ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

 鴨ン カモン everybody !

2014-07-28 08:14:42 | 日記




ある日、住宅街の一角を一羽のカルガモが歩いていました。何か用事があるような素
振りで一軒一軒、玄関先を覗いています。私はそのカルガモを勝手に「ガモちゃん」と
名づけて、そっと後をつけてみました。するとガモちゃんが何やら、つぶやいています。

ガモ:この家かな?あっちの家かな?住所をはっきり聞かなかったから、なかなか探し
    当てられないぞ。困ったな。このあたりだと思うのだけど・・・

一瞬、戸惑ったのですが、私は思い切って声をかけることにしました。人間の声に驚い
て逃げられたら、それはそれで仕方がないと考えたのです。

私 :あの~、私の耳にあなたのつぶやきが聞こえたので、思い切って声をかけますが、
    どなたの家を探しているのですか?
ガモ:おやっ!驚いた。あなたは人間なのに、なぜ、言葉が通じるのですか?
    それにどうして、私が誰かのお宅を探していると分かったのですか?
私 :私にも理由がわかりませんが、どなたかの家を探し当てられないで困っていると、
    あなたが独り言を言っているのが聞こえたのです。
ガモ:そうですか。人間と会話をするなんて歓迎すべきことではありませんが、何かの拍
    子にあなたと私の世界がつながってしまったのですね。
     この際、しばらくの間、私にお付き合い頂いて、目的の家に案内してくださいま
     せんか?
私 :お役に立てるなら、喜んで。
ガモ:私は今、Sさんのお宅を探しているのです。いつだったか、私が近くの田んぼにい
    た時、Sさんが私たち夫婦の写真を撮っておられたのです。女性でしたね。
    私たちに出会ったことがとても嬉しかったようで、何度も何度もシャッター音が聞
    こえてきましたよ。
    その時、彼女が「私はこの田んぼの近くの住宅街に住んでいるのよ。
    住所は・・・・・だから、一度遊びにいらっしゃいね。」と声をかけてくださったので
    す。名前も教えてくださったので、今日、こうしてやってきたのです。
私 :あの~、その女性は多分、私の妻ですよ。カルガモの写真をたくさん撮って、楽し
    そうに帰って来たことがありましたからね。我が家はホラ、目の前ですよ。
ガモ:エッ、そうなんですか!なんという偶然。
私 :こんなことが、あるんですね~。さあさあ、こちらへどうぞ。カルガモさんを我が家
    にお招きするなんて初めてだから、ドキドキしてしまいますね。
ガモ:私も人間の家に伺うのは初めてなんですよ。
私 :お~い!珍しいお客さんだよ。早く出ておいで。
妻 :どなたかしら?あら、カルガモさんじゃないの。どうして逃げないの?
    どうしてあなたと一緒にいるの?エッ、エッ、大変!どうしましょう。
私 :何をオタオタしているんだい。私は彼に「ガモ」と名前をつけたけど、驚いたことに、
    彼と私は話ができるんだよ。君の言葉も通じるかもしれないね。
ガモ:大丈夫。ちゃんと理解できていますよ。今日は、あなたが写した私たちの写真を見
    せていただきたくて、やって来ました。
妻 :アラ、ヤダ!言葉が通じるのね。写真なら、ありますよ。私はカルガモさんの様子
    をいっぱい写したけど、あなたがあの時のカルガモさんなの?
    今、持ってくるわね。庭のベンチで待っててくださいな。あっ、ベンチじゃなくてもい
    いのかな?
ガモ:ありがとう。気を使わないでください。早く写真を見たいな。
私 :カルガモさんと一緒に写真を見るとはね。なんとも不思議な感覚だよ。
妻 :お待たせしました。ガモさん、これよ。よく写っているでしょう。あら、私、人間に
    話しかけるように言ったけど、良かったのかしら?
ガモ:全然、かまいません。どれどれ、写真を見せていただきますよ。やあ~、きれいに
    写っていますね。この田んぼは私たちのお気に入りの場所なんです。
    あのあと、子供たちが生まれて、今では大家族なのですよ。
    今度、みんなで遊びに来てもいいですか?
私 :どうぞ、どうぞ、いつでも大歓迎。「鴨ン、カモン、everybody」です。
    ただ、ここは住宅街で自動車や自転車も通るから、気をつけて来てくださいね。

