ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

何気ない風景の中に「何故?」がある

2020-12-28 07:53:06 | 日記

コロナ禍により、今年一年間の地域活動やOB活動の中止が相次ぎ、自身も自粛生活

を余儀なくされました。師走の今でもコロナ禍の脅威は第1波、第2波そして第3波と

テレビ報道のグラフに示される感染者数の波は、高くなるばかりで沈静化の兆しが見

えません。連日の報道ではGoToトラベル、GoToイートの運用を巡って政策が右往左往

して混乱に拍車をかけていますが、企業倒産とそれに伴う解雇そして若い女性の自殺者

の増加はもっと深刻な問題です。こんな重大な社会問題を抱えて師走を迎えたくはあり

ませんでした。

 

私達の税金がコロナ感染拡大の要因になり得るGoTo事業に費やされることに嫌悪感を持

ちながら、「感染しない」、「感染させない」をモットーに巣ごもり生活をしている後

期高齢者が、この災難をどのように乗り切るかは、その人のコロナ後の生活に大きな影響

を与えるでしょうね。食っちゃ寝の巣ごもり生活では認知症患者が増えるでしょう。

私の今年の一年間はこれまでも続けてきた散歩での体力維持と、家の中で継続できる趣味

の獲得に挑戦しながら過ごしてきました。散歩では見慣れた景色の中に、見落としてきた

「学びの種はないか?」とキョロキョロ見回しながら歩いてきたことが、昨年までの散歩

と大きく違います。今年はこの散歩中の見聞から多くのブログを発信しました。今年最後

のブログもこの散歩道からです。尚、新しい趣味については機会を見つけて紹介します。

 

1.この用水路が日本の1級河川なの?

  私の住む龍ケ崎市は有名な米どころで広い田んぼが点在しています。私のお気に入り

  の散歩ルートにある広い田んぼの中心には立派な用水路が東西に通っています。用水

  路の名前は「大正堀川」。田んぼへの水の供給そして排水路として利用されていて,

  ほとんどの水域がコンクリートの三面張りで整備されています。この用水路は長いの

  で何ヵ所にも橋が取り付けられていますが、普段散歩で歩いているどの橋にも名前の

  表示はなく、私の中では単なる用水路であって名無しの権兵衛の用水路でした。とこ

  ろが最近、この用水路のかなりの川下にある、初めて渡った橋に用水路名を記したプ

  レートを見つけたのです。そこには「1級河川・大正堀川・茨城県」と表示されていま

  した。大正堀川という名前だったのです。用水路なのに何故「川」が付くの?と少し

  違和感を覚えましたが、大昔は本物の川だったかもしれないので、そこは許容範囲内

  としました。しかし、私は「1級河川」が気になります。1級河川とは大きい川のこと

  だと思っていたので、なんで用水路が1級河川なのだろう?日本の1級河川のレベルと

  はこんなもんかいな?と疑問を持ったのです。帰宅後調べて見ましたら、すぐに答え

  が見つかりました。

  1級河川の定義は川の大きさだけではなかったのです。川の大小や姿、形にかかわらず、

  その川が一地域の経済にとどまらず、国家経済上重要であれば1級河川となるのです。

  私が散歩道で渡る用水路は日本の国家経済上重要なものだったのです。ですから、この

  用水路を使っている広い畑自体も、又、ここで収穫されるお米も、国家繁栄に寄与して

  いる価値あるものなのです。龍ケ崎市のお米は国のお墨付きの特級米なのですよ!どう

  りで龍ケ崎市のお米が美味しいわけです(笑)。これからはお国のために頑張れよと声

  を掛けて用水路を渡ることにします。

 

<国土交通省の「1級河川」の定義>

国土交通大臣が指定した川を,一級河川といいます。河川法という法律の定義では,「国土

保全上又は国民経済上特に重要な水系で、政令で指定したもの」河川法第4条1項となってい

ます。「国土保全上」とは,洪水や高潮などが起きた時に人命・財産などに与える被害が大

きいため,国が治水する必要がある,ということを意味します。「国民経済上」とは,上水

,工業用水道,灌漑(かんがい),発電など河川の利用の影響がいち地方の経済にとどま

らず,国家的に見て大きいものである,ということを意味します。 つまり,一級河川とは国

の安全・経済の面で与える影響が大きい川のことです。全国に109水系あり,河川の本数は地

図帳に載っているような有名な川はほぼ一級河川に属します。

ちなみに「二級河川とは」都道府県知事が指定した川を二級河川といいます。河川法では,

一級河川以外に都道府県知事が都道府県民の利害にとって重要だと指定した川と指定されてい

ます。また,一級河川二級河川のほかにも,市町村長が定める準用河川と普通河川がありま

す。一級河川区間によっては都道府県知事に管理を委託している区間などもあります。

ややこしいですね。

 

2.公衆電話ボックスと郵便ポストが並んでいる公園の風景

  団地内の児童公園に公衆電話ボックスと郵便ポストが並んで設置されています。この昭和

  レトロな光景は令和のご時世では珍しいと思います。

 

<公衆電話ボックス>

  私の知る限り、団地内にある公衆電話ボックスはこの場所1ヶ所だけです。スマホ時代のご

  時世ですから、公衆電話ボックスの設置は費用対効果では圧倒的に赤字でしょう。ですから

  過去の遺物としてどんどん淘汰されるだけのものと認識していました。それがなぜ撤去され

  ずにこの公園に今でもあるのでしょう?

