ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

稀勢の里 奉納土俵入りを見に行ってきた!

2017-01-30 10:17:06 | 日記


1月27日、大相撲72代横綱に昇進した稀勢の里が東京・明治神宮で行う奉納土俵入り
を見たいと勇んで出かけたのだが・・・・
稀勢の里が卒業した小学校・中学校は私が日常的によく歩く散歩道沿いにあり、まさに
身近に感じる力士なので、彼が頭角を現したころからのフアンです。

土俵入りは午後3時からとの事前情報を得て、2時間前の午後1時には明治神宮に到
着して、人波に押されるように奉納土俵入りが行われる本殿前に向かって歩みを進め
た。 二の鳥居を過ぎたところで通路の左側に行列ができていた。私は当然のこととして、
その最後尾に並んだ。まだ予定時刻までには2時間近くある。ここで誘導されるまで待
つことにした。

ところが40分ほど過ぎた頃、関係者らしい方が来て、「ここに並んでいても中には入れ
ませんよ」と伝えているのが聞こえてきた。並んでいた人たちは慌てて、本殿のある三
の鳥居に急いだ。でも、時はすでに遅し!入場制限がかかり、三の鳥居の前でシャット
アウト。これ以上は中に入れてくれません。仕方なくその場に陣取ることにした。
クヤシ~イ。

本殿前には大きな南神門があるため、私のところからでは本殿前の様子は全く見えな
い。奉納土俵入りを間近で見ることは叶わないが、化粧まわし姿の稀勢の里が客殿か
ら南神門に向かって歩いて行く姿は見られるだろうと期待して待つことにした。
鳥居の前は同じ思いの人でギッシリ(報道では1万8千人)。

私はよいポジションではなかったが、幸いなことに前列の方に陣取れたので、何とか
稀勢の里の化粧まわし姿を見ることができました。でも、彼が出てくると群衆は写真を
撮ろうと前のめりになるため、人波が押し寄せる波のようにうねり、写真はブレまくる。
私はこんなこともあろうかと準備していたビデオカメラを取り出した。かなり遠方まで
ズームの効くビデオなら写せそうだ。写真撮影を諦め、ビデオ撮影に切り替えたのは
正解だった。今日のブログにはビデオから起こした編集写真を載せることにした。

この写真の中に、一つだけ自慢がある。奉納の土俵入りから客殿に戻った稀勢の里
一行が客殿入口で足を清めている姿を捉えているのだ。この姿はマスコミでは報道さ
れないと思うので貴重だと自負している。

私は稀勢の里に10回~15回ぐらいは優勝できる横綱になってほしいと期待している。
これからも応援を続けるぞ!
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日本橋から京橋へ 史跡探訪

2017-01-23 07:53:25 | 日記



首都圏に住んでいる高校の同級生3人が喜寿を迎えたことを契機に始めた街歩き。歴史探訪や文学史散歩を楽しんで
います。今回は「日本橋南側の史跡探訪」。日本橋南詰西側にある「日本橋由来」の碑に集まったメンバーは新年の
挨拶を交わしています。



ノブ:我々の街歩きも3年目に入ったね。第1回はここ日本橋から日本銀行や渋沢栄一の像がある日本橋北側の歴史
   散歩だったけど、覚えているかな?今回は日本橋南側にある史跡巡りだよ。

ヒデ:日本橋に来たのは、あの時以来だよ。一昨日だったかな?テレビで東京駅から京橋にかけてのエリアは2020年
   の東京オリンピックに向けて、再開発工事のラッシュだってレポートしていたぞ。超高層ビルが約20棟も建つ
   らしい。

ヤス:そんな工事ラッシュのエリアに史跡といえるものが残されているのかい?

ノブ:と、思うよね。そこで、今回は先端テクノロジーが詰まったビル建設の現場近くに、どっこい生きている史跡
   や老舗の名店を探索しながら歩こうじゃないか。先ずは、この日本橋のたもとから見える「野村證券」のビル
   に注目だ。昭和5年の建造物で、上中下と三層構造になっていて、特に最上部の意匠が魅力的だと思っている。

ヒデ:昭和の初期にこんなハイカラなビルを建てたんだね。今でも古さを感じない。



メンバーは中央通りを南下してコレド日本橋方面に向かいました。



ノブ:江戸時代創業の寝具の老舗「西川」と新しいランドマーク「コレド日本橋」の間にあるこの道は、かつて木原
   店(きわらだな)と呼ばれた横丁だ。ここには多くの料理店や寄席があって、志賀直哉の「暗夜行路」や夏目
   漱石の「こころ」「三四郎」にも登場しているんだ。「三四郎」では三四郎がここの寄席で落語を聴く場面が
   あるそうだ。

