ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城味自慢:幻のキノコ「ハナビラタケ」をご賞味あれ!

2023-02-06 07:17:07 | 日記

昨年末の12月26日にNHKで、ハナビラタケが取り上げられましたので、見られた方もおられ

るかもしれませんね。メインMCの天野さん他スタジオのメンバーが、茨城県城里町で栽培に

取り組んでいる中川幸雄さんのハナビラタケをスタジオで食して「きれいで、おいしい」と

絶賛していました。ハナビラタケとは、その名の通り、花びらのような白いひだが美しいキ

ノコです。コリコリした独特の食感があり、香りも豊かです。但し、非常にデリケートで、

栽培にはきめ細かな注意が求められます。中川さんは、何年にもわたり工夫を重ねて、栽培

方法を確立しました。この栽培管理の難しさのため全国でもハナビラタケを栽培していると

ころは少なく、10軒程度のようです。そんな中川さんがイチ押しの調理法は「から揚げ」で

した。ハナビラタケのコリコリ食感が、家庭料理の定番に革命を起こすかも!? でも、ハ

ナビラタケは食べるだけじゃ~ないんですよ!(後ほどね!)今回は茨城県産「ハナビラタ

ケ」を紹介します。

 

皆さんは茨城県内の産直販売所などでまれに見かける、カリフラワーに似た花びらのように

美しい白いキノコを見たことがありますか? ハナビラタケといいます。幻のキノコといわ

れていますから、知らない方が多いと思います。天然のハナビラタケは、標高1000m以上の

高山でないと自生しない貴重なキノコで、コリコリとした独特の食感と、マツタケのような

マツの香りが特徴です。でも、できる量が少なく、持ち帰りにくいことから幻のキノコなの

です。

茨城県と栃木県の県境にある城里町の旧七会村地域にある「七会きのこセンター」では、こ

の貴重なハナビラタケの菌床栽培に成功しています。繊細でデリケート、栽培が難しいハナ

ビラタケ。この人工栽培に挑戦している七会地域とは、8割は山地で北部の栃木県境には高

さ430mの鶏足山や378mの花香月山などの山々が連なります。山林の静かで冷涼な地域で、

水もきれい。キノコ栽培に適した地域で、畜産業とともに古くから村の産業になっているの

です。

 

<天然のハナビラタケ>

天然のハナビラタケは、ハナビラタケ科ハナビラタケ属のキノコで、初夏から秋にかけて、関

東地方以北の標高1,000m以上の山岳地帯で針葉樹(特にカラマツ)の根本や切り株に生え、そ

の見た目から英名では、カリフラワーマッシュルームやフラワーマッシュルームと呼ばれてい

ます。経験的に身体に良いのがわかっているのでしょうか、野生の動物も好んで食べるために、

見つけるのは非常に困難です。でも、見つけるとそれはハナビラタケです。理由は単属種です

から、姿形が似ている毒キノコなどが存在しないからです。ハナビラタケは、根や樹皮の傷か

ら侵入し、菌糸を伸ばし、栄養分を吸い取った挙句に、木を腐らせてしまう大変なパワーをも

ったキノコです。葉ボタン状に成長するまでには4年はかかるといわれています。

ハナビラタケは独特な食感のある、おいしいキノコであるだけではなく、機能性成分であるβ-

グルカン含有量が多いという特徴があり、食用以外の用途に注目が集まっています。しかし、

その栽培の難しさから、国内生産量は少ないです。どのくらい難しいかというと、平成30年の

キノコ全体の生産量は467,468tに対して、ハナビラタケは93.7tとわずか0.0002%です。1996年

に人口栽培に成功しましたが、菌床栽培として商品化できたのは10年ほど前からです。でも、

菌床栽培の成功からすでに20年以上経過していますが、今もって栽培の管理は難しく「幻のキ

ノコ」の状態なのです。

 

