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ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

茨城味自慢:茨城県のブランド大根「剣優」そして「牛久河童大根」

2024-12-02 06:54:21 | 日記

茨城県の青首大根は、日本トップクラスの生産量と高い品質そして安全性を誇る野菜で、県の
主幹農産物として、生産従事者が多い作物です。この青首大根は生産されている大根類の品種
の中で9割を占めていますから、どこのスーパーにも通年で並んでいて、食卓になくてはなら
ない作物ですね。「青首大根」とは、宮重大根という江戸時代から栽培されていた品種をベー
スにして、病気に強く作りやすい一代雑種として開発されたものですが、各地方の気候風土や
消費者動向に合わせた品種改良が更になされてきました。今、多く栽培されている青首大根の
品種には、春まき専用の「春のほまれ」や「春のめぐみ」、暑さに強い「夏祭」や「春夏らん
まん」、秋から冬にかけての旬の季節に収穫できる「秋の彩」や「秋の夢」、おでんや切り干
しに適した「味福」や「打木源助」などがあります。それぞれの品種には、肉質や甘味、耐寒
性や耐病性などの特徴がありますので、用途や好みに合わせて選ぶことができます。こうした
品種の種は苗種メーカーから買えますから生産量としては一番多いです。でもこの他に、各地
方独自で長年、その土地の風土に合わせて改良に取り組んで、ブランド化した品種も一定の地
位を築いています。茨城県の場合は「牛久河童大根」が代表格です。この大根についてはすで
に、このブログで紹介済みですが、実はどうしても紹介したい品種の大根がもう一つあります。
大根の名前は「剣優(つるぎゆう)」です。今回はこの剣優大根を紹介します。実はこの2品
種は立ち位置が違う大根なのです。比較しながら紹介します。他に、大根の雑学情報も併せて
の紹介です。

<大根の生産量ランキング> 2021年

1位は千葉県    147,500t(11.8%)、2位は北海道 143,200t   (11.4%)、3位は青森県
114,400t  (9.1%)、4位は鹿児島県 92,500t (7.4%)・・・7位茨城県 55,400t (4.4%)

大根は運搬が容易ですから、一極集中があってもおかしくありませんが、国内でまんべんなく生
産されているのがわかりますね。

<大根の品種>

大根の品種はたくさんありますが、一般的には以下の3つの分類に分けられます。
1.白い大根:青首大根や三浦大根、桜島大根などが代表的です。特に青首大根は日本で最も多
            く栽培されている種類です。
2.赤い大根:紅芯大根やレディーサラダなどがあります。果肉が赤色やピンク色をしています。
       辛みが少なく、生で食べるのに向いています。
3.辛味大根:ねずみ大根や親田辛味大根などがあります。小さくて細長い形をしています。
       辛みが強く、漬物や炒め物に使われます。

これらの分類を更に細分化すると、全国的名声でいえば、青首大根の中には「宮重大根」「練馬
大根」「耐病総太り」などがあります。又、赤い大根には「くれない総太り」や「紅芯大根」な
どがあります。そして、辛味大根には「亀戸大根」や「山田ねずみ大根」などがあります。
大根の品種は、栽培地や収穫時期、形や色、味や食感などによって異なりますから、品種として
はとても多いのです。

<大根の豆知識>

1.大根は世界に誇る日本を代表する野菜
   大根の原産地は地中海説、中国説などがありますが、弥生時代にはすでに栽培され、日本独
   自の野菜として発展してきました。江戸時代には、すでに「大根」の名で漬物や切り干し大
   根など保存食としても重宝がられ、明治後期には今の量の3倍もの量が食べられていました。
   当時は薬も少なかったので、栄養価の高い食べる薬としての需要が高かったのです。こうし
   た背景が、現在も大根の堅調な消費の継続を支えているのでしょう。一方、海外では大根を
   食べる習慣が少なく、大根の生産量と消費量は日本が世界トップで、日本産がシェア90%で、
   そのほとんどが国内で消費されている野菜なのです。
   大根が生産量・消費量が世界一である理由がわかりますね。

2.大根が日本全土でまんべんなく生産されている理由
   大根は栽培の歴史が古く、日本全国でそれぞれの土壌、気候に適応した多くの品種があります。
  ①大根は煮物や漬物など、日本の食文化に欠かせない食材で、栄養価も高く、食べる薬とされて
   きた背景がありました。
  ②大根は育つ環境を選ばないことで、全国どこでも栽培が可能であり、消費量も多いため安定し
   て稼ぐことができる野菜です。このため、ランキングに記したように日本全土で栽培されてい
   ます。

3.海外での大根の呼び名は?
   大根は英名でradish(ラディシュ)。赤カブを思い出す方もいると思いますが、海外では大根の
   ことです。尚、英名でカブはturnip(ターニップ)です。日本の大根を英名で呼ぶと、japanese
   white radush(ジャパニーズ ホワイト ラディシュ)又はDaikon(ダイコン)で伝わることが
   多いそうです。

4.日本に輸入されている海外の大根
   グローバルな時代ですから、海外から輸入されている大根もあるのです。

 (1)冷凍だいこん:中国から主に業務用のだいこんおろし用として周年で輸入されています。
 (2)乾燥だいこん:中国から切り干しだいこんの原料として、周年で輸入されています。
 (3)ハツカダイコン:西洋大根とも呼ばれる小型の大根で、色は赤や白、紫などがある。主な品種は
            コメット、レッドフォーシング、サクサなど。
 (4)赤大根:皮が赤い大根で、主にサラダや漬物に使われる。中国やヨーロッパなどから輸入されて
        います。

5.側根が等間隔に並んでいるものが美味しい大根
   収穫した大根を見ると、側面に小さなくぼみが縦に並んでいて、そこから細く短い根(側根)が生
   えています。側根が等間隔に並んでいるものは、生育が順調で美味しい大根の証。有機肥料でゆっ
   くり育ったダイコンは等間隔に1列に並びます。逆に、側根の間隔が狭い/広い部分があるものは、
   その間の生育条件が悪かった証拠です。

6.大根の栄養素と効能
   大根は寒さに強くて保存性に優れています。部位によって味や食感が異なり、料理によって使い分
   けることができます。又、大根には消化酵素や辛味成分が含まれており、胃腸の働きを助けたり、
   炎症を鎮めたりする効果があります。また、大根の葉は緑黄色野菜として栄養価が高く、捨てずに
   食べることがおすすめです。大根は、春の七草のひとつ「すずしろ」としても知られています。す
   ずしろは、大根の根の部分ではなく、葉の部分を食べるものです。春の七草は、正月の暴飲暴食で
   疲れた胃腸を癒すという意味がありますが、すずしろには消化酵素が含まれており、その効能にぴ
   ったりです。

7.絶対王者「青首大根」の誕生
   青首大根にはいろいろな品種がありますが、これらの多くは「宮重」という青首大根がルーツとさ
   れています。宮重は江戸時代から栽培されていた青首大根で、昭和20年代までは広く普及していま
   した。しかし、病気に弱いなどの問題があり、より作りやすい白首大根にシェアを奪われて宮重の
   生産量は減少していきます。ところが昭和49年に登場した「耐病総太り」という一代雑種(F1)に
   よって、青首大根の時代が復活します。耐病総太りは、宮重大根の弱点であった病気への抵抗力や
   ス入りなどの問題を改良した品種です。栽培がしやすく、宮重大根の長所であるなめらかな肉質や
   甘味も兼ね備えていることから、急速にシェアを拡大しました。その後も宮重系統の品種が多数育
   成され、今では大根といえば青首大根というほど定着しています。

8.もともと添え物は3種類に分けられていた
   最近は刺身の添え物をすべてまとめて「つま」と呼ぶことが多いが、日本料理の世界ではその形・
   役割などで3種類に分類されていました。大根などによくみられる細切りは、3寸(10cm前後)の
   長さで食べやすくそろえ、鋭く細く切って刺身の横に縦長にそびえ立たせてあった。まるで剣のよ
   うに直立して盛られた姿から、細切り野菜は「けん(剣)」と呼ばれます。今でも料亭などではた
   まに見かけるそうですが、細切り野菜を本来の「けん盛り」することはほぼなくなっているようで
   す。スーパーでパック詰めする際に潰れてしまうし、盛り付けに技術が必要なので、すたれてしま
   ったのでしょう。剣優はこのけん盛りができる大根であることから名づけられたそうです。

