ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

都会のオアシス「自然教育園」

2018-10-29 07:35:26 | 日記


JR山手線「目黒駅」から歩いて7分の場所にある「国立科学博物館付属・自然教育園」
を歩いてきました。ここは「森のある植物園」として子供たちの教育実習地として有名
ですが、園内には外国人の方が多く、観光地でもないのに、何故ここに?と不思議に思
いました。

この「自然教育園」は一般的な植物園や庭園と違い、自然の移りゆくまま、できる限り
自然の本来の姿に近い状態で残そうという独特の考え方の元で運営されている植物園です。

<自然教育園の歴史>(パンフレッットより)
自然教育園の生い立ちは、今から400~500年前の豪族の館からはじまります。江戸時代
は、高松藩主松平頼重の下屋敷となり、明治時代は、陸・海軍の火薬庫、大正時代には宮
内庁の白金御料地と歴史を重ねてきました。この間は、一般の人々が立ち入ることができ
なかったため、この地に豊かな自然が残されました。昭和24年(1949年)に天然記念物
及び史跡に指定され、一般に公開されるようになりました。

<都心に残された武蔵野の自然を歩く>
管理棟を出るとすぐに、道端に生育している植物が見られる「路傍植物園」、園の中央に
進むと池や湿地の植物が生育している「水生植物園」、最深部には武蔵野の森に育つ野草
がみられる「武蔵野植物園」の3つのゾーンがあり、1時間あれば見て回れます。私が歩
いた先週はいろいろな野菊が花盛りでした。この時期に見られる花の名前や園内の見どこ
ろについては多くの投稿がありますので省略しますが、武蔵野を代表する四季折々の植物
が、それぞれの生育に適した場所で見ることができるのが魅力です。解説板もわかりやす
いです。

<解説板にある見どころ>
1.ビューポイント:A.シイの巨木 B.モミジの新緑と紅葉 C.小川と湿地 
          D.水生植物園 E.コナラの林
2.「物語の松」「おろちの松」:江戸時代、松平讃岐守の下屋敷の面影を残す松です。
3.史跡:館跡の土塁、中世の豪族の館跡とされています。

<自然態重視な管理・運営体制>
歩いていて、目に見える形で自然のままで残そうとする運営を感じた点です。
1.森の移り変わりの解説板:1950年ごろには若い松林だったが、自然教育園になって下
    刈りなどの手入れをやめたら、ウワミズザクラなどの落葉樹やスダジイなどの常
    緑樹が育ってきた。1963年ごろには下から育ってきた落葉樹に光を奪われ、松は
    枯れていった。今ではその落葉樹も、成長が遅かった常緑樹が高くなるにつれて、
    下枝の方から枯れ始めている。やがては常緑樹樹林へと変わっていくのでしょう
    と書かれている。
    定点観測からほって置くと植物相が変わっていくことが分かるという解説版は他
    の植物園では見られない特徴です。よくマスコミに取り上げられる「自然を守る」
    とは何なのかを考えさせられました。
2、支え木がない:巨木である「シイの巨木」「物語の松」「おろちの松」を含めて、全
    ての樹木に人の手による支え木の保護がなかった。どんな台風や地震がきても
    「自然のままに、自然のままに」を感じました。
3.コンクリート、アスファルト舗装がないのもいいです。

自然教育園は、大都市「東京」の中心部にあって今なお豊かな自然が残る、都会の中のオア
シスともいえる貴重な森林緑地です。園内にはコナラ・ケヤキ・ミズキなどの落葉樹、スダ
ジイ・カシ類・マツ類などの常緑樹が広がり、ススキやヨシの草原、池や小川などがありま
す。又、四季にわたって様々な草花や昆虫などの生きものを身近に観察できます。園内の植
物には種名表示板や解説板が整備されており、自然を深く知ることができるように工夫され
ています。

都会の中でこんなにも自然が残っている場所はないと思います。園内に入るとビルの姿が見
えなくなり、樹木、植物や動物が自然のままに自生しているので里山に行ったようで、手軽
に森林浴が味わえます。紅葉のビューポイントがあります。これからの季節に期待大です。
是非、足を運んでください。
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大江戸神輿まつりin木場公園

2018-10-15 07:34:10 | 日記


都内の秋はイベントが目白押し、休日は日程が重なって行くことを諦めるものもありますよね。
紹介するのは10月7日に行われた「大江戸神輿まつり」、今年16回目の歴史を有します。会場
は江東区木場公園内のイベント広場で、1日間だけの開催であり、荒天中止の祭りなので、こ
れまで見に行く機会に恵まれなかったお祭りです。

<大江戸神輿まつりとは>
 江戸の華とも言える「神輿」と、江戸下町に位置する木場公園のシンボルである「木場公園
 大橋」とのコラボレーション。賑やかで勇壮な神輿と、華やかな江戸伝統文化展や芸能など
 の江戸情緒を楽しんでもらおうと企画されたまつりです。今年は都内及び関東周辺から過去
 最大の14体の神輿が集った。

