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鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

Gleaming Diamond

2018-01-06 00:00:51 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Gleaming Diamond」
ファンタジーRPG・本当の強さを知る物語
制作者:ゆこっと様(公式サイト

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天界の民、闇の眷属、人族、龍族、の4つの種族が住む世界。
それぞれの種族には、異なる属性の加護が与えられ、その強さによってさまざまな得手不得手が顕れる。
鍛冶屋の息子であるディーアは、金属に弱い土の属性を持つがゆえにろくに家業を手伝えず、優れた職人である父に対して強い負い目を感じていた。
しかし、ある日森の中で、天界の民に追われる闇の眷属の女性を助けたことで、その運命は大きく動き出していく。


こういうRPGの主人公の少年って、大体元気系だったり、ヤンチャだったり、凛々しかったりするものですが。
主人公のディーアは最初から、何かこう困ったような表情で、あまりハッキリしない…
大丈夫かなこの子?と思ってしまう感じのキャラ作りでした。

これだけでも、あまり一般的な感じはしないのですが、終始、モンスターや敵と戦うのが主体のRPGでありながら、ディーアは決して、戦うことに積極的ではなく。
むしろ、戦わないですむ方法を模索する主人公、という…なかなか面白い切り口のお話なのですー

ディーアの、何か自信なさそうな態度は、最後まで特に何が変わるわけでもないのですが…
話が進むにつれ、あれ?この子ひょっとして、何かすごい子なんじゃない?と思わせてくれるシナリオ運びが秀逸でした。

実際、作中のような状況になったとき、恨みや憎しみを捨てて「話し合い」をできるかっていうと…
すごく難しいと思うんですよね。
大体、リアルな日常の中でも、相手の言い方ひとつ、態度一つでカチン☆ときて感情的になり、相手の言葉を全部マイナスにとってしまったり、その意見に公平な目線を欠いてしまうことって、よくあると思うんだわ。

ましてやそこに、大事な人の命や、それまでの自分の人生を壊してしまうような出来事があったとしたら…
下手したら、子々孫々まで加害者を鬼のように語り継いで、恨みつらみを繋いでいったっておかしくない。
いや、むしろ、被害者側目線に立てば、それはごく正当な感情なのでしょう?

その重みを考えれば、この作品のディーアの決断や選択は、ただ憎しみと復讐心で戦うよりも、途方もない勇気のあるものに見えてしまいます。
柔らかな物腰で、どこか頼りない困ったような顔で、穏やかな声で。
それでも自分の意志を最後まで貫くディーアは、まさしくヒーローそのもの。


プレイしていて、作者さんの気持ちと言うか、主張?姿勢?がビシバシ伝わってくる、良いゲームでした。
これこそがフリゲならでは、フリゲの醍醐味、って感じですね~
おすすめですよ~













ヒロインキャラが2タイプいるのも、何気にいい感じ。
メインヒロインが、セクシー系かっこいいお姉さん、っていうの珍しいですね。
もうひとりのヒロイン、トライネは正統派な可愛さ。
出てきた瞬間から、この子絶対仲間になる!って予感はしてました!

私の好みですか? そりゃあカーネル父さんかフラディナム様にきまっておろう!


Scramble Tale

2017-11-24 11:57:17 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Scramble Tale」
ファンタジーRPG詰め合わせ・俺の知ってる話と違う
制作者:あまなつ様(あまなつ館

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ふー、やっとラスボスを倒して全クリできたぞ!


有名童話系RPGの詰め合わせゲームです~
一つ一つ、独立したシナリオがなんと8本(+おまけ2本)!
そして、さらにはそれらの主人公たちからパーティキャラを好きに編成して挑めるラストダンジョンと、けっこうなボリュームのあるゲームになっちょります。

あとらそふとさんのグラフィック素材に惹かれてDLしたのですが、シナリオもきっちり面白かったっす。
どの話を見ても、よく知っている童話キャラが独自の解釈のシナリオで動いていて、読み応え?がありました。
とりあえずシナリオごとにチラっと感想を!

ヘンゼ●&グレーテ●
 兄妹の微妙な距離感にニヤニヤしました。
 一途に突撃する妹と、ポーカーフェイスなお兄ちゃんが良い!
 最後のほうの、お互いの心の内が垣間見られるところの「なんでお前妹なんだよ」にはやられました。
 
 しかし、24歳と22歳でニートな二人という設定は説得力ありすぎw
 『そりゃあ家から叩き出されるわ』と思ってしまった。
 年齢が違うと全然可哀想に見えない…w

浦●太郎
 ちょいとオトナな雰囲気のあるシナリオでした。
 何をどうやってもZ姫の思う通りにしかならないシナリオに「私は怖い女よ」というセリフが綺麗にハマりますねぇ。
 そして、それをさらっと涼しい顔で受け入れる浦太郎の器の大きさ…!
 個人的に好きな話でした。

シン●レラ
 エンド分岐あり。
 私は現実見るエンドにしましたが、どうやら夢の中のほうが良い装備貰えるらしいっす。
 テーブルマナー、最近はスープ皿傾けてまで飲まないの?