<ハナビラタケの豆知識>

1.こりこりとした食感のある白いヒダが美しいキノコ

   ハナビラタケは、その純白の色合いと、葉牡丹のような形態が貴重な食材として注目さ

   れました。美しく花びらのような白いフリルの姿が名前の由来です。海外でも高級食材

   として活用されています。ハナビラタケは白色~淡黄色で子実体全体の大きさは、およ

   そ20~40cm程度のキノコです。ハナビラタケは独特のシャキシャキ、コリコリと表現

   される大変心地よい食感があり 高級食材として珍重されています。塩コショウと少量の

   つゆの素で炒めるだけでも非常に美味しく食べられますが、特に茎部分を炒めるとコリ

   コリとした食感がたまりません。炒めはじめには、あまりフライパンの中で動かさず、

   軽く焼きつけるようにすると、より食感が良くなります。

2.免疫向上が期待されているβ-グルカンが非常に豊富

   ハナビラタケは食べるだけじゃ~ないのです!優れた免疫賦活作用を有する生理活性物質

   として知られる総βグルカンの含有量が、何と100g当り4.36gです。総βグルカン含有量

   の多い茸として知られるアガリクスやマイタケでも、その総βグルカン含有量は、夫々100g

   当り11.6g、18.1gですから、比較すれば、ハナビラタケに含まれる含有量が驚異的に多い

   ことが分かりますね。なお、総βグルカンの中で、特にβ(1,3)グルカンについては抗腫瘍効

   果が証明されています。従って、ハナビラタケは健康食品として優れた食材であるのみなら

   ず、抗腫瘍剤を製造するための貴重な原料としても活用されています。

3.ハナビラタケの健康価値は、トップクラス

   βグルカン以外にも健康維持に必要なビタミンD、必須アミノ酸、食物繊維が豊富に含まれて

   いるのがハナビラタケです。ビタミンD含量の多いキノコの代名詞となっている乾燥シイタケ

   の約10倍ものビタミンDが含まれています。ビタミンDは歯や骨を形成するための必須成分で

   あり、欠乏しやすいといわれている栄養素のひとつです。その他に、ハナビラタケを継続的

   に摂取することによりNK細胞活性が高まり、免疫力が向上し、がん細胞が消滅する。また、

   ハナビラタケは高血糖の予防と改善に希望をもたらすキノコとして注目され、血糖値上昇抑制

   効果(糖尿病の予防と改善)が確認されています。更に、ハナビラタケを食べるだけで血流が

   改善し、血液さらさら効果があるなどの実験データが出ています。

 

4.市販されているハナビラタケの形態

 (1)サプリメント:キノコ類のグルカン含量はβ(1,3)グルカンとβ(1-6)グルカンに分けられますが、

     ハナビラタケは圧倒的にβ(1,3)グルカンが豊富。これを売りとしたサプリメントが市販され

     ています。

 (2)まるごと天然粉末パック:余計なものを一切加えず、ハナビラタケ天然100%を粉末にしたも

     のが市販されています。料理に使うと最高です。

 (3)スキンケア商品:ハナビラタケのエキスを用いたスキンケア商品が出ています。

 その他にハナビラタケの成分が入ったコーヒーやピクルスそして化粧品も市販されています。免疫力、

 有用性が高く、アトピーや花粉症の方も多く愛用されているようです。こうしてハナビラタケの健康

 食品としてだけでない活用を見ていると、菌床栽培の生産能力は近年かなり向上してきて量的確保が

 できるようになってきているのかなと思います。「幻」の言葉が消える日も遠くないのかもしれません。

 

5.おいしい食べ方

   ①「バターソテー」:ハナビラタケの簡単で1番美味しい食べ方です!

   ② 豚しゃぶのポン酢がけ:ポン酢で味わうシンプルだけど美味しい一品です

   ③ 炊き込みご飯:食が進んで、なかなかいけますよ!