<茨城県の大根にまつわる豆知識>

1.茨城県を代表する郷土料理:「柚子大根」について
   農林水産省が次代に残したい「うちの郷土料理」にも選抜されている柚子大根は、大根と柚子をお
   酢に漬けた料理です。柚子は温暖な気候を好むので、主に四国地方や関東地方で栽培されています。
   柚子大根は茨城県の郷土料理で、特に冬に美味しく食べられます。柚子大根の作り方は簡単で、大
   根を切って塩もみしてから、柚子の皮と果汁、砂糖、お酢を加えて漬けるだけです。柚子大根は、
   生で大根を食べる効果とお酢の効果が健康にとても良く、保存も効くのでオススメの食べ方です。
   大根にはカルシウムやビタミンE、鉄分などの栄養素が豊富に含まれており、免疫力を高めたり、
   貧血を予防したりする効果があります。 柚子にはビタミンCやクエン酸が多く含まれており、風邪
   の予防や疲労回復に効果的です。柚子大根は冷蔵庫で約3日間日持ちします。 余分な水分は雑菌の
   繁殖を促すので、大根の水分をよく拭き取ってから漬けることが大切です。また、使用する容器は
   密閉できるものがオススメです。柚子大根はご飯のお供やおつまみにぴったりの一品なのです。柚
   子の爽やかな香りと甘酸っぱい味が食欲をそそります。柚子大根を買うなら、インターネットで通
   販するのが便利です。柚子大根は、茨城県の他、関東の幅広いエリアで作られています。また、柚
   子の生産が盛んな、四国の高知、徳島そして九州の大分も産地です。
   その時は、茨城県の柚子大根を選んでくださいね。

2.茨城県の大根の特長は、以下のようにまとめられます。
  (1)茨城県は、平坦で広大な耕地を有し、温暖な気候と豊富な水資源に恵まれています。これらの
     条件は、大根の栽培に適しており、品質の高い大根を安定的に生産することができます。
  (2)生産される大根は生食に適し、瑞々しくシャキシャキとした食感と柔らかな肉質が特徴です。
  (3)大根の需要に応えるために、出荷量や出荷期間の拡大にも努めています。茨城県の大根は、秋冬
     から春まで長期間出荷されており、国内外での需要が増加しているかんしょの生産拡大や、アジ
     アを中心に輸出されているメロンとの共同出荷などの施策を実施しています
  (4)茨城県の大根は安全・安心でおいしいダイコンを出荷するために、優良品種の選定や病害虫防除、
     生産履歴記帳、GAP認証などの取り組みを行っています。
  (5)茨城県の大根は品種が豊富で、形や色、味に個性があります。紹介している牛久 河童大根は大き
     くて重たく、肉質がやわらかいのが特徴です。剣優は辛みが少なくて甘みが強いのが特徴です。

以上のように、茨城県は、大根の生産に適した自然環境と、品種改良や栽培技術の向上、出荷量や出荷期間
の拡大などの取り組みに積極的です。一時は大根の生産量が全国1位を保持していた時期もありました。

<茨城県のブランド大根:「剣優」と「牛久河童大根」>

1.剣優はたい肥を施して栽培され、水分を含んだ瑞々しく、太くて大きい大根です。

(1)剣優大根は青首大根の改良品種です。青首大根と桜島大根を交配して作られた品種で、植物用万田酵素
   を与えながら通常の2倍の栽培期間で成長させたものです。剣優大根は青首大根よりも大きくて、辛味
   が少なく、甘くてみずみずしいと言われています。堆肥にこだわった栽培が最大の特長です。
(2)刺身に添える大根の細切りは、本来は「けん(剣)」と呼ばれ、剣優はその名の通り、剣のように直立
   して盛り付けられることができます。剣優の名前は、大根の形が日本刀に似ていること、けん盛りがで
   きる大根であることから名付けられたそうです。これも特長です。
(3)茨城県行方市で多く栽培されています。用途としては、まっすぐと大きく育つのが特徴で、浅漬け加工
   に適した品種として知られています。栄養価は一般的な青首大根と同じくらいで、ビタミンCやカリウ
   ムなどが豊富に含まれています。
(4)剣優は冬から春にかけてが旬の時期で、おでんや煮物、サラダなどにおすすめです。