●姫  
 泡になったその後の話。
 いい具合にブラックな話になっております。
  
 
●姫と彦●
 何もかも折りまくる姫と、何もかも干しまくる男…;
 まさかこの名前から、こんな設定になるなんて…;

走●●メロ●
 個人的には、一番苦戦した話です。 
 逃げまくってろくに戦わなかったから…^^;
 いや、だって途中で回復ポイントが見つけられなかったんだもの…
 レベルが低くて、途中のアイテムもあまり拾っていなかったので、最後にかなり苦戦しました。
 MP回復アイテムをきっちり買っておくことをおすすめ!

ねむ●姫
 よくあるシナリオといえば、よくあるシナリオ?
 でも王道だからこそ良い!
 ハルクさんは強くて使い勝手がいい…と思いきや!
 魔法にはめっぽう弱いため、ラスダンではほとんど使えませんでしたっす…

●●●を履いた猫
 マーニャのキャラがすごく可愛い。
 長靴ならぬニーハイソックス………いい…!
 最近近所に触らせてくれるにゃんこがいないんですよね。
 こんなパン屋があったら毎日通うわ。

ジャッ●と豆の木
 まさかの進撃…!

わらしべ●●
 産まれる前からの絆に結ばれた双子…!
 いろいろ妄想を掻き立てられる設定でした。
 死ぬまでずーっと二人一緒かぁ…


ラスダンでは、好きなキャラを使って各ボスキャラに挑めます。
ボスセレクトステージの右上には料理があって、食べ放題回復し放題なので安心!

ちなみにラスボス、私は浦太郎、マーニャ、レイラ、グレーテロでいきました。
レベルは一番育ったグレーテロが37、一番低いマーニャが24。
浦太郎が攻撃を引き付けつつ竜属性攻撃、グレーテロが回復、残り二人も攻撃です。
けっこう余裕で倒せたので、ここまでレベル上げしなくてもいい感じ。
ただ、MP回復アイテムのメレンゲは10個以上使いました。
逆にHP回復は魔法で間に合うので、アイテムはほとんど使わなかったかも。



あとは…そうですね、戦闘周りの仕様について。

シナリオの攻略順にもよると思いますが、作者様推奨の兄妹からプレイした場合…最初、ちょっと難しく感じるかもしれませんね~

えーと、なんていうか。
ドラクエの最初の街に宿屋がなくて、手持ちのやくそうのみで最初のクエストをクリアし、なおかつ次の街までいかないと回復ができないってイメージ…って言ったらわかります?
安心できる「拠点」が最初の場所に無い、のです。

しかも、操作キャラのHP・MPの値と敵のパラメータのバランス設定が割とシビアめで、物理や魔法一撃ではなかなか倒せないよう調整されているので…雑魚と大体3~4回戦うと、それなりにダメージ食らって、戦えなくなってしまう。
中盤になると、アイテムも買えますし、何度でも使える回復ポイントもきちんとあるんですが。
そこにいきつくまでがハラハラしましたよー;

実際にプレイしてみればあっさりクリアできてしまって、難易度はそれほどじゃないのですが…
プレイ開始後、しょっぱなのイベントだったので「なに、もしかしてリソース管理ゲームなの??」と、戸惑いましたねぇ…


ちなみに、各シナリオをとりあえず終えてしまえば、ラスダンでは回復し放題でレベ上げも可能です。
途中のイベントでSPをきちんと貯めてあるなら、お金で苦労することもそうそうない…はず?
ラスダンはすっとばしてエンドロールを見ることも可能なんですが…
この「童話世界」を繋ぐ存在が最後に出てきますので…できればきちんと最後まで戦ってみて欲しいかなぁ。



近親もの・不倫?・復讐・窃盗などの、ややインモラルなテーマが含まれるため、地雷持ちさんは少々注意のこと。
しかし、それを置いても、それぞれがきちんと作りこまれた良いシナリオでした。
おすすめですー^^

ゼーメンシュ-Aftermath-

2017-11-11 08:03:38 | フリーゲーム(ファンタジー)
ゼーメンシュ-Aftermath-
ADVノベル・行きつく先は常に一つ・何気にSF
制作者:東堂様

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見た目の美しさとは裏腹に、その歌を一定時間以上聞くと洗脳され廃人になるという危険な存在、人魚。
その生態を調査し、研究する「人魚博士」の豪傑博士は、ある日「人魚専門店」の店主から、珍しい「ツノナシ」を飼育してみないかともちかけられる。
人魚の中でも高位…女王のような存在であり、幻と言われる「ツノナシ」の人魚…
彼女はマイと名乗り、その美しさと素直さで、豪傑とその同居人たちを魅了していく。


残酷さの中に愛がある、不思議な雰囲気の物語でした。
たゆたう水の雰囲気のあるマップがとてもキレイ。
優し気な音楽もそれにあっていて癒されます~

「人魚」について細かく作りこんであるのが面白かったです。
人魚に自覚がなくとも、その歌はとんでもない兵器になりうるという設定。
けれど、その威力とは裏腹に、彼らの心も体もとてもデリケートにできていて、尾を人間に素手で触られるだけでも弱ってしまうほど。
儚くて綺麗で危険な生き物である人魚…ゼーメンシュたちに、プレイヤーもまた、画面のこちらで魅了されることうけあいです。
また、豪傑と一緒に暮らす3人…モコ、爛万、海貴は、みな一様に心に傷を持つアウトサイダー達。
互いをいたわるように過ごす日々の向こうに、一体どんな真実が待ち構えているのでしょうか~

シナリオは一本道。
次の行動を示すとおりに進んでゆくと終われます。
ただ、主要キャラにはそれぞれ好感度が設定されており、それが一定値に達すると、特別なイベントが起きたりしますので…それを全部見ようと思うと、少し時間がかかるかな?
人魚専門店、コンビニ、雑貨屋、本屋で売っているアイテムは、大きくわけて、使うことで特定キャラの好感度があがるものと、それを好むキャラにプレゼントすることで好感度があがるものの二種あります。
どのアイテムが誰に対応しているかは…彼ら彼女らとする雑談の中にヒントがあったり。
でもまあ、一番てっとりばやいのは、セーブロードを駆使して一度全種類試してみることかな。

ところどころに落ちている人魚のスコアは、人魚専門店で「思い出」や「キャラプロフィール」と交換できます。
ただし、この交換…ガチャのようなシステムでランダム要素が強く、全部揃えるのは難しいかも…
私の場合、スコア100枚くらいは交換したと思うんですけど…最後までマーエリのプロフだけが出ませんでした…けっこう好きだったのになぁ。マーエリ。

特定のイベントを起こさない限り、日にちが進んでもシナリオが進むことはありません。
なので、故意に進行を止めておいてお金をひたすら貯めたり、キャラの好感度をあげたり、スコアを集めることもできますよん。
また、個別エンドがあるわけではないので、一周で全員一気にあげきってもOK。

最初は通貨である「貝」がなかなか溜まらず難儀すると思いますが、スコアを交換できるようになるとザクザク溜まるようになります(ダブった思い出はお金に変えてくれるため)


とまあ、プレイ上のことはこのくらいでしょうか?

エンドは一つだけなので、どんな選択肢も、エンディングには影響しないです。
安心して、心の赴くままにプレイしてくださいね~

(とはいえ…プレイ後には、むしろ影響できてほしかったという気分になるかもしれませんがね…)

エンディングは暗めな感じなので、悲劇的な話が苦手な方にはちょっと難あり?
絶望耐性のある方におすすめです。
悲劇的だけれど、とても純粋な愛の話でもありますよん。

しかし、最近バッドエンド?傾向のものばかりプレイしてる気がするなあ…
「絶望耐性」ってやたら書いてばっかりな気がする。
べつに選んでプレイしてるわけじゃないんだけど…











モコちゃんのその後がとても気になる…強く生きてほしい。

FANTASY HAZARD

2017-11-08 14:28:08 | フリーゲーム(ファンタジー)
FANTASY HAZARD
ガンアクション・WASD移動・超イージーモード有り
制作者:OPUWA様

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つい先日プレイしたゲームで「ガンアクションも難易度設定によってはイケるんじゃね?」とちょっとやる気が出たため、いつもは絶対しないWASD移動のガンシューティングに挑戦してみました。


中古屋で120円で買った、古いゲーム「ファンタジーシューター」をプレイしていた「一二三 四五(ひふみ よつご)」は、操作ミスで主人公のアレイラをロストしてしまう。
画面に映し出された「次の主人公を選びます」の文字とともにゲームはフリーズ。
続きは明日と諦めて一夜が明けると…街はなぜか、モンスターが蔓延る阿鼻叫喚の世界になっていた。


というわけで…まあ、ゲーム慣れした方なら、大体、何が起こっているかは予想がつくと思います。
シナリオは、ある意味王道。
けれど、キャラ同士の会話がとても自然で、まずどうするとか次はどうするとか、けっこう現実的な判断で行動してくれるのが好印象。ファンタジー設定と現代火器兵器との微妙な融合加減がたまらない。
ヨツゴの半ばあきらめたような口調と表情から繰り出されるツッコミも何か楽しい…
難点は、名前が読みずらいことくらいですが…まあゲーム中では、ほぼカタカナ表記なのでw

難易度はベリーイージーからプロフェッショナルまで5段階。
私はもちろんベリーイージーでプレイしましたが、超初心者からゴリゴリの上級者まで楽しめる安心の仕様です。
手に入る武器の種類は、ハンドガン、ショットガン、ライフル、マシンガン、ランチャー、火炎放射器、電子銃、他に、直接攻撃用のバットだのバールだの…ですね。
ベリーイージーの場合、どんどこ弾薬が手に入って弾切れがないので、最終的に、使いやすい武器2~3種に偏ってしまいますが、おそらく厳しいモードの場合は、すべての種類の武器を使いこなす必要があるんじゃないかな?
私はほぼ、ハンドガンとマシンガンで進みました。
マシンガンは弾消費が激しいという欠点があるものの、これはもう、アクション下手専用の武器としか!
あとボスキャラのときは、ランチャーがおすすめ。装填は面倒ですが、一番少ない弾数で倒せるから!
(武器や戦闘に関しては、ベリーイージーでプレイする奴の話はあまり参考にならない気もしますが…^^;)

えーと、あとは…エンド数。
これ、分岐条件、よくわかりません。作者さんも、エンド総数は明かしていないようですね?
とりあえず、私が見られたのは、エンドCとエンドD。
エンドCは、仲間もアレイラも全員救助するパターン。
エンドDは…たぶん、4人中何人かを半端に救助したパターン?

