DREAM/ING 111

私の中の「ま、いいか」なブラック&ホワイトホール

劇団昴☆石棺(チェルノブイリの黙示録)

2012-11-30 | 脱原発


劇団昴

マイミクのちゃととさんにお誘いいただき、観たかった舞台を見て参りました。

といってもすでに2週間前ですが(汗;;)

座・高円寺は、いつも中央線からみていて、気になっていた劇場。
とてもきれいで、見やすい箱の前から2列目中央。
(いつもすごいお席をありがとう、ちゃととさん!)

====================
公式サイトより:
1986年4月26日、ソビエト連邦(現ウクライナ)で起こったチェルノブイリ原発事故は世界を震撼させた。事故直後に現場に向かったプラウダのジャーナリスト。彼は事故からわずか2ヵ月後にこの作品を書き上げた。克明な真実が暴かれていく…。

予告編


====================

※以下ネタバレあります。



席に座ると、舞台の奥に番号のついた部屋がずらりと並んでいます。
(個々の部屋自体がどこかお棺のようでもあります)

気がつくと左端の席に男性が1人座っています。
ここは放射能の研究所、
1階は植物、2階は動物、そして彼の暮す3階は人間用。

男性はこの研究所で唯一、長らく生き残っている希有な
(本人いわく)モルモット。
研究所の生活にも慣れ、手術にも耐え抜き、すっかり研究所の顔のようです。

ある日、緊急事態が起こり、すべての部屋に患者が運び込まれます。
農家の女性、将軍、おつきの運転手、工場長、消防士、泥棒・・・
彼らはチェルノブイリ事故の被曝者であり、一部は関係者。

そこで繰り広げられる、それぞれの立場から見た原発事故。

作者のウラディミール・グバリェフは、プラウダの記者で、
長編レポートを書いているうちに、
脚本という形態をとらざるをえなくなったそうです。

みんながそこで自分の役割に忠実であり(1人を除いて)、
まじめに生きていて、
それでも対象が人間には制御しきれないものであるがゆえに、起こってしまう悲劇。

終演後のポスト・ショー・トークでは、本来プラウダにノンフィクションのレポートとして掲載されるはずだった本作品が、フィションの戯曲という形を取ることで、政府、原発関係者、一般人それぞれの思惑、立場、思いがより明確に描かれている点、そういう戯曲の持つ力について、興味深いお話を伺えました。

この脚本があの大事故後わずか2ヶ月で書かれていた、という事実に驚愕します。
そして初演後、長らく上演を禁じられていた、ということの意味も考えてしまいます。

事故が起こった時、それぞれの立場が正義を主張するであろうこと。
それは個々には間違ってはいないが、恐竜のしっぽにすぎないこと、
原発システム、そしてそれが事故を起こした時の全体像はたぶん誰にも見えていないこと。

主人公の不死身だった男性は、自分の腎臓を工場長に移植して死んでいきます。
「彼だけは楽に死なさないように」という言葉を残して。

この結末の意味するところは大きいように思います。

そして、世界に向けた強いメッセージ、「チェルノブイリを教訓にして二度とこんな悲劇を起こさないように」、このメッセージを絶対に風化させてはいけないと、心から思います。


宮本充さん(ブラピの吹き替えなどでも有名な)
絵もお上手で、才能あふれておられますー☆
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

篠山紀信展 写真力☆東京オペラシティアートギャラリー

2012-11-18 | ドラマ・映画・演劇・アート
先々週、趣味人のコミュイベントにて。1週間が早過ぎる。。。

ジェームズ・アンソール-写実と幻想の系譜(損保ジャパン東郷青児美術館)

ジェームズ・アンソールは持っているアート画集の彼のページがこわくて(汗)
どうも苦手意識の強い画家だったのですが、今回はそれを克服すべく(?)お邪魔いたしました。

こちらもデルヴォーと同じように代表的な作風の作品は少なかったのですが、
その作風に至る足跡が関連作品でよくわかる組立になっていて、興味深かったです。
関連にルーベンスやブリューゲルがさくっと登場し、「おお!」という感じでした。

で、ジャポニズムの影響のあと、有名な仮面シリーズが登場するのですが、
そこにいたる部分をもっと観たかった。

私の苦手意識はどうも、彼の日本趣味の取り込み方にあるようなのです。
見てると、よくしってるハズのものが、魂を抜かれた別の文脈で語られてるようで、
その齟齬がどうも不協和音の原因みたい。
乱暴な表現ですが、サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドの
福助的な違和感というか(あれも苦手なんですヨー;;コワイワー;;)


うーん、今はもっとよく知りたい、ジョージ・ハリスン似のアンソールくんなのでした。




篠山紀信展 写真力|東京オペラシティアートギャラリー

「篠山紀信展 写真力|」はもう圧倒的な楽しさ☆
まさに同時代性のなせるワザ!

展示風景


ご一緒させていただいたコミュメンバーのみなさまの
表現がまたすごく楽しく機知と、発見に富み、
遊園地のコーヒーカップに乗ってるような感覚で
ぐるぐる@@~♪、と、楽しませていただきました。

「GOD」(鬼籍に入られた人々)、
「STAR」(すべての人々に知られる有名人)、
「SPECTACLE」(私たちを異次元に連れ出す夢の世界)、
「BODY」(裸の肉体、美とエロスと闘い)、
「ACCIDENTS」(2011年3月11日、東日本大震災で被災された人々の肖像)
の5つのセクションでの展開。

※写真はすべて公式サイトから

入って最初の部屋は故人のための部屋。
大きな展示に圧倒されます。

GOD:鬼籍に入られた人々


別のお部屋にあった森さんの写真には喪章が飾られているそう。
写真の中では、誰も同じように活き活きと息づいているのだな。

SPECTACLE:私たちを異次元に連れ出す夢の世界


BODY:裸の肉体、美とエロスと闘い



記録する、ということの力も感じさせてもらった
作品展でありました。

参考:
弐代目・青い日記帳 「ジェームズ・アンソール展」
弐代目・青い日記帳 「篠山紀信展 写真力」

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アンソール

2012-11-18 | ドラマ・映画・演劇・アート

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

座・高円寺

2012-11-13 | 脱原発
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

府中市美術館 ポール・デルヴォー展

2012-11-12 | ドラマ・映画・演劇・アート
府中市美術館 ポール・デルヴォー展


ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅

「夢にデルヴォー」って。。。;;
個人的には《エペソスの集い2》が観れたので大満足ですが。。。
絵の前で深呼吸してダイブしてまいりました。


30歳の頃の試行錯誤を垣間見たり、
代表作って50年-70年代だったんだなぁ、と同時代性にびっくりしたり。

最後の油絵、デルヴォーが89歳の時に描いた「カリュプソー」(1986年)
この作品がベルギーから出たのは今回が初めてだそうです。

水彩画のタッチとか、どことなく懐かしいというか、「和」テイストを感じる。
ほとんど見えていなかったそうなので、意識したわけではないのでしょうが。

たまに会いに行きたくなる。。。少女たち。


参考:
インターネットミュージアム
http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=view&id=209

関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~
http://21stcenturyxxxman.blog40.fc2.com/blog-entry-1156.html
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

府中市美術館

2012-11-07 | 脱原発

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする