鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

細胞神曲 -Cell of Empireo-

2018-05-30 18:35:02 | フリーゲーム(ホラー)
「細胞神曲 -Cell of Empireo- COMPLETE EDITION【完成版】」
探索ADV・アクションあり・深読みできるゲーム
制作者:鱶尾工業(ふかおこうぎょう)様(公式サイト

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最近、ツイでブツブツ呟いていた細胞神曲、やっとハッピーエンド行きつけましたぁ!
いろいろすばらしすぎて鼻血が出そうです。これはすごい!!


体験版をプレイしたときは、研究所ステージ脱出したら終わりなのかと思っていたんですよね。
しかし、今回の完成版は、そのあと場所を変えてもう1ステージ、さらにそこが終わってもう1ステージ!ルートによっては、さらにもう1ステージ、それでも物足りなくて最後のほうだけもう一度リプレイ!と…なかなかのハイ・ボリュームなゲームになっていました。
こんなにプレイ後に、満足感を感じるゲームはそうそうありませんな~

シナリオも、タイトルどおり科学とカルト宗教が微妙にフュージョンした不思議な感じで、展開に全く予想する隙を与えず、終始プレイヤーをグイグイ引っ張っていく良い仕上がり!
これだけの大風呂敷を広げまくって、それを最終的にまとめあげて、ちゃんと収束できるってすごいっす。

ん? 結局それはどんな話かって…
うーん、そうですね…探偵事務所に勤める頭脳派で華奢なお兄さんが 登場人物みんなに奪い合われるハーレムな話 新興宗教に拉致られて脱出するまでの話。ですかね。

根幹に「神曲」を使っているだけあって、宗教的な比喩表現が多く、敵のセリフや主張が難しい部分がありますが…ま、そこは大体のニュアンスが掴めればOK。
大きな目的としては、もちろん、その場を脱出すること、が一番なんですが…
その合間に『一緒に行動する人たちをどう守るか』と『その宗教では何か行われていたのか』そして『主人公・阿藤くんとその宗教の謎の関わり』を紐解いていくゲームになっております。

がっつり探索・謎解きゲーなのかと思えば、アクション要素・ミニゲー要素もあり、システム的にもメリハリの利いた飽きさせないつくり。

途中の、会話イベントの盛り上げや、戦闘イベントの演出もウマかった!
セリフに合わせて細かく変わるキャラグラの表情や、ドットキャラの信じられないくらい細かい挙動もあいまって、プレイしてて自然と話に引き込まれてしまいました。
てか、マップ上のドットキャラがチラっと横に目線を投げる、とか、しゃがんで相手に手を添える、とか、片膝で座る、とか、ほんと動き細かい。
ドットで「表情豊か」とか感じたの初めてじゃなかろうか。

また、広いマップに配置されたたくさんのオブジェクトは、その殆どに調べたときのコメント文がつけられており…しかもそれが、その時のストーリー進行で細かく変わったりするっていうね!
また、同行しているキャラとの「会話」も、その場その時でないと聞けないものも多くて楽しい。

ちなみに、このテの込み入ったマップが何枚も何枚もあるゲームの場合、通行判定が甘いことも多いんですが、これはそのテの設定ミスがほとんど…いや、ぜんぜんなかった、と思うな。
本棚通って壁が登れるとか、マップの外側歩けるとか…3周しましたが、少なくとも私は気付かなかった。
エンド分岐の細かいフラグ管理もそうですが、総じて、信じられないほど手抜きなく、綿密に…丁寧に作られている印象のゲームでした。

難を言えば、長めの会話イベントが多く、周回プレイするときにちょっとダレるかな~ってとこですね。
特にこのゲームは、クリアデータから引き継いでプレイしないと、到達エンドの記録を引き継いでくれないので。(一応、各チャプターの頭からやりなおせる設計ではあるのですが。その頭に長い会話イベとか入ってるるのが何気に面倒なんだな)
これ、イベントスキップ…あったら嬉しいんだけどなぁ…



さてさて、話を戻して。今作で忘れてならないのが「キャラ自体の魅力」!
主人公の阿藤くん、そして準主役?の信濃くんと磯井くんはもちろん、他の登場人物も全員が、それぞれの正義、それぞれの価値観…それぞれの『譲れないもの』を持っていて、とても個性的でした。
味方だけでなく、敵の皆さんもご同様。残酷で傍迷惑なのに、いろいろ知るにつけ憎めなくなっていきます。

中でも、ちょっとイカれた雰囲気を持つ異色なキャラ、嘉納さんは味のあるキャラでした!
Sルートでの最後の彼は本当にすごかった。
こんなん一生、忘れようったって忘れられない存在になりますわ。

全員憎めない、なんて書くと、誤解されそうですが…べつに「全員、本当はイイヒトだった」って話ではないんです。
むしろ、みんな人間らしい狡さや卑屈さや、弱さや自分勝手さを持って、それを基準に動いている。
正しいとか正しくないとかじゃなく、その時その時の「そうするしかない」選択肢の連なりが、結果的に悲劇になったり、希望となったりしていく様子が、とてもリアルに感じました。
人の為、と書いて偽りと読むのですよ…にんげんだもの!www

なんだかんだと、一番ブレずにまっすぐだったのは警察官のあの人ですかね…
甥っ子は、大物だけどまだ若すぎて、他人を支えるにはちょっとまだ頼りない…ってか頼ったら可哀想な気がするし。
ちなみに、私的には、麗しくて慈しみのある磯井君がお気に入りです。生意気な癖に、背があんまり高くないのもいい!