このエンドD、最初に見たのは「3人を助けてアレイラを見捨てる」パターンだったんですが…
「男二人を助けずにナナとアレイラを救う」と「ナナだけ救う」パターンでも、同じくエンドDになったんですよね。
話の展開上、ラスボスに挑戦すれば、ナナは必ず助かってしまう仕様なので、たぶん、エンドA、Bはそれ以外の条件で分岐してるってこと…かな…

エンドCは別名、ベストエンド。
A,Bがそれよりも上位?のエンドとなると…
…えー…どっかに何か変化しそうなポイントあった?
もしかして、仲間に武器を渡すかどうかで、どこか変化したりするのかな?
(それともどっかの時点で途中バッドとか?ああ、いいエンドなのかどうかさえ予想がつかない…)

最初の小学校で、十三さんに武器渡さなかったら死ぬのかと思ったら、別にそういうことでもなかった。
ナナが鏡に閉じ込められた時も、薬類ちょこっとだけあげて武器一つもあげてなかったけど(防御100以下)普通にイベント進行したし…
これ、マトモにコンプ狙ってプレイしたら、けっこう周回が必要かもね…

参考までに。私のデータでは、全員、防御900代になるまで武器やアイテムを渡してありました。
ちなみに、渡す際に手っ取り早いのは、火炎放射器用の燃料。ほかの数量制限のあるアイテムに比べて、999まで大量にいっぺんに渡せるので、一気に数値が上がります。

で、一度クリアして、再度初めからプレイすると、二周目特典として、
全ての武器を最初から持った状態&銃弾∞モードが選べるようになりまする。
装填する手間と時間がなくなりますので、かなり無敵気分が味わえますよ!


操作面で唯一気になったのは、まるで水中で動くかのような、慣性の効いたもったりした動き…
とにかくすぐには止まらないし、すぐには動き出さない。
なにかこう…何をするにもゆったりもったり…これ気になるし、ついつい移動キーを押す指に力入る…;
もしかしたら、わざとこういう設定にしてるのかもしれないけど、アクションゲームは反応速度がイノチなので…もう少しパキパキ動いてほしいな…

あと、アイテムボックスから何か取り出す時にも、説明文が見たい…!
どの武器がどういう特徴だったか、覚えてられないっすよ。
取り出して、シフトメニュー開かないと詳細がわからないの、不便でした。



最初「プレイできるかなぁ」と思いつつ始めたゲームですが、思いがけず楽しく最後までプレイできました。
敵の動きがゆっくりで狙いがつけやすいのと…あと、多分、判定が甘目なんだと思う。
ハンドガンで遠くから狙い打っても、吸い込まれるようにキッチリ当たるのがなんともいえず快感でした!

難易度設定が幅広いので、シューティングやアクションが苦手な人も大丈夫!
二次元と現実が入り混じるタイプのファンタジーな物語が好き&少年漫画的な展開が好き、な方にとくにお勧めです。
面白かったよ~

殺し屋神社

2017-10-24 12:28:33 | フリーゲーム(ファンタジー)
「殺し屋神社」
長編神様RPG・個性的な面々
制作者:プハリコ様(日本の神様でツクってみた

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普通~圧勝を行き来しながらクリアまで15時間!
いや、画面つけっぱで買い物に出かけたりもしてたので、実際はもっと短い時間で終われるとは思いますが…ボリュームのあるゲームでした。

内容を一言で言えば「とある女子高生が、初詣に行ったら神様に「依人」として選ばれて、一年間の契約?で、人の負の感情から生まれる『人喰い』という化け物と戦うことになる」お話です。
一年は12か月…ほぼ月イチのペースでイベントが起こるので、イベントシナリオ数はざっと10以上!
それぞれに、けっこう入り組んだダンジョンマップがあるわけですから…
それだけでも凄いと思うでしょ?

そして…このゲームはですね、「登場人物もメッチャ多い!」のです。
何?イベントシナリオ多けりゃ当たり前? 違ーう!パーティキャラが多いんですよ!!
仲間キャラは…最終的にはえーと…主人公含めて20人?
その時期によって入れ替えは若干ありますが、大体5人~10人くらいはぞろぞろ連れ歩いてる感じ。
そしてもちろん、操作キャラだけでなく、他にイベントキャラやNPCキャラも大勢いるわけで~

キャラグラも敵グラもマップチップもエフェクトや音楽も、デフォ素材を全力で使いました!ってくらい凄い種類使っていて、なかなか壮観なゲームでした。
しかし、そのぶんシステムはやたら重いんですけどね…;
作り手さんが、とても楽しんで作ってるな~というワクワク感が伝わってくる、良いゲームだと感じました。
人数は多いけれど、それぞれ個性的なキャラばかりで印象に残りやすいし、主人公の子のツッコミも鋭くて会話が楽しい。
デフォ顔なので、表情の変化がないのだけは、ちょっと惜しいけど…
これ、話に合わせて表情を変えられたら、もっと生き生きした感じになると思うな~


しかし、日本神話ってこんなに神様いたのね…これ誰だっけ?みたいな神様もけっこういたわ…
コヤネくんとフトダマくんはわからなかった…
ちなみにコヤネくんは、性能良くてお気に入りです。
彼は中盤のダンジョンで強い武器が手に入る&デフォが全員攻撃なため、雑魚戦で必須の存在でした。
ワカヒルメちゃんも全員攻撃なんですが、イマイチ攻撃力あがらないのん。