  調べたら撤去されない理由がありました。それは「携帯や固定電話がつながらなくなっても

  繋がる」ということで、災害対策のため、今でも全国に一定数が設置されているのです。そ

  して残さなければいけない法令の基準があるのです。

  「第一種公衆電話については、現在は全国に約10万8000台を設置してある。これは災害時な

  どの緊急通信手段、戸外における最低限の通信手段確保のための設置を目的としたもので、

  市街地では概ね500m四方、その他の区域では概ね1km四方を設置対象エリアとして、法令に

  基づいた設置基準で設置している。その他にも、高頻度の利用が見込まれる場所には設置さ

  れている」

 

実に100年以上の歴史を持つ公衆電話は、今もいざという時のため、人々の生活を静かに見守って

いるのですね。

 

   <郵便ポスト>

 それでは郵便ポストはどのような基準で設置されているのでしょうか。設置する大前提の基準

 としては利用者が見込めるところと、置く場所があるところがあります。具体的な数字として

 は通常は400メートル以内にポストがなく、200件以上の利用が見込まれることとあります。

 ただこれは全国的な基準であり、住宅集合地では250メートル以内とされています。ここにお

 ける200件というのは、一通のハガキにつきひとつといったカウントになるのでしょう。必ず

 しも200人の人が毎日ポストに手紙やハガキを投函する必要はないのです。こちらは新設され

 るよりも、むしろ数を減らしていくといった傾向にあるようです。私の散歩道で見る、あるご

 家庭の玄関先には、かなり古い型の丸い赤ポストが郵便受けとして設置されています。ポスト

 が幸せそうな顔に見えました(笑)。

 

 児童公園内で公衆電話ボックスと郵便ポストが並んで立っている姿を見て、昔の通信手段が令

 和の時代でも、どっこい残っているのだなと感慨深い思いをしましたが、残されている理由を

 知って納得しました。

 

 この一年間、本ブログにお付き合いをいただきありがとうございました。

 ステイホームで、静かなお正月をお迎えください。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

散歩道で出会う「紅葉・黄葉の高木たち」

2020-12-14 08:00:35 | 日記

 

紅葉は4種類の過程の進み具合によって、色の変化の流れが決まります。

1. クロロフィル(緑)の分解 2. カロチノイド(黄色)の分解 3. アントシアニン

(赤)の合成 4. フロバフェン(褐色)の蓄積です。例えば、(A)ナナカマドの

ような緑から赤に変わるのは1,2,3がほぼ同時に進行し、(B)イチョウのように緑

から黄色に変わるのは1.が進行するだけで2.の反応の進行が遅く 、3.の反応進まない。

(C)そして、トウカエデは1.→2.→3.と順調に進むので、色も緑から黄色、更に赤

へ変化します。(D)メタセイヤは緑→黄色→褐色に変化しますが、Bの延長上で褐

色に変化する紅葉です。しかし、ここまで記しましたが結構複雑なようで…未だに

「紅葉」のメカニズムは完全には解明されてはいないそうです。

 

さて、旅行好きな私ですが、高齢者ゆえに今はGoToトラベル、更にGoToイートも

使わずに自粛生活を続けています。ですから外出と言えば散歩です。そこで「散歩

の中に学びの種を見つける」ことを意識して歩くようにしています。今回は秋の散

歩道で出会うお気に入りの「紅葉・黄葉の高木たち」を紹介します。写真は意識的

に独立で起っている高木を選んで紹介しています。

 

1.ナンキンハゼの紅葉

  このナンキンハゼの高木はカワセミが狩場としている北竜台公園内の池の渕に

  あります。昔から「寒暖差が大きくなければ綺麗に紅葉しない」と言いますね。

  しかし、この中国南部原産の外来種「ナンキンハゼ」だけは暖かい土地でも必

  ず「赤・紫・黄・緑」の鮮やかなグラデーションの紅葉を毎年見せてくれて、

  美しい秋を感じさせてくれます。名前は知らなくても、公園樹や街路樹として

  植栽されていますので見たことがある人は多いでしょう。ハートの形のような

  丸い葉っぱは新緑も美しいのですが、紅葉とともに、黒い皮がはじけて登場す

  る白い実もかわいらしく、白い実つきの枝ものは、クリスマスの花材としても

  人気です。そして実の中の油で和ろうそくが作れます。

 