ガモさんはベンチ前にセットされたテーブルの上に飛び移り、そこに広げられた写真にし
ばし見入っていました。ひと通り見たあと、「ありがとう」と言って飛び去って行きました。

妻 :ちょっと~、いつまでベンチで居眠りしてるの?
私 :う~ん、よく寝たな。アレッ、どうして、ここにカルガモの写真があるんだ?
妻 :何言っているのよ。昨日、家の前の道路を歩いているカルガモの写真を私が写し
    て、それを見せたら、以前、田んぼで写したのと同じカルガモかもしれないから、
    その写真を持ってきてくれって言ったのは、あなたじゃないの。
私 :そうだったっけ?
妻 :それで、同じだったの?それとも違ったの?
私 :カルガモを写真で識別するのは無理だよ。そんなこと言ったかな~。
    僕は今、カルガモと会話している夢を見ていたんだ。
    あれっ、カメラを構えて、何を写すの?
妻 :シーッ、門の前にカルガモが来ているのよ。今度はもっと近づいてアップで写す
    わ。静かに!動かないでよ。
私 :大丈夫だよ。我が家へのお客さんだから逃げないさ。
    「鴨ン、カモン、everybody」どうぞ!
妻 :あっ、逃げた。どうして大声を出したの?
    責任とってちょうだいよ。も~、怒った。今日のビールは無し!
私 :なんで逃げちゃったんだろう。自分の写真を見に来たんじゃなかったのかな?
妻 :まだ、寝とぼけてるの?全く、話にならないわね。
私 :この庭には鳥・蝶・セミなど、いろんな訪問者がやってくるから、楽しくって仕方
    がないよ。明日も、このベンチで次の訪問者を待つことにしよう。
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分子化石が古代生物を蘇らせる

2014-07-21 08:33:46 | 日記


博物館などで恐竜の化石が展示されているのを見て、今の科学力をもってすれば、
生身の姿で蘇らせることができるのではないかと、考えたことはありませんか?
ところが、化石からは再生のカギを握る遺伝子DNAなどの生体成分が取り出せない
ので、生きた恐竜を誕生させることは難しいのです。
一万年以上の長期にわたる地層中での保存中に、骨の成分である炭酸カルシウム
の結晶構造が変化して方解石などになっているからです。文字通り「石に化けた」の
です。恐竜の化石は太古の生物の習性や生態を知る重要な手がかりです。
でも、太古の生物を当時のままの姿で見るためには「石に変化した骨」だけでは不十
分です。

当然ながら、生物の体は炭酸カルシウムだけでなく、筋肉などを構成するタンパク質
や遺伝情報を持つDNAなどの有機物を中心とした多種多様な生体分子から構成され
ています。これらは骨の石化の過程で消えてしまうのでしょうか?
例えば、太古の微生物や植物の有機成分が高温高圧下の深い地層で、燃えやすい
成分に変化した石油や石炭があります。これも化石の一種と言えるでしょう。
ここからDNAなどは取り出せないのでしょうか。残念ながら、石油や石炭は元々の生
物の有機物成分とは全く異なる化学構造に変化しているのです。骨の石化と同じよう
に、結晶構造の大きな変化が生じているのです。

こうした背景から、長い間、DNAなどの生体分子が化学構造を変えずに化石中に残る
ことなど、想像すらできませんでした。
ところが、1954年にタンパク質の構成成分であるアミノ酸が3億8千年前の魚の化石か
ら発見されたのです。
そして検出技術の進歩により、構造がもっと複雑なタンパク質やDNAが次々と発見され
るようになりました。
このように化石の中に見つかるDNAなどの生体分子を「分子化石」と呼びます。古代生
物の実像に迫る新しい素材が見つかったのです。
今、この分子化石の研究が注目されています。