ゲームシステムについては…普通にRPGですね。
あ、難易度設定は、できれば圧勝はやめたほうがいい…。
よほど戦闘苦手か、長時間かかるRPGはムリ!って人でない限り、普通か簡単のほうが楽しいと思います。

圧勝だと、通常戦闘は実行連打で即終わってしまうし、ボスでさえ2ターンくらいで沈めてしまう。
相性も属性も何もあったもんじゃないってゲームになってしまうのよ。
もちろん、キャラを変更する必要もないので、物理の強いメンバーに固定されてしまうから、いろんなキャラと武器のある意味がまるでなくなってしまうし。

まあ…オプションで難易度はいつでも変更できるので、レベ上げやお金稼ぎのときだけ圧勝に変える…というのが無難…?
あ、あとマップで迷ってなかなか出られない時とか便利かも?
中盤のマップはけっこう込み入った作りだったので、なかなか出られないし雑魚は無限沸きするしで、最後は圧勝に変えてクリアしちゃった覚えがw


全体に、シナリオに癖もなく、RPG初心者さんにもお勧めできる長編ゲームでした。
「殺し屋」などと物騒なタイトルですが、内容はあんしんの全年齢。
一つ一つのシナリオも、人の「負の感情」をテーマにしていながら、落としどころはとてもマトモで良い感じにまとまっております。

シナリオ上、何人かの犠牲は出てしまいますが…
基本的に、後味の良い前向きなシナリオですので、ブラックな話が苦手な方もぜひどうぞ~



Angelic Syndrome

2017-10-19 12:17:15 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Angelic Syndrome」
探索ADV・ダークファンタジー
制作者:花房夜空様(花房夜空の活動記録所

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爆発的に世界流行した奇病「翼腕症候群」。
腕に羽が生え、全身に広がり、最終的には精神に異常をきたすこの病は、たった12日間で人類を滅亡寸前まで追い込んだ。
その後、発病した患者を一か所に集め、感染を防ぐことでなんとか平和を取り戻したものの、効果的な治療は見つからないまま、時は流れて…
1800年後のいま、珍しい「白い羽」を持つ少女アンジェルが、隔離施設…通称「鳥籠」へと、足を踏み入れたところから、物語は始まる。


アツマールで先に公開されていたゲームですので、そっちでプレイ済みの方も多いかも?
私もそちらでエンド1とエンド3(かな?)のみ見ておりましたが…その後、DL版も作っていただけたので、改めて再プレイしてみました!
優しい絵柄で描かれる、優しいお兄ちゃんと可愛い少女の組み合わせが、とても可愛らしい一品です。
エンディングは4種…かな?
シナリオ上、必要ない人物やマップはさっくり割愛してある作りなので、次に行く場所やルートには一切悩まずに済むゲームです。
それっぽい選択肢を選んで、要所要所でしっかりセーブしていけば、一番良いエンドを見るのは難しくない…んじゃないかな。

むしろ私の場合、下位エンドを見るのに苦労しましたですよ。
後半、なくしたかと思ったらアッサリ見つかるあのアイテム…あれを持っているかいないかで分岐するらしいんですよね。
で。そのフラグとなる選択肢はかなり前半にあるっぽい。
戻ってプレイするのが面倒ってひとは『それを見つけて渡してくれるアレ』に話しかけずに進むと良いかも。

少々設定的に残酷な部分、そして一部ルートには血みどろな描写もありますが…
主人公のアンジェルがそれらを覆してしまうほど天使な性格だったり、彼女を守るハカナがとても「マトモ」な感覚を持っていたりで、全体の印象はそう陰惨には感じません。
ホラー苦手な人でもきっと大丈夫!!

や、それにしても1800年とは…!スケールの大きい物語ですねぇ…
また「鳥籠」も本来は、とても広く、収容人数の大きい施設のようなので、できればもっとモブや寄り道ルートで「翼腕症候群」にまつわる歴史や人々に関わるエピソードを見たかった気がします。
彼らの中では、ハカナの立ち位置は相当微妙だったはずだし、そこらへんの描写があったら、「友人」であるバーテンの彼の貴重性や性格の良さ…も、もっと伝わる気がする。



最後の塔の上のシーン…
あれ?いない?と一瞬思ったんですが、それこそが演出なんですね。
1800年は…そりゃあ、保たないよな…と思うとともに、そんな状態で縛り付けられていたのか…と、ちょっと気の毒になってしまいましたっす。


一番いいエンドの、最後の桜並木のシーンが非常にキレイ。
ぜひとも、そこを目指して、アンジェルとハカナを導いてあげてくださいな~

ЯPG(アールピージー)

2017-10-12 00:33:42 | フリーゲーム(ファンタジー)
「ЯPG(アールピージー)」
ファンタジーADV・欝系シナリオ
制作者:岸井田 剛様(痛み分け

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「魔王を倒しに行く」と言ったきり、行方知れずになってしまったカイン。
その弟・ケイトは、兄を探すため…そして魔王を倒すため、自分も勇者として旅立ちます。
幼馴染のニーナや弓使いのニコ、魔法使いのレイヴン、剣士のハオの協力を得て、ついに魔王の城の近くの街へたどり着いたケイトは、果たして魔王を倒し、生きて戻れるのでしょうか…


とりあえず、バージョン1.0で、4人分のトゥルーとバッドを回収しましたー。
初期バージョンでは、エンディングの判定にちょっとバグがあったものの、最新バージョンでは修正されているようです。