<木場とは>
 東京都江東区の中央南部にある地区。17世紀後期に東京湾岸の浅い部分を埋め立て、1701年
 (元禄14)江戸幕府が材木問屋に払い下げて町屋を開いたのが始まり。縦横に堀割が通じ、
 その水路を木置場としたことが地名となった。筏を操る川並衆の姿は江戸情緒として明治以
 後も残り、1975年(昭和50)ごろまでは約500の材木問屋、製材所が集中した。しかし、地
 盤沈下による水面の上昇のため橋下が通行困難となり、新たに埋め立てられた新木場に移転し
 ました。跡地は水と緑の森林公園として整備され、1992年(平成4)に開園したのが都立木
 場公園。シンボルは公園3地区を連結する全長250m、主塔の高さが60mの木場公園大橋。筏
 師が鳶口一つで自由に操る角乗りは都の無形民俗文化財となっている。歴史好きの方なら、
 材木商で巨万の富を得た紀伊国屋文左衛門、奈良屋茂左衛門を思い出すでしょう。

<思い出の中の木場>
 子供の頃の築地・佃島そして木場地域の印象は「埋め立て地」、そして魚、佃煮、材木など
 に特化した仕事に従事する人が働いている「専門家集団の暮らす町」。それゆえに足を踏み
 入れ難い地域の一つでした。記憶をたどっても「潮干狩り」と「学校からの社会見学」ぐら
 い。そこが今ではオフィス街そしてファミリー向けマンションが林立する住宅街として、住
 みたい街ランキングの上位に位置する街に変貌しています。

「ここが木場公園だな。初めて来た。芝生広場も広く、バーベキュー・コーナーも賑やかだ。
 走っている人も多いな。材木置き場だったとは思えない。」

大江戸神輿まつり会場のイベント広場は木場公園大橋を渡った先のようです。

「橋が見えてきた。おぉ!塔の間から東京スカイツリーが見えるじゃないか。いい橋だな。こ
 の橋の下に見える掘割で昔は筏を組んでいたんだな。」。

大橋を渡ると神輿会場が見えてきました。会場からも東京スカイツリーが見えます。到着した
まつり会場は神輿の担ぎ手で埋まっていました。

「掛け声が聞こえる。どこから神輿が集まっているのか、どのくらいの観衆がいるのか楽しみ
 だ。コンテストが始まっている。審査会場に急ごう。順番にパフーマンスを披露して審査を
 受けるようだ。今年はどこの、どんな神輿が大賞をとるのかな。」

神輿を担いで街中を練り歩く理由は、神輿に宿った神様の霊力を振りまくためとされ、激しく
揺さぶるほど霊力が広がるとされています。審査でもこの激しい揺さぶりが大きいポイントに
なるのでしょう。今年は14体の神輿と2500名以上の担ぎ手が集ったそうです。審査会場で見
ていると各団体は大賞を目指して、神輿を高く飛ばしたり、担ぎながら飛び跳ねる、更に神輿
に人を乗せて揺らすなどの担ぎ技を披露して、審査員にアピールしています。観衆も手拍子を
して盛り上げました。私も初めて見る担ぎ技に目を見張りました。そしてもう一つ、初めて目
にする提灯で飾られた箱形の神輿2台が新鮮でした。おそらくコストダウンを目的として近代
に建造した神輿なのかなと思います。コンテストが終了後は昼食休憩です。休憩時間及びその
後の木場公園内の神輿練り歩き時間帯にはフォトコンテストや江戸伝統文化展そして組太鼓、
お囃子、芸能ブースステージの歌謡ショー、南京玉すだれ、相撲甚句などの芸能公演が開催さ
れました。私も見学しました。
今年、大賞を受賞したのは千葉県勝浦市新官区八坂神社・八坂会。最大規模の担ぎ手が、大き
な神輿を担ぎながら、一斉に腰を低くして、うさぎ跳びのように飛び跳ねる担ぎ技を何度も披
露したのが評価されたように思います。

私は社会人となり、仕事で東京を離れるまで、赤坂氷川神社祭りで神輿を担いでいました。当
時は他の地区の神輿には関心がありませんでしたので、担ぎ方や神輿の形はどこも同じだと思
っていました。こうして、他の地区や他県の神輿が一堂に集まると、それぞれ地域ごとに神輿
の形や担ぎ方そして掛け声、ハッピ姿の違いに気付きます。地域ごとに継承された神輿文化が
あるのですね。私の知識も広がりました。これからも「大江戸神輿祭り」は続いて欲しいです。

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 雑木林で見つかる食用「タマゴタケ」

2018-10-08 07:28:28 | 日記


早秋の時期、夜来の雨が上がり秋の青空が広がる爽やかな日は、雑木林の中のキノコた
ちの活動期。多種多様なキノコたちが我先と地表に顔を出します。老夫婦の散歩ではそ
んなキノコたちを見つめるのも楽しみの一つです。