映画「ジェラシックパーク」は樹液の化石であるコハクの中に閉じ込められた蚊から、恐
竜のDNAを取り出して復活させるという話でした。
現実には、コハクの中の蚊から見つかるDNAは、残っているといってもボロボロに分断
されていますので、情報が断片過ぎて、超飛躍的な技術革新が実現しない限り、昆虫
復活などは不可能です。

しかし近年、古代生物の復元が期待される分子化石が見つかりました。2002年にロシ
ア北部の永久凍土層に埋もれていたマンモスの脚の一部が、肉や皮膚、体毛までが
保存された状態で発見されたのです。
ここにはDNAも非常に良い状態で残っていることが期待できるのです。その年、ロシア
と日本の共同チーム「マンモス復活プロジェクト」がスタートしました。
このマンモスの脚の細胞からDNAを取り出し、マンモスに近い種類とされるアジア象の
卵子に移植してクローン・マンモスを誕生させるプロジェクトです。
しかし、すでにプロジェクト発足から何年も経過していますが、いまだに進展の報告が聞
こえてきません。おそらく、一万年という単位ではDNAは大きく損傷されているのでしょ
う。損傷のないDNAの確保が必要なのです。

こうしたなか、2008年にマンモス復活につながる技術開発のニュースが発表されまし
た。理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターのチームが、マイナス20℃で16
年間保存されていたマウスの死体から細胞の核を傷つけずに取り出すことに成功。
さらに核を卵子に移植する方法を開発、4匹のクローンマウスを誕生させました。
つまり、冷凍死体を使って実際にクローンマウスがつくれることを実証したのです。

更に、2013年5月、ロシアの科学者らは、マンモスの死骸(推定60歳、雌のマンモス)
の中に残っていた血液を採取することに成功したと発表しました。
この発見でクローン技術を使ったマンモス復活プロジェクトが加速する可能性が出てき
ました。韓・ロ・米の合同チームの成果が待たれます。
しかし、「血液が保存されていても、見つかった死骸に無傷の細胞やDNAが残ってい
るかどうかといえば、その可能性は非常に低い」との意見もあり、ハードルの高い取り
組みになりそうです。

DNAは生物の死の瞬間から崩壊を始めます。そのため、古生物学者が今回のマンモ
スから採取できる遺伝物質も、断片的なものにとどまる可能性が高いのです
それでは全てのDNA は存在部位に関係なく、同じように崩壊するのでしょうか?
実は精子の頭の部位のDNAはかなり長期間、崩壊されずに保存されるという研究結
果が発表されました。すなわち、新鮮な精子を持った冷凍マンモスが発見されると復
元の可能性が高くなりそうなのです。
今、シベリアでは新鮮な精子を持った冷凍マンモスの探索が続けられています。

こうして良いDNAが得られたとしても、次の過程であるクローン技術の成功率は、最も
研究が進んでいるヒツジやウシでも数%程度ですから、DNAの状態が不安定なマン
モスを復活させるには多くの困難が予想されます。
そして最後の関門は生命倫理の問題です。絶滅したマンモスを蘇らせても良いもの
のでしょうか?大きな壁が立ち塞がっています。

これらの問題が解決されたなら、私たちは将来、蘇ったマンモスを動物園などで見る
ことができるかもしれません。私の生存中には無理な話でしょうけれど。

写真は The Daily Mail (2012年4月)より拝借
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姫ネコ・アメリの気まぐれツイート-8  <私の遊び相手-2>

2014-07-14 08:12:40 | 日記




皆さん、お久し振り! 私は姫ネコのアメリよ。
私が若夫婦と一緒に住んでいるマンションの8階のお部屋に、今日はお客様が4人
も来ているの。
どうやら、飼い主夫婦の結婚記念日らしいわ。
夫婦それぞれのご両親がお祝いに駆けつけたってわけね。
共働きの飼い主は帰宅が遅いから、いつもは退屈なんだけど、今日は賑やかで嬉
しいな。
広くもない台所で、女性3人がおしゃべりをしながら、忙しく立ち働いているのよ。
どんなご馳走を作っているんだろう?ちょっと気になるわ。
でも、どうせ私の口には入らないのよね。残念。

アッ!ハエだ!
お客様の一人がベランダに出た途端、美味しそうな匂いを嗅ぎつけて飛び込んでき
たのね。
そういえば以前、私の耳や鼻に止まって、私をバカにしたハエがいたわよ。
あの時は捕まえることができなくて、すごく悔しかったのをよ~く覚えているわ。
あの生意気なハエは、いつの間にか居なくなってしまったけど、今日こそは、コイツを
捕まえてやる!