さてさて、本ゲーム、作者様コメントにも書かれているように、やや欝設定。
タイトルと「勇者が魔王を倒す」という、まさしくRPG的な設定にも関わらず、救いのない感じの展開が多く、人を選ぶシナリオとなっております。
…ま、うちを覗きにきてくれる人なら、ほぼ大丈夫なレベルだと思うんだけど。
目の前で罪もない人がいきなり死ぬ、みたいなシーンがあるので、苦手な人は注意ですぞ。

ただ、残酷展開もアリとは言いながら、キャラ同士はみんな仲良く和気あいあいと会話するし、トゥルーエンドはそれぞれ、未来を感じるいい話にまとまってるので、それほど闇深いわけでもない…?
まあ、個人的にはバッドもなかなか存在感のあるエンドで、好きでしたけど。
惜しいことに、バッドエンドは、スチルが入らないんですよね。
ニコのバッドとか、ぜひとも絵入りで見たかったぁ。

基本は、狙ったキャラと一緒に過ごして会話して、そこからトゥルーエンドとバッドに分岐する、恋愛ゲーと同じ方式です。
選択肢は…たぶん、見れば、どっちを選べばいいかはわかるんじゃないかな。
問題はむしろ、最後の魔王城の選択肢…「助ける/助けない」と「何を大事に思い何を捨てるか」だと思います。
これは一度エンディングを迎えるとオープンされるおまけ部屋で、ヒントを出してくれますよ!
(ただし…1.0は一部間違いがありました。ニコの正解は「金」ではなく「夢」でしたのでよろしく)

ニーナ・ルートは、おそらく、一番「真エンド」に近いと思われるエンドでした。
ある意味、このゲームの世界の根底に関わる人物。
最初から、何かこう…胡散臭い言動が目立つと思っていたんですが、ルートに入ると、その理由が開かされます。
このゲームの中では、元凶にして、一番の悲劇の人。

ニコ・ルートは、バッドが印象に残りました。
一応、相手は選んでいるようなので…見ようによってはグッドエンド?にも感じるバッドエンド。
こんな存在なら、退治する必要なさそう。皆に感謝もされそう。
いずれはそれが、魔王の「負」を拭い去る日が来るかもしれない。

レイヴン・ルートは、義兄弟ルートですねぇ。
いつもケイトを見ていて「そこ危ない」とか世話を焼くお兄ちゃん。
まー…失った人の代わり、なのだろうけど。
ちょっとケイトを好きすぎて危ない感じがなくもない??

ハオ・ルートのトゥルーは唯一の大団円エンド。
とはいえ、オマケ部屋の情報によると、誰も死なずに終わるってわけではないようですが。
主人公同様、「闇」を持たない唯一のキャラです。ただ、それが災いして、バッドでは心折れてしまいますが…

4人それぞれ、面白いシナリオ&エンディングでした。しかし!個人的にはここにもう一つ…
誰のルートにも入らない、第五のルートで、カインを出して欲しかった…
作中やおまけ部屋では、カインの持っていた闇もチラチラ出てきていたので、何か勿体ないなって。
ニーナにしてもニコにしても、ケイトに家族や仲間みたいな気持ちで接していて、恋愛はほぼ絡まない物語なんですが、カインだけはちょっと違ってるんですよね。
闇落ちした彼とニーナ、ケイトの会話を、ちょっと見てみたかった…



えーと、あとは…そう、基本は探索ゲーなんですが、何カ所か逃げイベが入ってるんですよね。
敵の足が速いので、基本、逃げまくっても引き離せません。むしろ徐々に距離を詰められてアウト。
なので、重要なのは「スタートダッシュ」と「嵌め」です。

敵は最短距離でこちらを追ってきますので、地形の凹凸に引っ掛けて嵌めることが可能です。
ただ、そのためには、ある程度距離があることが不可欠なので…とにかく、イベントと同時に素早くダッシュしていきましょう。

トゥルーエンドのルートでは、必ず、最後に魔王との逃げイベが入るんですが…距離も長く曲がり角も多い道なので、ここはマトモに逃げるとけっこう大変。
最初にある程度距離を取れると、途中で勝手に別な道に嵌ってくれるので、かなり楽になると思いますよ。


あとハマりそうなとこあったかな…んー…
遊びたいあの子は、前もって外のマップをすみずみまで調べないと、生き延びるための選択肢が出てこない。
ネズミのパスワードは、正解不正解に関わらず、3回チャレンジすれば開く(ver1.0の場合)
勇者の名前の刻まれた石碑は4つ全部調べること…
クリスタルの階は、勇者の像を調べたときにニーナが大丈夫って言ってくれると、さいごのカギが手に入るフラグ…
トゥルーエンドは長いイベントのあと、ノンセーブで逃げイベ入りますので、事前セーブを忘れずに。
…ってとこですかね。


共通部分が多いので、4人全員分コンプしようと思うと多少作業感はありますが…
一度クリアして手順がわかってさえいれば、一周20分くらいで回れます。
絶望耐性のある方に、特におすすめですー











てっきり、最後のあの金髪…お兄ちゃんなのかと思ってました。
いつ「コロシテ…コロシテ…」って言うかと身構えてたりw
(でも、顔が同じだったら、あれだけガチで相対して弟が気付かないわけないっか…)