   ④ ペペロンチーノ:コリコリした食感がパスタによく合います。

   ⑤ 唐揚げ:中川さんのおすすめです。

   ⑥ サラダとマヨドレ和え:うま味が強くてクセもなく歯ごたえも程よい。

   この他にも多様な食べ方がネットで紹介されています。

6.保存の仕方

    生のハナビラタケはそのままでも1週間程度常温でも保存ができますが、冷蔵庫での保存を

   オススメします。1週間から10日程保存できます。パックに入った状態でそのまま保存してく

   ださい。ハナビラタケに限らずキノコは冷凍保存も出来ます。冷凍してから加熱すると、細

   胞膜が壊れ、酵素の働きによってうまみが増すといわれます。下ごしらえしてから保存すれば、

   調理時に便利です。たくさん買ったときなどは、鮮度を維持するため出来るだけ早く冷凍保存

   すると良いでしょう。他に使い勝手の良い保存としては乾燥させることです。天気の良い日に

   ザルを広げて天日乾燥すれば、1日で干しハナビラタケの出来上がりです。

 

7.世界のキノコの生産量:ご存じでしたか。日本は2位です。(総キノコ類の話です)

   世界一位は中国で、世界で生産されるキノコの93%が中国産とされています。中国のキノコは

   農業・医療・食用など様々な分野で活用されています。そして、二位は日本で、1.10%が日本

   で生産されています。日本のキノコは海外でも販売されており、「Shimeji(シメジ)」「Eringi

  (エリンギ)」「Enoki(エノキ)」「Shitake(シイタケ)」などの名前で販売されています。

   そして、三位はアメリカで世0.086%を生産しています。(2020年)

 

<ハナビラタケの菌床栽培>

ハナビラタケは、他のキノコと比べて2~3倍、成長がスロー。その上、高い湿度や害虫被害など、

コントロールが難しく、難度の高いキノコ栽培なのです。

 

下記は中川さんがネットで話されていたものです。

「もともと高山という特殊な環境でしか育たないキノコですから、とても繊細。さらに種菌(キノコ

の元になる菌)を作るのに2年はかかりますし、種菌から育成するのにも90日はかかるので、なかな

か栽培データの蓄積が進みません。大きなキノコメーカーも栽培に参入しても長続きしないのはその

ためなのです」また、「キノコは菌の胞子から種菌を作って、菌床と呼ばれるオガクズなどに米糠な

どの栄養源を混ぜた人工培地で育成しますが、この種菌を作るのがとても難しいのです。さらに、種

菌自体も培養するごとに劣化が起こるので、新しい種菌にリフレッシュする必要もあるなど、そもそ

も管理が非常に難しい食材です。」

 

天然のハナビラタケから種菌を採取することに成功したのが20年ほど前。ハナビラタケの菌床栽培の

実用化自体も、ここ10年程でやっと実用化されたもので、完璧な栽培法の確立はまだなされていませ

ん。中川さんが主謀する「七会きのこセンター」では、独自の温度や湿度などを1℃1%単位で管理し、

1年半もの間試行錯誤して、ようやく安定した販売にこぎつけた、まさに苦労の結晶です。

 

「育成に90日間かかるということは、それだけ雑菌に負けてしまう確率も高まるということです。ほか

と比べてとくに雑菌に弱いデリケートなキノコですので、ダメになってしまうものも多いです。だいた

い全体の10%くらいはダメになってしまいます。他のキノコでは0.3%くらいですから、ハナビラタケの

栽培の難しさを実感していただけると思います」

ハナビラタケは心して頂かなければいけませんね!

 

関東以北の亜高山帯でしか自生しないため、「幻のキノコ」と呼ばれる「ハナビラタケ」。確かなノウ

ハウがない中、茨城県で菌床栽培に取り組み、量産化に成功しているのが、七会きのこセンターです。

近年は生産量も安定してきて、手ごろな価格になってきたと聞いています。これからのハナビラタケは

現在のレストラン需要から、家庭向けとしても認知されてくることを期待したいです!

 

是非、この機会に茨城県産の食べておいしく、健康にも良いハナビラタケをご賞味あれ!

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 茨城味自慢:昔ながらの原木... | トップ | 茨城味自慢:脂の旨みがたっ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事