ちょっと待ってよ。あの時、いくつかの作戦を試してみたけど、私の我慢が足らなかった
のと、ハエのすばしっこさに敗北を喫したのだったわ。

あの時の教訓を生かさないといけないわね。
ハエが美味しそうな匂いに釣られて部屋に飛び込んだんだとしたら、お料理を狙うはず
だわ。
食べ物に止まった瞬間を襲うのが一番いいんじゃないかしら?

ホラホラ、お刺身を切っている所に近づいて、周りをブンブン飛んでいる。
だけど、お刺身に止まったハエを捕まえようとして、お刺身を蹴飛ばしちゃったら、どうす
るの?ご主人様に申し訳ないわよね。
お料理に止まった時を狙うのは、やっぱりダメか。ウ~ン、どうしよう。

おっと、壁に止まった。チャンス到来!

できるだけひそやかに息を殺して、そっと近づいてから、一気に飛びかかるのが良さそう
ね。ソ~ッと近づき、私は思いっ切り、壁のハエに向かってエイッ!と飛びかかったわ。

バチッ・・・エッ、何の音?
私の手は空を切ってしまったの。
そばには、いつの間にか、ご主人様がティッシュボックスの箱を手にして立っていて、足
元にはハエが横たわっている。
あ~、何ということでしょう。一瞬だけご主人様の方が早かったのね。
私が捕まえたかったのに、遅れをとってしまったとは、あぁ! ク・ヤ・シ・イ。

しばらくの間、私は空振りして着地したときの格好のまま、呆然としていたわ。
それに気付いたご主人様は「アメリちゃんの獲物を横取りしちゃったのかな?ゴメンネ。」
と、言ってはくれたけど、ガッカリ気分は簡単には収まらなかったの。

ご機嫌ナナメのまま、洗面所に引きこもることにしたわ。
ところが、お腹が空いてきて、いつまでも引きこもっているわけにもいかず、皆が賑やか
にお祝いをしているお部屋に戻ったの。
だって、私の食べ物も、その部屋に置いてあるんですもの。

私はテーブルの上に並んでいるたくさんのお料理を横目で眺めながら、いつものように
自分の食べ物を食べたわ。きっと、恨めしそうな顔をしていたでしょうね。

でも、ご主人様たちのお食事が終わって、ケーキが出てきた頃から、お客様たちが代
わる代わる私を抱き上げたり、一緒に遊んでくれたから、私のご機嫌もすっかり良くな
ったの。

ちょっとだけ告白すると、台所に並べてあったビールの空き缶をペロペロと舐めてみた
のよ。
結構、私の口に合う味がしたわ。

今日のお客様がまた近いうちに来てくれると嬉しいな。
だって、次回もビールの味見ができるかもしれないでしょ。
でも、これはナイショにしておいてね。
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分杭峠でのゼロ磁場体験

2014-07-06 22:30:59 | 日記




パワースポットがもてはやされ、旅行会社も「パワースポット巡りツアー」を企画する
昨今。まことしやかな情報を耳にすると、ついつい行ってみたくなるものだ。

茅野から杖突峠を通り高遠へ行った折に、以前から気になっていた「分杭峠」に立ち
寄ることを思い立ち、152号線を大鹿村方面に向けて車を走らせた。

分杭峠は中央構造線上にある「ゼロ磁場」で、「気」のエネルギーが満ちている場所
らしい。そもそも、「ゼロ磁場」とか「気」というものが人体にどのような影響を及ぼすも
のなのかについては、全くの無知である私。ならば、実体験をするのが手っ取り早い。