正義の血液

2017-10-08 23:05:24 | フリーゲーム(ファンタジー)
「正義の血液」
ファンタジーRPG・特殊戦闘システム・魔王を復活させよう
制作者:露木佑太郎様(現在進行形

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魔王が勇者によって封印されてから15年。
魔王による魔力の供給がなくなったため魔族は弱体化し、魔物も新たに生まれることはなくなった。
そんな平和な世界のとある村で、貧しい村の生活を救うため「なんでも願いをかなえてくれる儀式」の生贄に選ばれた少女リアーナ。
たまたま村を訪れていた旅人のアルヴァはそのための護衛を頼まれ、リアーナとともに、儀式の場所である遺跡へと向かうことになった。


このゲームは、キャラグラが良いですね~
立ち絵だけでなく、戦闘時のキャラグラフィックが細やかに作られていて好き。
敵キャラのポーズがいちいちカッコいい!
主人公のアルヴァとリアーナも、ナイス身長差!

シナリオも、話が二転三転して飽きさせず、先に進むとキャラのギャップが見えてくるのがいいですねー。
チャラくていい加減そうに見えるアルヴァが、実はかなりの真面目キャラだったり、リアーナが全然か弱くない…むしろ気の強い女の子だったり、意外性がありました。

ただ、全体的に、ちょいと動作は重いかな?
うちのパソだと、会話飛ばしにエンター連打してると、いきなりフリーズしたりする…
私同様、低スペ機をお使いの皆様はお気をつけくださいまし。


さてさて、あとは戦闘について。

このゲーム、RPGではあるんですが、戦闘システムがちょっと特殊な感じになってます。
HPとTP…はいいとして。問題はSP。
多くの場合は、魔法を使うときの魔力ポイントとして扱われる数値ですが、このゲームでは違います。
魔法自体は、ポイント関係なく、無制限にいくらでも使えるんですよ。
ただ、このSPの値がある程度溜まると、その威力があがるっていう…そういう数値。

ちなみに、SPは「斬撃属性」でダメージを受けた時のみ上がります。
この世界は「血」に不思議な力があるとされているため、斬られて血を流すことで魔力がアップ↑↑するのです。これは敵の攻撃だけでなく、自分で自分を攻撃してもOK。
つまり一言で言えば、斬撃を食らうほど、敵に与える魔法ダメージが多くなる…ってことですね。

ただし!このSPポイント、ちょっとした難点がありまして…
それは「アイテム・魔法に関わらず、回復すると下がってしまう」ということ。
戦闘中、HPは、ウカツに回復できません。
とはいえ~死んでしまうとモトもコもないので…いつどのタイミングで、何を使って回復するかを、常にプレイヤーは駆け引きしつつ戦うことになるわけですー。

ちなみに、魔法で回復するより、アイテムのほうが下げ幅が少なかったり。
冒頭で村人に「アイテムもうまく使うのよ!」とダメ押しされるのはそのためです。
話が進むと、SPを下げずにHPを回復できる場所がみつかります(←有料・高い)ので、それまでは頑張りましょう。

(一応、敵の強さを上げない限りは、SPなど一切溜めない強化ナシの魔法でも、ちゃんとエンディングまで行けますので…そこまで必死にSPを維持する必要はないのですけどね)


エンドは二種。トゥルーとノーマル。
トゥルーを見るためには、シナリオに直で関係ないところにもどんどん寄り道すること。
ちょっぴり鈍感なアルヴァと、見た目よりずっと大人でしっかりもののリアーナちゃんに癒されたい方は、ぜひプレイしてみてくださいね~


夏のあかり

2017-10-03 00:21:56 | フリーゲーム(ファンタジー)
「夏のあかり」
和風探索ADV・●●と幼女
制作者:まれっふぃ様(夏のあかり・公式サイト

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ネリーと人形の町の作者さんですね~
今回はがらりと印象を変えて、純和風な雰囲気!
とある半妖が、とある場所で、とある願いをかなえるため、夜が明けるまでがんばるゲームです。
建物に入ってくる妖を撃退したり、迷い込んでくる人間を追い払ったり守ったり。
果たして、そうまでして彼が叶えたい願いとは、なんなのでしょうか…?


今回も、キャラが可愛くて魅力的でした~
ネリーに出てきたティルムもそうでしたけど、この方の作る男性キャラはいつも本当に優しくて、無限の包容力があるんだわぁ。
しかも、そんな男性キャラにプラスして、さらに超かわいい幼女まで出てくるとあっては…!
もはや私に萌え死ねといわんばかり…!

すごく可愛いものとか、優しいもの、いとしいものを見た時に、何かぎゅっと胸が痛くなるような気持になることって、無いですか?
とても大事で、愛しくて愛しくて、泣きたくなるような…プレイしていて、そんな想いを感じてしまうゲームでした。

…まあ、そこに過剰反応してしまうのは、おそらく私自身が、照吉くんと同じように護りたいものがある…そういう立ち位置であるせい…だとは思うけど。
おそらく同じような世代&立場の方は、きっとこういうシナリオにヨワイと思うなぁ…


基本のゲームシステムは探索&謎解き、そしてちょびっとアクション。
実は、夜明けを無事に迎える「だけ」ならば…わりと簡単め…な気が?