ヤス:あそこのオープンテラスは広いね。ビルの谷間にあるオアシスってとこかな。

ノブ:アネックス広場というんだ。この脇に「漱石名作舞台の碑」があるよ。平成17年に建立されたものだ。漱石の
   小説には日本橋が多く登場するから、よほど、日本橋が好きだったんじゃないかな。でも、漱石自身は日本橋
   に住んだわけじゃないので、「舞台の碑」としたんだろうね。並んでいる「名水白木屋の井戸の碑」も見てほ
   しい。コレド日本橋は白木屋の跡地だ。白木屋は近江商人・木村彦太郎の創業で、日本橋北側の越後屋と並ぶ
   呉服の大店だった。2代目彦太郎が水の悩みを解消するために井戸を掘ったら、一体の観音像が出てきて、さ
   らに清水が湧き出たといわれている。以来、「白木名水」と名付けられたそうだ。今では水は出ないから、こ
   の石碑がなかったら未来には伝わっていかないよね。

ヒデ:石碑で知る「過去」。今日の史跡巡りのテーマにぴったりだ。

ヤス:この辺りは名店がひしめいているね。洋食の「たいめいけん」、ラーメンの「ますたに」、和紙の「榛原」、
   和菓子の「とらや」、飴の「榮太郎本舗」がある。いずれの店も昔ながらの定番商品と時代に合った新商品が
   並んでいる。

ノブ:着いたよ。「延命地蔵尊」だ。ここは泉鏡花の名作「日本橋」と関わりがあって、新派の名優・花柳章太郎が
   ヒロイン「お千世の図額」を奉納している。次に紹介するのが「竹久夢二の碑」だ。大正3年に、この地で夢二
   の妻・彦乃が夢二の作品を扱うお店を開業している。夢二が描く小首を傾ける女性たちは独特の魅力があるよ
   ね。この場所は商業美術史上重要な意味を持つ場所だから、こうして石碑が建てられたのか、夢二の人気が高
   いからなのか・・・僕は知らない。

ヒデ:意識して探さないとわからないけど、史跡って、結構あるものだね。

ヤス:僕は、この辺りの店については詳しいんだよ。あそこが徳川家のお菓子司を務めた「長門」、中央通りには本
   の日本橋「丸善」、その向かいは百貨店建築の傑作「高島屋」、ちょっと先にお茶と海苔の「山本山」がある。

ノブ:その中でも日本橋「丸善」が漱石・鴎外・龍之介をはじめとする日本近代文学史の発展に果たした役割は大き
   いよね。それでは次に向かうよ。ここが「秤座(はかりざ)跡の碑」だ。ビル工事で隠れていたけど、やっと
   塀がとれて姿を現したんだ。「秤座」とは聞きなれない言葉だけど、江戸時代に「度量衡」の制度を支えるよ
   うな組織があった場所だ。徳川幕府から東国三十三ヵ国で用いる秤の製造と販売、および検定権の独占を公認
   された守随家がこの地にあったんだ。西国の「秤座」は京都にある。次は「歌川広重住居跡」の標識だ。ビル
   建築中のため標識がフェンスに貼られているので味気ないけど、寛永二年(1849年)から亡くなるまでの十年間、
   ここに広重は住み、「名所江戸百景」などを描いている。

ヒデ:今、歩いていて気付いたけど、建て替えでブリジストン美術館が無くなっていた。都会の喧騒の中、全くの別
   空間で憩うことができて好きだったんだけどな。

ヤス:今回は常に建築現場の脇を歩いている感じだよ。変化の真っただ中だな。

ノブ:さあ、史跡めぐりの最終ポイントに来たよ。中央通りと八重洲通りの交差点に分離帯があるだろ。あそこに
   「ヤン・ヨーステン記念碑」がある。慶長五年(1600年)航海長のイギリス人ウイリアム・アダムス(三浦按針)
   とともに豊後に漂着したオランダ人航海士ヤン・ヨーステンが、家康から屋敷を与えられて暮らしていた。
   八重洲という地名は、このヤン・ヨーステンのヤ・ヨ・スに由来するといわれている。同じ場所に「平和の鐘
   のモニュメント」があるね。この平和の鐘は中央区が1980年に日蘭修好380年を記念し世界平和を願い設置し
   たもので、一定時刻になると26個の鐘が美しい調べを奏でるよ。オランダとの縁の深さを感じるな。

ヒデ:あそこの「明治屋」本店のビルがいいね。昭和初期の名建築が都心部で次々と姿を消しつつあるなか、往時の
   面影を色濃く今に残す、この建物は存続してほしいな。

ノブ:野村証券や明治屋のような名建築は探すとまだあるよ。実はパイロット万年筆の本店にあったギャラリーで万
   年筆の名品を紹介したかったけど、本店そのものが引っ越しちゃった。残念だな。ビル建設ラッシュの影響が
   こんなところにも現れている。
   今回の史跡探訪は以上。お疲れさま!