エンド分岐は…えーと、Sと、A~Eだから…6種? いや、Sのあとのハッピーエンドがあるから7種?
あと、途中死亡のバッドエンドが10個くらい…あるのかな。
これはコンプ関係ないんで、あんまりしっかり見てないんだけども。

このうち、私はE、B、S、そしてハッピーエンドをクリアしています。
分岐フラグが、何気ない会話だったり行動だったりで、とてもわかりにくいです。
また、フラグが立ってすぐに話が分岐するのではなく、その先のチャプターに入ってから、手に入る持ち物が違ったり…イベントの会話が違ったり…という微妙な差異がカギとなるので、攻略を作者様が出してくれるまでは…ほんと迷走してました。
下位エンドの分岐条件の『仲間が何人死んでるか』というのは、すぐにわかる部分だったんですが…上位エンドの条件が見えなくてね…
もう5章6章は、総ざらい・総チェックで何度やりなおしたかわかんない。
クリア自体は3回ですが、そのあたりのチャプターは10回以上往復してるぞい。

で、結局、何が悪かったかって…「手に入れた文書を、アイテム欄から見直す」という一手順が抜けていたせいだったという!
二周目では、中身知ってるからついつい見忘れてたというオソロシイ罠!w

とりあえずこのレビュー書いたら、下位エンドを埋めていこうと思います。
EやBを見た印象だと、それぞれの下位エンドもまた一味違うものになっていそうで楽しみですねぇ。


あとは…アクション難易度?
…うーん。後半がけっこうアクション目白押しなんですよね。
ただ、大体「覚えゲー」だと思うので、得意な人はなんてことない…のかも、しれない?

私がすごく苦戦したのは、蛇淵戦の『柳庇うバージョン』ですが…
これ、結果的に庇わなくてもよさそうな流れ?
てっきり、ここで柳を庇いきらないとSエンドに行けないのかと思ったら、そうでもなさそう。
(というか、庇いきらなくても、その後ちゃんとSエンドに行けました)
とりあえず自分が生き抜けるよう頑張りましょう。

あと、後半の、上から降ってくるツララを避けるやつ!
落ちてくるパターンは画面下部であらかじめ教えてくれるし、それも毎回決まった順序で繰り返すので…
対策としては、覚えて避ける!しかないんですが…
まあ、皆さん大体予想がつくとおり、すっトロい私は苦労しましたよー

ここ、連続してアクションイベントがある部分で、リトライはあっても途中セーブはなく。
一度手を付けたらやりきる!しかない仕様となっておりますwww
アクション下手な同志たちよ! 頑張れ、マジ頑張れ!


シナリオ・グラフィック・ゲーム性…そのすべてが見どころ!みたいな贅沢な作品でした。
まだプレイしてない人は、ぜひとも!一度プレイしてみるべき^^w
激しくおすすめですよー!









「あなたを拘束します」からの会話の流れ…ものすごく妄想がはかどりました。
阿藤さんから離れろ!と刺さってくる信濃、そして横から力づくでかっさらう宇津木まで美味しい!
絶対にこれ…狙ってますよね! …狙ってますよ、ね!! (大事なことなので二度ry)

嘉納さんといい、宇津木といい…いろんなカップリングで薄い本ができそうなゲームでもありました。
そっち系が好きなら、さらにさらに、別な楽しみ方がありそうですぜ奥さん!

2 コメント

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エレベーター (ななし)
2018-06-03 11:19:54
エレベーターのスイッチ(↑↓のやつ)解けたのですか?!素晴らしい!!私は完全にそこで詰んでます・・・。
作者様のhpでもまだ攻略が載ってないし、せめてヒントだけでも頂けないでしょうか?
因みにこれを解く為に、Amazonでダンテの神曲まで買ってしまいました・・・。
エレベーター (鼠喰い)
2018-06-04 23:04:57
ここは私も迷いました!検索しまくりました!

実は神曲についてのウンチクがヒントになりますー
あの階でしつこくしつこーく言及される、神曲の世界観とエレベーターがリンクしているんですよねw
天国編の構造…地上→月天→水星天→金星天→太陽天→火星天→木星天→土星天→恒星天……っていうのに旅人の動きを当てはめてー

ちなみに最初にいる階は「月」ですんで。
火の階まで移動するには4つ上に上ります↑↑↑↑。
その調子で上がり下りを連打しましてー
全部でボタンを押す数は、最後の〇を入れて26回。

ウィキだと、地上と月の間に火焔天があるとか書いてあるので紛らわしいですが、最初は↑4回で行ける…はず。
押し順は周回するときのために、メモ取っておくと良いですよー

原作買われたんですね!
ゲームとはまた違うカラーの世界とは思いますが、永い時を越えてなお語り継がれる名作ですので、ご堪能くださいね^^b

良いプレイを!

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