇二
原作:川本三郎
脚本:向井康介
撮影:近藤龍人
音楽:ミト、きだしゅんすけ
美術:安宅紀史
主題歌:真心ブラザーズ、奥田民生


参考:
『マイ・バック・ページ』映画批評
相いれない評価も多いけど、今回は共感できる点の多い内容でした。

間違って力をもってしまった正義は、たやすく悪に転落するのだよなー

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