元気な3人、次回はどこを巡るのでしょうか?

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空から降りてきた動物たち?

2017-01-16 08:28:38 | 日記



動物村の住民たちが広場に集まって、緊張した面持ちで長老の話に耳を傾

けています。


長老 :山の見張り番から連絡が入った。東の空から我々の姿に似たもの

    たちが一直線に並んでユラユラとこちらに向かって進んでいて、

    それがどうやら、この村の広場に降りて来る恐れがあるようだ。

    もうすぐ、ここからも見えるらしい。

ミミ :見て!アレじゃないの?ホラ、あそこ!

コン太:でも、僕たちは空を飛べないじゃないか。仲間なんかじゃないよ。

ポン吉:何か嫌な予感がする。戦いにならなければいいけどな~。

長老 :今はまだ、何も言えぬ。正体が分かるまでは外出禁止だ。3人組も

    すぐに家へ帰れ。家から出るとお仕置きだぞ。ワシと村の役員た

    ちは木の陰から様子を見守る。安全が確認できたら、みんなに知

    らせるから戸締りをして待っていなさい。


3人組は大急ぎで家に向かい、長老と役員は木の陰に隠れました。謎の飛

行物体の姿が徐々に、はっきりと見えてきました。


ポン吉:あれ?先頭は俺と同じタヌキだぞ。それにしても、ブヨブヨだ。

    体は大きいのに軽そうで、しかも弱そうで、怖くなんかないぞ。

コン太:キツネもいる。僕にそっくりだ。本当に空から降りて来た!

ポン吉:何だ、コン太も来ていたのか。見つかったらお仕置きだぞ。

コン太:お前だって来たじゃないか。気になるから、家に引っ込んでな

    んかいられないさ。

ミミ :私もいるわよ。抜け駆けしようたって、そうはいかないわよ。

    二人の考えることなんて、お見通し。三番目はウサギよね。で

    も私は、あんなに太ってないわ。誰も武器なんか持っていない

    し、柔らかそうで、なんだか可愛く見えちゃうわ。


キツネ・タヌキ・ウサギのほかに、シカ・サル、リスなどの動物の姿をし

た飛行物は静かに広場に降りてくると、ユラユラと体を揺らしながら地面

に降り立ちました。

しばらく様子を見ていた長老と役員たちがユックリと近づき始めた、その

時です。最初にキツネの姿をした飛行物がフワッと浮き上がりました。続

いて他の動物たちも浮き上がり、一列に並んで、まるで踊るように空中で

ユラユラし始めたのです。

突然浮き上がった大きな動物の飛行物に長老たちはビックリ仰天「ウワ~
ッ!!」と大声を出して退散してしまいました。

少し離れた場所で、その様子を見ていた仲良し3人組も一瞬ひるみました

が、いち早く冷静さを取り戻したミミは、周囲を観察し始めました。そし

て、村で一番高い木の枝先だけが不自然な揺れ方をしていることに気付い

たのです。


ミミ :よく見て!木の上に誰かいるわよ。あれは風の精の風太郎さん

    じゃないかしら。

ポン吉:そうだよ、間違いない。風太郎だ。呼んで見よう。

コン太:待て!大きな声を出すと長老たちに気づかれてしまうぞ。大き

    な声じゃなくても風太郎には僕たちの声は聞こえるよ。

    オ~イ、風太郎く~ん。

風太郎:オヤ、仲良し3人組の声が聞こえたぞ。や~、みんな久し振りだ

    ね。面白いお土産を持って遊びに来たのに、誰もいないのでがっ

    かりしていたんだ。君たちはかくれんぼでもしているの?

ミミ :ちょっと~、ビックリさせないでよ。面白いお土産って、アレの

    こと?

風太郎:大きいけど可愛いだろう。君たちの姿に似せて人間たちが作った

    もので、子どもたちがお正月休みに空へ飛ばして遊んでいた風船

    というものなんだ。君たちの体の特徴がよく出ているだろう?