美和湖を過ぎ、入野谷の少し先にシャトルバス乗り場を発見。粟沢駐車場に車を置き、
シャトルバスが来るのを待った。平日の昼間のせいか、バスを待つ客は20名足らず。
ゆったりとバスの座席に座り、狭い道を走ること10数分。目的地に到着後、案内板に
従って「気場」へと進む。坂道を下ると、意外と近い所に階段状にしつらえた座席の
ような場所があり、すでに男性が1名、谷の方を向いて座っておられた。

私たちと同じバスに乗ってきた人の半数がそこに座った。「残りの半数は一体どこに
行ったのだろう?」と思いつつ、ビニールシートを敷いて私も座った。暫くすると、連れ
の者が「両方の手のひらが急に熱くなってきた」と言う。更に数分後、「指先がビリビリ
し始めた」と言いながら、両手を見つめている。

ところが、私にはそんな変化など一向に起きない。
周囲の写真を撮っていた私の連れに、「そろそろ帰ろう」と促して、シャトルバス乗降
場所まで戻った。少し上の方に道があり、そこからボトルに入れた水を抱えて降りて
くる人がいる。どうやら、水場で水を汲んで持ち帰るのが、ここでの正しい手順のよう
だ。

飲みかけのお茶を飲み干して、ペットボトルをカラにした。水場への道には大きな岩
が落ちていて、崖崩れが最近起きたことを思わせた。容器に入れた水を、大事そう
に抱えた人が次々に前方から現れる。15分も歩いただろうか?ようやく水場に到着。
以前は、ここまで車で来ることが可能だったらしい。

取水口から水を汲み、暫くベンチで休憩した。すると1羽の鳥が木の枝に止まり、せ
わしなく鳴き始めた。どうやらミソサザイのようだ。ひとしきり鳴き声を聞いたあと、
シャトルバス乗り場に向かって歩くと、今度はアサギマダラがヒラヒラと飛んでいるで
はないか。予期せぬ出会いに胸が踊る。私の連れはアサギマダラの撮影に夢中で
ある。

シャトルバスを待つ間、バス発着担当のオジさんとの会話を楽しんだ。「こうして、
一日中ここに居ると、気分が良くて元気が出るんだよ。だけど、強い<気>が出て
いる日は、ひどく疲れることもあるね。あなたが立っている場所の近くも<気>の
強い場所だよ。何かを感じないかい?」残念ながら、私は特に何も感じない。
私の連れはバスの待合所のベンチで「お腹がすいた」と言いながら、菓子パンを
食べている。いつの間にやら、リュックの中に忍ばせておいたようだ。もちろん、
私も半分もらって食べた。
先ほどのオジさん曰く「気持ちの良い場所に居ると、食欲も出てくるものだよ。」
「なるほど」と、私は妙に納得。待合所のテントにはミヤマシロチョウらしき蝶が
羽根を休めていた。

もう一人の私の連れは、東京から来た女性と熱心にカメラのプレビューを見なが
ら盛り上がっている様子。どうやら、たまたま彼女の撮った写真に私の連れの姿
と、その後方に不思議な光が写り込んでいたようだ。この付近ではたまに、その
種の写真が撮れるらしい。

粟沢駐車場に戻り、近くの売店でコーヒーのサービスを受けた。そこで、方位磁
石の針がユラユラと揺れて定まらない状態を目の当たりにして、やはり「磁場」と
いうものがあることを認識させられたのである。

人は、パワースポットに何を求めるのか。何らかのご利益を求める?それはそれ
でいいと思う。

ただ、私としては、その場に身を置くことによって、人智の及ばない大きな力の存
在に対する畏敬の念が、自然と湧き上がる場所が、パワースポットなのではない
かと考えている。

「分杭峠」に行ってみて、日本列島の成り立ち、地球の成り立ち、しいては宇宙の
成り立ち等々に、俄然、興味が湧いてきた。毎日見ている太陽や月だって、考え
れば考えるほど不思議な存在だ。からないことが多すぎる。

この宇宙を創り出したモノの正体を知りたい。誰か、教えて!
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