夫:今朝は夜中の雨が上がって、暖かい晴天になったから、キノコたちがいっぱい顔を
  出しているだろうね。今年もキノコを見つけながらの散歩の季節になったな。

妻:今年は雑木林で見つけた可愛いキノコたちの写真集を作ってみようと思うの。今日
  は初回の被写体探しね。

老夫婦の散歩コースには大きな公園があり、周辺の環境が異なる雑木林が何ヵ所もあり
ます。どうやら、最初の田んぼに隣接した雑木林で早くも可愛いキノコを見つけたよう
です。

妻:こっちに来て!卵の殻が割れて黄身が顔を出している可愛いキノコを見つけたわ。
  「雑木林のキノコ写真集」の巻頭を飾るのにふさわしいキノコだと思うわ。周りに
  は土の中から顔を出したばかりのものから、傘が割れて倒れてしまったものまで、
  成長過程がわかるだけの数が群落として生えている。これは撮る価値ありでしょう。

夫:こんなに早く見つけるとはラッキーだね。確かにこれは価値のあるキノコだ。実は
  撮る価値だけでなく、食用になるというおまけ付きの価値のあるキノコなんだよ。
  名前は見た目から付けられたと思うけど、テングタケ科の仲間で「タマゴタケ」と
  言うんだ。僕も数日前に全く別の場所で見つけたので、気になって調べたばかりだ。

妻:姿・形からして「タマゴタケ」とはピッタリの名前ね。それにしても、こんな身近
  なところに食べられるキノコが生えているなんて知らなかったな。食用のキノコは
  「キノコ狩り」のツアーに行って、山の中に分け入って見つかるものだと思ってい
  たわ。

夫:「タマゴタケ」はキノコの中ではこんなに鮮やかな朱色をしているから見つけやす
  いね。でも、その色調から有毒キノコのように誤解されがちだけど、実は無害であ
  り優秀な食用キノコとして人気があるんだ。

妻:でもスーパーなどでは見かけないわね。

夫:それは成菌のキノコ自体が壊れやすいためだ。現在、信州大学で栽培の研究が行わ
  れているから、そのうちに商品化されて店頭に並ぶかもしれないね。彩りも形もき
  れいだから人気が出るだろう。

妻:食べ方は普通のキノコと同じでいいの?

夫:この朱色の色を楽しむには、ゆでずに焼いた方がいい。ゆでたり、汁物にすると朱
  色の色素が溶け出して汁が黄色くなるそうだ。生のままサラダに利用できるとも書
  かれていたし、殻を破る前の幼菌は生で食べると美味しいという記述もあったけど、
  キノコは生で食べると共通の臭みがあると聞いたことがあるので本当かなと思うよ。

妻:タマゴタケの生育域は広いの?

夫:日本全土や中国、北アメリカなど世界各地に生息するキノコだそうだ。発生時期は
  夏から秋にかけて、広葉樹林や針葉樹林の林の中に顔を出すのが共通だ。この範囲
  には見つからないけれど、最初は土から白い卵のようなものとして顔を出すんだ。
  それから地表で先端の殻が割れて、赤から赤褐色の幼菌のキノコが顔を出す。生ま
  れた後はツカが伸びるけど、その間の傘は卵の黄身の形が維持される。ツカは黄色
  だね。ここにあるのが成菌で、傘の中央に出っ張りがある平らの円形で、若干黄色
  味をおびてくるんだ。老菌になると傘が破れて倒れる。ここは群落で生えているか
  ら実際の成長過程がよく分かるね。

妻:土の中では殻で幼菌を保護しているということね。特別なキノコでなかったのが残
  念だったな。

夫:白い殻は「ツボ」と言うのが正しいそうだ。タマゴタケの特徴はこの卵型のツボが
  あることだ。黄色い種類もあるんだよ。名前は「キタマゴタケ」だ。見た目のまま
  の名前だけどね。

妻:タマゴタケに似た毒のあるキノコもあるんでしょう?

夫:名前が似ている「タマゴタケモドキ」がある。これは毒性がある。タマゴのような
  白いツボから生まれるところが似ているけど、カサの色が橙黄色~黄土色で違う。
  むしろ、キタマゴダケの方に似ていて間違いやすいから注意が必要だ。もう一つ
  「ベニテングタケ」がある。傘が赤いところが似ているけど、傘に白いイボがいっ
  ぱいついているから見分けがつくよ。でも稀にイボが無いやつが出たり、イボが剥
  がれちゃうと見分けが難しい。こちらも毒性が強い。

妻:食べてみようかなと一瞬思ったけど、近縁種に毒性が強いものがあるならやめて、
  写真で撮って楽しむだけにしておくわ。最初からこんな可愛いキノコに会えたから、
  これから先の散歩道でどんなキノコに出会えるのか楽しみが膨らんできた。

夫:もう少しこの周りを探してみようよ。タマゴタケが見つかった環境だから、他にも
  気になるキノコたちが生えているかもしれないよ。

今年は異常気象のオンパレードでした。こんな年はキノコの当たり年だと聞いたことが
あります。奥さんのキノコ写真集はきっと充実した内容になるのではないでしょうかね。


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