鼠喰いのひとりごと

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Partiality

2018-04-06 15:13:34 | フリーゲーム(ホラー)
Partiality
サイコホラーADV・魔性の女・すべては謎のまま
制作者:れんたか様 グラフィック・遥壱朗様

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人の心の中を覗くことができる装置「Deep cons」。
それを扱う精神科医として、第一人者である主人公のもとに、とある依頼が舞い込んだ。
それは、関わった人間が、次々と自殺してしまう女性「アリティ・ノーラ」の心の中を覗き、被害者たちを自殺に追い込んだ証拠を見つけ出してほしい、というものだった。


というわけで「Partiality」。
いつも、独特の、妖しくも美しい狂気の世界を描いてくれる作者様ですが、今回は、魔性の女性アリティちゃんと二人きり、じっくり話しながら、彼女の心の中を覗いていく…という、なんともディープな物語。
まずはカウンセリングで、アリティの心にキーとなる出来事を想起させ、その後、Deep Consで深層心理に潜ってゆきます。
そこにいるのは、かつて彼女と関わり、自殺していった被害者たち…
果たして彼らは、主人公に何を語るのでしょうか…

カウンセリングのターンで一度に選べる話題は三つのみ。
そのうち一つは必ず職場か家庭について聞かねばなりませぬ。
で、その尋ねた事柄によって、アリティの深層心理にある職場っぽい世界と、家庭っぽい世界のどちらかへとダイブできる仕組みになってます。
職場・家庭・雑談と3種尋ねた場合は、家庭のほうが優先される…っぽい? たぶん。

現実のアリティが語る流麗な言葉とは裏腹に、ひどく歪んで寂れた心の中。
その対比がなんとも微妙な気分を呼び起こす一作でした。
果たしてどちらの「アリティ」がホンモノなのか。
誰が被害者、誰が加害者なのか、起きた出来事は悲劇なのか怪異なのか…全てがつかみどころがなく、なんとも不気味な後味が残ります。
結局、アリティの中にいたあの人物が、彼女自身の心から産まれたものか、それとも、どこか他から侵入したものなのかもわからないまま…
ごく限定されたマップと、二人きりの登場人物でありながら、物語は深く深く底が見えず。
何度もくりかえすうちに深みにはまる…もう一歩、もう一歩とすすむうち、戻れなくなってしまうような怖さがある、いいサイコホラーでした。

また、プレイしてくれればわかりますが、アリティのグラフィックが、ゾクゾクするほど美しいんですよね~
清楚でありながら魔性。
特に差分が多いわけでもないのに、目が離せない気分になるすごい絵でした。
アリティ・ノーラ」がどういう存在なのか、たった一枚で、これほどに表現しきった絵師さんすごい。

エンドは隠し含めて5つ。とりあえず隠し以外はクリアできました。
普通のエンドはそんなに難しくない…一つは「時間かけすぎエンド」ですし、それ以外のエンディング分岐条件は、それまでの主人公のアリティに対する態度で決まるので、ある意味予想しやすい…というか。

ただ、どれも微妙にもにょるエンドであるぶん、隠しエンドが気になってしまいますね…
しかし…正直、どこがフラグなのかさっぱりだぁ~
意味ありげに重ねられる日常会話の選択肢や、コアラから閉め出される部屋の意味は一体??
タコ女に自分の心を見せたとき、部屋のあちこちをクリックすると、タコ女が主人公を「鑑定」してくれますが…それも関係あるのかなぁ


最後の方に、やや年齢制限的な展開があるので、苦手な方はご注意を。
でもたぶん…この方の過去作をプレイできた人なら大丈夫?だと思いますよん。


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