    空に上がったものを集めてここまで引っ張って来たんだ。途中で

    隊列が崩れないように、ここまで引っ張ってくるのは大変だった

    んだぞ。君たち、喜んでくれたかな?

ミミ :そういうことだったのね。危険なものじゃなくて良かった~。

ポン吉:アレは人間の子どもが遊ぶおもちゃなの?触っても大丈夫?

風太郎:もちろん大丈夫だ。とても軽いから手で放り投げるとしばらく浮

    かんでいるよ。でもね、風船を膨らませているものが中から抜け

    てしまうと、どんどんしぼんで小さくなり、やがてペチャンコに

    なるんだ。そうなると、もう元には戻らないよ。あの風船で遊べ

    るのは今だけだ。

コン太:アララ、長老たちが竹ざおを持って風船に近づいている。おもち

    ゃだから、怖くないって教えてあげたいな。

ミミ :ダメ!私たちがここにいることがバレちゃうわ。後でお仕置きさ

    れるのは嫌よ。

風太郎:オヤオヤ、仲良し3人組と同じ姿だから喜んでくれると思ったの

    に、村の住人を怖がらせてしまったようだな。すぐに風船を引き

    連れて、この村を出ようか?

ポン吉:ウ~ン、ちょっと待ってね。3人で相談する。


相談したあと、風太郎に耳打ちをしました。その間、長老たちは竹ざおを

持って風船ににじり寄って行きました。でも、かわいいキツネやタヌキの

姿をした風船たちに襲いかかることができずにためらっています。

すると、長老たちの目の前で風船が急激にしぼみはじめ、やがてペチャン

コになって横たわってしまいました。その様子をキョトンとしながら見て

いた長老たちは、事情が分からないままながら、ホッとひと安心。


風太郎:風船をペチャンコにして、いかにも長老たちが村を守ったように

    してくれという、君たちの注文には驚いたよ。3人組が風船で遊

    べなかったのは残念だけど、ペチャンコの風船を風で巻き上げて

    持ち帰ることにするよ。後で、長老たちがみんなに何と言って報

    告するのか、見ものだな。

ミミ :確かにどう説明するのかな?せっかく風太郎さんが私たちのため

    に持ってきてくれた風船なのに、とんだことになってしまったね。

コン太:今回はゴメンな。でも風太郎の気持ちは嬉しかったよ。

ポン吉:本当のところ、一時はスッゴク緊張したよ。今度来るときには、

    みんなを怖がらせないものを持って来てくれよな。

風太郎:分かった。それではみんな、また会おう。

    じゃあな。ヒュルル~~~

3人組:さようなら~、また来てね~。


長老と役員たちが住民に向かって、広場に集まるように大声で呼びかけて

います。仲良し3人組も素知らぬ顔で広場に向かいました。それにしても、

風太郎はどんな手を使って風船をペチャンコにしたのでしょう?

いくら考えても、3人組には解けない謎でした。
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姫ネコ・アメリの気まぐれツイート-9 <初夢>

2017-01-10 09:55:43 | 日記


お久し振り! みんな、覚えているかな?私、姫ネコのアメリよ。私の飼い主はお正月休みで部屋にいるの。
そこへピンポ~ンと音がして、大きなダンボール箱が届けられたわ。私、ダンボール箱の中に入るのが大好きだから、早く入りたいとニャ~、ニャ~と鳴いたの。飼い主はすぐに察して、箱の中の物を全部取り出すと、笑いながら私の前に置いてくれた。何かの匂いがプンプン。間違いない、この中にはいつもの冷凍イカが入っていたのね。

ダンボール箱に飛び込んだら、内側全体に海辺の絵が描かれていたの。飼い主が笑っていた理由が分かったわ。送り主が私のために描いてくれたのね。海岸やカニとか魚とか・・・実はね、飼い主が何度もビデオを見せながら教えてくれたから、私は海辺の生き物については結構、詳しいのよ。

アメリ: う~ん、この箱の中は本当の海辺みたいで、いい感じ。岩陰に穴があるわ。入ってみよ~っと。
     あれは波の音かしら?ザ~、ザ~って気持ちが落ち着く音だわ。アレッ?水が動いている。
     絵の中じゃなわね。本物の海辺よ。足元は砂。トイレ の感触に似てるかも。でも、ここには穴が
     いっぱい開いている。アッ、痛い!誰!