なので、ゲームに慣れた人ほど、気づきづらいと思うのですが…
ある程度話が進んでからゲームオーバーになると「ヒントONモード」が選べるようになりますよ~

このモード、ただ謎解きのヒントをくれる、ってだけの機能ではなく…
使うとゲームの印象がまるっきり、がらっと変わってしまうので、謎解き得意でヒントなんか不要!なプレイヤーさんであっても、ぜひとも一度は使ってプレイしてみることをお勧めします。
こちらは、シナリオの種明かしルート?というか…この物語を、より深く知ることができるモードなんですよね。

ちなみに、トゥルーエンド?に行くには、若干見つけづらいフラグやアイテムがありますので、もし詰まった場合は、公式サイトへ! 作者様が攻略を出してくれてます。


プレイしていて、ほんわか優しい気持ちになれるゲームでした。
日常に潤いの足りない皆さま、このゲームでオバケと幼女の絆に癒されちゃってくださいな。


さよならモガリ

2017-10-01 11:49:31 | フリーゲーム(ファンタジー)
さよならモガリ
アツマール・探索ADV・悼んで弔う物語
制作者:トバリリアム様(トバリリアム

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昔馴染みのグレゴールに頼まれて「モガリ送り」という儀式の手伝いをするため、故郷に戻ってきたヴィル。
悲しみに沈むグレゴールの傍には、今回の「モガリ」である女性…イースが立っていた。
かつて3人で過ごし、思い出にあふれた懐かしい建物の中。
イースと語り合いながら、ヴィルは儀式に必要なアイテムを集め始める。

というわけで「トバリドトキシンRE」の作者様の新作です。
そちらと同じキャラが出てきますが、作者様のお話では、続編や前後作ではなくスピンオフに近い…とのことですね。
とはいえ、設定になんとなーく繋がりも感じられるので、ドトキシンをプレイした方には、いろいろ通じる部分があるんじゃないでしょーか。

全篇に流れる、静かで美しい音楽が印象的。
「ドトキシン」では謎の多かったイースとグレゴールの関係に焦点を合わせて、なんとも悲哀に満ちた独特の世界観を魅せてくれました。
世界中をふらりと旅して歩き、時折きまぐれにやってくるイースと、何も言わずにそれを受け入れていたグレゴール。
気が合わずに喧嘩ばかりしていたという二人の絆がどんなものであったのかが、探索していく中で少しづつ見えていきます。

登場人物の表情付けが、とても細やかで魅力的です。
特にイースの表情はそのときのシーンに合わせて、眉を寄せたり、目を伏せたり逸らしたり、微妙で良い感じ。
こういう顔グラの、目もとの表情って大事ですね~
口だけで笑ったり怒ったりしても目が見開いたままだったりすると、ちょっと人形感がある、というか…
目元動かしてくれると、途端に人間っぽく見えてくる。


シナリオの流れとしては、大きく3章構成。
まず「モガリ送り」をする。そのあと、イースの薬箱を整える。そのあとが最終章。
その途中途中で、条件を満たすと各エンディングが見られます。
ただ、エンディングを見たからといってゲームがそこで終わるわけではない、という、ちょっと変わった作り。
あっ、エンディングだ…と思った次の瞬間、その直前・あるいは直後から再スタートするので、プレイしててアレ?と一瞬思うかも。

「ドトキシン」もそうでしたが、相変わらず、特殊な構成のゲームを作られる方ですねぇ…
たくさんの制作者さんによって多くのゲームが作られ、流れの中である程度の「型」が決まってくる中で、こういう、ちょっとだけ違うタイプのものが出てくると、目を惹きますな。

フラグとして必要なアイテムはそう多くなく、探す時の難易度も高くない。
ですが、慌てずゆっくりプレイすることをお勧めします。
探索することでイースやグレゴールの会話が変わったり、ちょっとしたイベントが起こったり。
イースとグレゴールがお互いに贈りあったプレゼントの話は、フラグに手間がかかるぶん、見つけた時嬉しかったです。

また「ドトキシン」でもプレイヤーを翻弄しまくった「隠し通路」は、今回も健在!
あちこちに、ちょこちょこありますので、しっかり探索しましょう!

ちなみに、今回は「トバリ」に関する情報は少なく、いろいろ匂わされて終わる部分がありますが…
これは、下手に語ると「ドトキシン」のネタバレになっちゃうせい…かな?
もしもプレイして「?」となった方は、ぜひ、ドトキシンREもプレイすることをお勧めです。

鍵やキーアイテムは、拾えるものもありますが「マナの結晶」から創り出すこともできます。
マナの結晶は、探索で見つけられる「思い出の品物」や井戸水や灰や石や花などを精製します。
…過去を整理するかのように「思い出」を全てマナに変えて、いま必要な、別なものを創り出していく。なかなかに象徴的ですな。

ちなみに、井戸水や灰、ワイン、指輪、鍾乳石…マナの花、などは一定時間?経つと再び採集できるので、時間さえかければ「思い出の品」を失くさずにクリアすることも、一応可能…かもしれない?
本で神経衰弱すると貰えるアイテムも、何度もやれば繰り返しもらえます。
あと、川の中にある石碑は調べられたり。


本当に探索すべきはアイテムではなく、そこに残された、数々の思い出そのもの。
積み重ねてきた時間を一つ一つ確かめながら、「モガリ」を悼み送ってあげてください。

雰囲気良くておすすめですよ~