2.牛久河童大根は肌つやが白い、きれいな大根です。

(1)牛久河童大根は、茨城県の青果物銘柄産地に指定されている大根の品種です。大根の品種別では茨城県で
   一番多く生産されている品種かもしれません。形が長くて細く、特に、皮が薄くて白いのが特徴です。味
   は甘くてジューシーで、サラダや漬物に向いています。生食用にふさわしい食味と食感にこだわり、市場
   から高い評価を受けているブランド野菜です。
(2)牛久河童大根の主な生産地域は、茨城県の南部に位置する牛久市です。この地域は、台畑地帯であり、ス
   イカの裏作として大根の栽培が始まりました。現在では、JA竜ケ崎大根生産部会によって、42ヘクター
   ルの面積で栽培されています。
(3)青首大根の改良品種ではありません。栽培の工夫もありますが、JA水郷つくば大根生産部会では、防除基
   準を定めて減農薬に努め、規格・品質にこだわった 牛久河童大根を出荷しています。また、収穫後の保存
   状態が品質に大きく影響するため、日光になるべく当てないように気を付けています。これが白く、きれ
   いな大根の牛久河童大根を生んでいます。
(4)昭和61年から牛久市で栽培される牛久河童大根は「河童のキューちゃん」をトレードマークに「うしく河
   童大根」として出荷されています。生食に適し、瑞々しくシャキシャキとした食感と柔らかな肉質が特徴
   です。

<剣優の栽培>

剣優を栽培している農家さんは、栽培方法のこだわりは「たい肥」ですと言っています。作物の状態を見極めそ
の時に欠乏しているであろう微量要素を予測して補給します。ここが美味しい大根づくりには欠かせないポイン
トなのだそうです。

(栽培カレンダー)

作業        春どり                  秋冬どり
種まき   4月上旬~5月上旬         8月下旬~9月中旬
間引き   本葉2枚の頃、5~6枚の頃   本葉2枚の頃、5~6枚の頃
追肥       本葉5~6枚の頃             本葉5~6枚の頃
収穫       6月上旬~7月上旬         10月下旬~12月上旬

<「剣優」大根を使用している商品>

①ゆずだいこん ② 毎日食べよう♪冬 7種の野菜  ③ゆずなま酢 ④プチカップ やっパリだいこん

<剣優を使ったレシピ>

剣優大根は、白首の長形品種で、肉質がやわらかくて甘みがあります。

1.たくあん: 干し大根を米ぬか、塩、赤とうがらし、果物の皮などで漬けると、手作りのたくあんができ
       ます。漬ける時間は10日~1か月間です。
2.大根サラダ: 大根をピーラーで剥いて細切りにし、マヨネーズと梅ドレッシングで和えると、さっぱり
        としたサラダになります。パプリカを散らすと彩りも良くなります。
3.みぞれ鍋: 大根を輪切りにして煮て、お鍋にふんわりと大根おろしを乗せると、みぞれ鍋(雪鍋)にな
       ります。ブリや豚肉などお好みの具材を入れて、だしと醤油で味付けします。
4.大根の味噌汁: 大根を繊維にそって切って、おだしと味噌で煮ると、あっさりとしたお味噌汁になりま
         す。油揚げやゆずの千切りを加えるとコクと風味が増します。

他にも、ふろふき大根やすじ肉と大根の甘辛煮など、剣優大根を使ったおいしい料理はたくさんあります。

 

茨城県の剣優大根を是非ご賞味あれ!


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