イソガニ: おい、この穴は俺の家だ。壊すな。早く向こうに行ってくれ。

アメリ: あら、イソガニさんね。この穴はあなたのお家?ごめんなさい!それにしてもカニのハサミで挟ま
     れると痛いわね。気を付けなくっちゃ。あっちにいるカニたちは大きなハサミを振りかざして私を
     呼んでいるみたい。嬉しいな。遊んでくれるつもりなのね。あの特徴のある大きな白いハサミはハ
     クセンシオマネキさんだ。今、行くわよ。
     どうして~?私が近づいたら、みんな、穴に入っちゃった。遊んでくれるんじゃなかったんだ。
     だったら、みんなで手招きして、おいで、おいで、なんかしないで欲しいわ、まぎらわしいったら
     ありゃしない。私のこと、嫌いなのかしら?
     おや、あっちにいるのはヤドカリだわ。彼なら穴の中に入らないで、私と遊んでくれるかもしれな
     いわ。ヤドカリさ~ん。

ヤドカリ: こら、こっちに近づくな!体がでっかいヤツは来るなよ。お前、それ以上近づ くと、俺だって挟
      んじゃうぞ。

アメリ: わかったわ、離れるわよ。もう痛いのはごめんだもの。

誰にも相手にされない私は仕方なく、ゴツゴツした岩場に移動することにしたの。そこにはフナムシがたくさんいたわ。

アメリ: もしもし、フナムシさんたち、私と遊んでくれないかしら。

フナムシ: いやだね。君は遊びのつもりでも、体の小さい俺たちにとってはその大きな体は脅威なんだぜ。わかってないんだな~。

アメリ: エ~ッ、そうなの?みんないっせいに岩場の陰に隠れちゃった。つまんないな。

私は一緒に遊びたいんだけど、逃げられてばかり。でも、めげずに再び遊び相手を探して歩いたのよ。そしたらね・・・

アメリ: あら、何かがピョンピョン跳んでいる。変ね。水の中じゃなくて、砂の上を飛んでいる。何か目のギョロっと
     した怖い顔をした魚だわ。でも、声を掛けてみよう。こんにちは!

ギョロ目の魚: 君は何者なんだ!見かけないやつだな。それ以上は俺に近づくなよ!

アメリ: 私は姫ネコのアメリ。少しお話がしたいんだけど、やっぱり私のこと、嫌い?他の生き物たちは私
     のこと、嫌いみたいなんど・・

ギョロ目の魚: 嫌いかって?ちょっと違うな。俺もそうだけど、ここの住人は、みんな臆病者なんだ。だか
     ら、体の大きな生き物を見ると警戒して逃げちゃうのさ。俺様のこの大きな目は何でも良く見える
     から、お前さんが海辺に現れたときから、しっかりと観察していたけど、みんなから随分と怖がら
     れていたね。

アメリ: エッ、私は嫌われているのじゃなくて、怖がられていたの?ただ、遊びたかっただけなのにな~。

ギョロ目の魚: そりゃ~無理だろ。そんなデカい身体じゃ、一緒に遊べるもんか。
        それより、君はザバ~ッと寄せてくる波が怖くはないのかい?

アメリ: 私は海のこと、ちゃんと勉強したから詳しいのよ。だから、海の中に入らなければ怖くなんかない
     ことを知っているのよ。むしろ、私は今ここにいることが嬉しいの。あなたはどうして、みんなに
     怖がられている私と話をする気になったの?

ギョロ目の魚: 君を観察した結果、悪いヤツではなさそうだと分かったから、君にとってここが間もなく危
     険な場所になることを教えてあげようと思ったのさ。

アメリ: ここがこれから危険な場所になるの?

ギョロ目の魚: 実は、この場所は間もなく海の水の中に沈んでしまうんだ。だから、早く安全な場所へ移動
     した方がいいぞ。それを教えたかったのさ。

アメリ:それは大変。海の水は私をさらって、海の底に引きずり込むと聞いているわ。貴重な情報をありがと
    う。すぐに移動するわ。でも私、帰り道がわからなくなったの。どうしよう?

ギョロ目の魚: あの岩陰に大きな穴があるだろう。君はそこから出てきたよ。

アメリ: ありがとう。助かったわ。また来てもいいかな~。

ギョロ目の魚: ああ、いいよ。

アメリ: ホント!じゃあ、そのときは一緒に遊んでね。バイバイ。あら私、名前を聞くのを忘れていたわ。

私は教えられた岩穴に入りました。すると、途端にス~ッと身体が浮かび上がったの。気付いたら、飼い主の腕の中だったわ。私ったら、箱の中に入って、うたた寝をしたみたい。

今のは「私の初夢」だったのね。
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本年もよろしくお願い申し上げます

2017-01-02 09:36:05 | 日記

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