鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

ギャロウズ横丁の羊たち

2018-05-20 00:37:23 | フリーゲーム(ホラー)
「ギャロウズ横丁の羊たち」
探索ADV・時間制限厳しめ
制作者:なしのもの様(思考実験N

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面白そう!とは思っていたものの、最初の何回かのVerupで続けざまにバグに逢い、修正が落ち着くまで~と寝かせてあったゲームです。
…自由度が高く、イベントも多く、複雑なフラグ管理が必要なゲームだったので多少のバグが出るのは仕方ないのですが…一筋縄でいかないボリューム・難易度のものだけに、繰り返し詰むと、さすがにやる気が……;

その後、詳しくゲームのデータやイベントを調査してくれていた攻略サイト様の助けなども得まして、無事に全てのエンドをクリアできました。
この調査力すごすぎ!!


えーと、ざっくりあらすじを言うと…

自殺するつもりで森に入ったレイチェルという少女が、羊と人外のものとが住む「ギャロウズ横丁」に迷い込み、そこで一週間過ごす話、です。
ギャロウズ横丁には人間は踏み込んではならず、一週間以内にバスの乗車券を6枚集めて出て行かなければ、処刑されてしまう運命。はたしてレイチェルは、無事、ここを出て人間の世界に帰れるのでしょうか…?

って感じの話です。

なんとなーく日々を過ごしていると、あっという間に処刑エンドになってしまうお約束~
ま、そもそもレイチェルは自殺をするために森に入ったわけですから…別にどっちでも結果は同じ、といえばそうなんですけど。
目の前にクエストをぶらさげられれば、クリアせずにいられないのがゲーマー魂。
とりあえず、あたりをうろついて情報を集めるところからはじめてみましょうか…

エンドは5つ。4つの下位エンドは、どれも仄暗くて後味が悪いものが多いのですが、一番良いエンドは、住人の一人の意外な事実が発覚し、心温まる仕上がりとなってます。
結局のとこ人が救われるのは「自分が正しいかどうか」ではなくて「自分の味方になってくれる誰か」がいるかどうか、なんでしょうねぇ…

トゥルー?の最後で、レイチェルちゃんに銃を構える勇気を与えたのは、他でもない彼の存在でした。
ギャロウズ横丁に、レイチェルちゃんが来ることは二度とない…のでしょうが、二人の友情は、きっとその後の彼女の心の支えとなるのでしょう。

他の住人達の事情が、家の中の新聞記事や日記からチラチラほの見えるのも、興味深かったです。
もし私がこの横丁にいたとしたら、一体何屋になるんだろうなぁ。


さて、続きは攻略面について~
難易度は高め! 自由度が高い分、複雑な手順が要求されます。
そして、その手順をこなすのに、いちいち時間制限があるのがきつーい!

いやー、何が難しかったって、いくつか要因はありますが…
「羊に話しかけすぎてはいけない」という縛りが、まずひとつ。
…謎解きADVでは、モブとの会話は重要なヒント要因だというのに、そこにあえて縛りを入れてくるとはなんたるマゾゲーか…;
結果、とりあえずセーブして、羊全員に話しかけ、ヒントを貰ったらロードして、今度は話しかけずにやりなおす…という、つらい下積み調査が必要になってしまうのでーす。

もう一つは、住人たちのスケジュールが、曜日・時間ごとに決まっており、それにこちらの行動も左右される…ということです。
定められた期日はたった一週間しかないわけですから。
イベントを起こすタイミング、住人にモノを渡すタイミング、話しかけるタイミングetc…
一つ逃すと、あとあとまで全部スケジュールが押せ押せになってしまうのが、なんともオソロシイ。

あー、今日はもう間に合わないから明日行こう!と思った店が、次の日は休みだったりさ!!
先にイベント起こしてしまったら、その日はもうその店にあるはずのアイテムを取りに入れなかったりさ!
ちょっとした行動順で、たやすく日にちをロストしてしまう。
いや、予定が遅れるだけならまだしも、行動を誤ると完全に「間に合わなくなる」イベントもありますからね!
(朝、鳴る電話のイベント、ウサギのイベント、雨の日にジョウロに水をくむイベント、は、一つ間違うとその先すべて消失します)

重要なのは、まずは起こるイベントや、住人の動きをしっかり把握し、主人公の行動を緻密にスケジューリングすること。
そこで初めてトゥルー?攻略への道が拓けるのですよ。
「主人公をいかに無駄なく動かすか」が鍵のゲームといえましょう。

実際は、これらの解析や確認作業は、いくつかある下位エンドを迎えつつ、繰り返しプレイする中でわかってくることなんだろうし、作者さんもそこを想定して作ってるのだと思いますが。
…やはり、何回も同じ作業をするのは、人間飽きてくるわけです。

それに、イベントの手順も、けっこう何日かかけてクリアする、複雑なものが多くてね。
初日の手順を一つ抜かしたがために、3日目のイベントに間に合わなくてやりなおしー
みたいなことも普通にあるゲームなので…
目に見えない実質のプレイ時間…やりなおしの回数・時間がかなり多いイメージでした。

ほんと!スケジューリングが非常に大切。
自力でやるなら、メモ必須だと思います。
それが面倒な場合…? 最初に書きましたが、検索で攻略サイトがありますんで…
ただねぇ。ここも、各曜日の全員の動きやデータ、各イベント個別の攻略法が書かれているだけなので、どっちみち、その日の何時に何をするか、というスケジュールは自分で組まなきゃなりません。
そこは諦めて頑張ってくださいな。

ちなみに乗車券は、要領よく回れば最初の3日間で揃えられます。
ただ。トゥルー?エンドに必要な「水の壜」を全部揃えようと思うと、けっこうギリギリまでかかる…
…まあ、このギリギリ具合が、このテのゲームが好きな人にはたまらないかもしれませんが…
ゆるゲーマーの私としては、もう少し時間に余裕が欲しいところですね…

路地から路地への移動は片道20分。店に入って10分経過、店から出て10分経過。
フラフラしてると、あっという間に時間が進んでいってしまいます。
ここなぁ。せめて半分の、10分&5分の経過時間にしてくれたら、ぐんと難易度下がるんですがねぇ…;

ちなみに、それぞれのキャラのイベントを全てこなし、それぞれの店のスケジュールを埋めると、おまけ画面で彼らのプロフィールが見られるようになります。
ゲーム内で使うキャラグラフィックは下半身が切れてますんで、全身像はたぶんここでしか見られないんじゃないかな?
興味のあるかたはこちらもコンプしてみると良いかもしれません^^


手間はかかりますが、非常によく練られた、複雑なゲーム性を持つ、良ADVでした。
シナリオもいいし、異形のキャラグラフィックもリアルでいい雰囲気!
さすがにもう、目に余るバグはない…と思われるので、まだ未プレイの方はぜひどうぞ!

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