2.イチョウの黄葉

  女化神社の境内に数ある高木の中の一つです。イチョウは別名を公孫樹(コウ

  ソンジュ)とも呼びます。この呼び名は、「実がなるまでは孫の代までかかる

  ほどに長い年月が必要だ」という意味で、一説には雌木がはじめて花芽をつけ

  るに樹齢25年から30年はかかり、雄木も同じくらいの年数を経て生殖可能にな

  ると言われています。種子のギンナンも美味しく食べられる身近な木ですが、

  実は中生代に最も栄えた裸子植物の生き残りという植物学的に貴重な植物でも

  あります。学校、神社、公園そして街路など人の集まる場所に植えられていま

  すが、その理由は水分を多く蓄え、火事の時には水を吹くという話が江戸の時

  代に広まって、防火樹として植栽された名残りなのでしょうね。

 

3.楓(カエデ)の紅葉

  広い畑の一番奥の一画にあります。私は赤く紅葉している葉を見るとカエデ?

  モミジ?となりますが、皆さんはどうですか。調べるとモミジという科や属は

  ありませんので、モミジとは観賞用の木のことを指すと考えた方がよいようで

  す。でも、園芸の世界では使い分けています。葉に5つ以上切れ込みが入った

  掌状のものを「モミジ」、切れ込みが浅くて数も少ないものを「カエデ」と呼

  んで区別をしています。楓といえば木材。家具に使用されるカエデは大きく成

  長する種になります。産地が主に北海道のイタヤカエデは大きいもので直径1m、

  樹高20mになるそうです。カナダやアメリカから来るメープル材はサトウカエデ

  という種類です。カナダの名産品メープルシロップの元となる樹液が取れる木で

  す。サトウカエデも大きく成長するカエデで、直径は太いもので1m、樹高は20-

  30mになるそうです。カエデは硬質で摩耗に強いのでバイオリンやハーモニカ、

  ピアノのアクション部にも使用されます。

 

4.欅(ケヤキ)の紅葉

  団地内の大きな児童公園内にあります。公園の前を通る幹線道路は欅並木です。

  私にとっての欅は木材そしてイルミネーションの街路樹ですね。スギ、ヒノキ、

  ヒバなどといった国産の木から、ウォルナットやチークといった海外産の木を

  含めても最高峰と言える存在が、「欅」ですよね。欅の魅力は、その強靱さと

  美しさ。製材してから100年経っても、200年経ってもその価値は変わらず、む

  しろ、時を重ねるほど美しさに深みが増す木です。古くから寺や城の建築材と

  しても重宝されており、日本家屋では、大黒柱や差し鴨居、床框など、その家

  にとって最も大切な場所に使われてきました。そして、ケヤキは樹齢が長く病

  気や害虫に強く、樹形は街路樹にも適しています。春には芽吹き生命力あふれ

  る新緑が私たちの気持ちを明るくし、夏には生い茂った緑の葉が日差しを和ら

  げ、とても涼しげに感じる木陰を作ってくれます。秋に見せる紅葉は、個体に

  よって赤色に変化したり黄褐色に変化したりするので、夏から秋にかけてのケ

  ヤキ並木は様々な色調が同居し私たちの目を楽しませてくれます。そして冬に

  なると東京の表参道や仙台の青葉通りなど各地でケヤキ並木はイルミネーショ

  ンで飾られてニュースになります。

 

<紅葉の秘密>

「日本の紅葉は世界一美しい」といわれていますが、なぜなのでしょうか?調べてみ

ると、その理由はまさにこの日本にしかない、実に奇跡的なものでした。美しい紅葉

が見られるのは落葉広葉樹だけ。その落葉広葉樹が多く存在しているのは日本を含む

東アジアやヨーロッパの一部、北アメリカの東部に限られています。ですから、紅葉

が見られること自体が貴重なんです。その中でも日本の紅葉が美しいと言われるのは

葉の色彩が鮮やかだからでしょう。欧米での紅葉と言えば、単色が多いようです。そ

れに比べ日本は、赤や黄色、オレンジ色があり、常緑樹などの緑色も混ざって多彩で

美しい紅葉がみられるのです。日本の紅葉の色の多様性は植物の種類が多いからです。

ブナ、カエデ、トチノキなど日本には26種類。これに対しカナダやヨーロッパなどは

13種類。種類が多いことに加え、紅葉はその年の気候や葉の水分量によっても葉の色

が変わります。同じ木でも、その年によって違う色合いになり、毎年同じ色あいにな

らないことも要因です。ではなぜ、日本にはこんなに落葉樹が多いのでしょうか。

それは、氷河期に日本列島で広葉樹が生き延びたからです。他国では氷河にやられて

死滅してしまったのがほとんどですが、日本では暖かい海岸線やその地形に守られ、

多種多様な落葉広葉樹が生き残ることができたのです。奇跡のような気象の歴史を経

て、今、生きている私たちが美しい紅葉を見ることができるのですね。

(NHK放送 抜粋)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする