鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

シロクロデロ

2018-03-16 00:00:51 | フリーゲーム(ファンタジー)
シロクロデロ
探索ADV・短編・アツマール
制作者:珈琲様

=====================

何者かに追われて、夜の書店に逃げ込んだ主人公。
闇の中、滑って転んだ拍子に頭を打ち、一時的な記憶喪失になってしまいます。
何がなんだかわかりませんが、とりあえずはこの暗闇の書店から脱出するべく、いろいろ探索することに…
果たして主人公は一体何者で、一体だれに、なぜ追われているのでしょうか…?


ホラーでもなんでもない、現代もののADVなんですが…ジャンルに迷ってファンタジーにしてみました。
どこがファンタジーって…えっと、一部の登場人物の、見た目…??w
まあ、プレイしていただければわかります。すごく可愛いから!!

グラフィックはキャラ・マップともシンプルなデザイン。
けれど丁寧に、綺麗にまとまっていて、粗さはまったくありません。
懐中電灯での探索とあって、終始、主人公の周囲の、ごく狭い範囲だけしか見えない状態なのもイイ。
良い意味で『必要ない部分を全て削ぎ落した』感のあるゲームでした。

前半の探索パートと、最後の方の萌えパート(?)のメリハリもいい感じ。
過去の記憶の中で、ずっと不愛想なやりとりをしていたあの人の顔が見えたときは、あまりの意外性に顔がニヤけてしまいました!
一体主人公ちゃんがなぜ追われていたのか…は最後にわかりますが、まだまだシナリオには謎が残りっぱなし。どうやら続編が予定されているようなので、そちらを期待しつつ待機中です。
次はまだかなあ…わくわく。


サックリ終われる短編で、画面の暗さのわりに怖いところがまるでないゲームなので、初心者さんも、ホラー苦手な人でも大丈夫!おすすめですよー

XSHIEL

2018-03-08 21:32:19 | フリーゲーム(ファンタジー)
「XSHIEL」
ダンジョン探索RPG・グラフィックがかっこいい!
制作者:キャンサー様(Twitter

===============

ウィザードリイとか、初期のウルティマとかを彷彿とさせる、何かすごく懐かしーい感じのダンジョン探索RPGです。

ダンジョンそのものは、黒一色の線画のシンプルな作りですが、そこに浮かび上がるモンスターグラフィックが妖しくも美しくて魅力的!
全員が女性体で、アメリカンコミックに出てきそうなセクシーな異形ばかりなので、新しいモンスターが出てくるたびに『おおっ♪』ってじっくり眺めちゃう。
このグラフィック見たさに最後までプレイしたと言っても過言ではない!w

いやぁ。どうしてこのゲーム図鑑機能がないんだろうなぁ…
出てきた敵全部、あとからじっくり図鑑で見たいお!
(ついでにアナライズ機能も欲しい…ステとパラがめっちゃ知りたい…;)

ダンジョンで手に入る武器も多彩で、様々な性能や「効果」がついたものをどんどん捨てたり入れ替えたりしながら先に進んでいく感じが面白かった~
なにしろ、手持ちのアイテムは、たった九つ。
このテのゲームでおなじみの『装備』は、このゲームには存在しません。
回復も魔法も剣も、ステ防御アイテムも、みんなこの9つのスロット内でやりくりしていく仕様。
敵を倒せば必ず宝箱が出現し、中からはアイテムがどんどこ山ほど手に入る。
もったいないと思っても、これは取っておきたいと思っても、常に取捨選択を強いられることになるわけです。

個人的には中盤以降で手に入る「殺すほど強化される」効果の武器がお勧め!
これ「その武器で殺した数」ではなく「プレイヤーが今まで殺してきた数」でカウントしているらしく…手に入れたその時から200~400くらいのダメージがバンバン入るので、非常に爽快。
私の場合、ラスボスもコレで、たった数ターンで倒せました!!

また、時々手に入る「伝説の武器」の中には、100越えで制限なしで使えるタイプのものがあります。
雑魚狩りに便利なので手に入ったら大事にしましょう。
セーブはこまめに…くれぐれも「シャッフル」(すべての持ち物が入れ替えられてしまうイベント)で失くさぬよう気を付けて!


というわけで、私的には、十分すぎるほど楽しませていただいたゲームなのですが。
実のところ、ゲームシステムとしては、もう少し…という部分も多々あった…のですよね。

これでもプレイできなくはないけれど、もう少し細かいところがなんとかなったら…と、プレイしながら、とても惜しい気分になってしまいました。
アイテムは全て戦闘中しか使えないこと…(回復アイテムくらいは移動中に使わせてほしい)…とか。
街の店で売ってるものは弱すぎてお金の使い道がないな、とか(重要なのはベッドと聖霊石のみ)
ラスボス倒して街に戻っても、セリフも状況も全く変わってないのが寂しい、とか…
(このテのあっさりしたエンドは海外のダンジョンものにありがちだけど…エンドロールの後の街で、倒したことが『なかったこと』になってしまっているのがなんともはや;せめてお城でねぎらいの言葉が欲しいよう;)
あと、前述の「図鑑機能」とか…あったら本気で嬉しい。
ゲーマーという人種は、これをコンプしたさにやる気度が二倍にも三倍にもアップするのです(←w)

とはいえ、そういった部分は、バグでもなんでもない、あくまでも『仕様』の部分なので…
希望要望は言えても、べつにそれを絶対直すべきっ、てほどのことでもないのですが。
プレイしていて、それ以上に気になったのは…全体的な「重さ」です。

…正直このへんは、うちの環境の問題も大きいと思うので、スペックの良いパソなら気にならないのかもしれませんが…とにかく反応が悪かった。
向きを変えるにしても、歩くにしても、メッセージを送るにしても、クリック一回じゃ反応しない。
何回もカチカチカチカチクリックしてるうちに、やっと動いてくれるって感じ。
これだけは、本当に参りました…;
本来なら瞬殺できる敵にも、戦闘で数分かかる。
システム上のプレイ時間は、クリアまで一時間チョイですが…実際にかけた時間は5~6時間はかかっているはず…
この点だけは…もう少しなんとかなったほうが…良いのじゃないかと…思いました…orz


けれど、それでも、気が付けば、最後までプレイしてしまっているという…;
一体何の魅了効果が働いたのか…ある意味恐ろしいゲームだと思います(←w)

その魅力を知りたくなった方は、ぜひともプレイしてみてくださいませ。
画像で、あっこういうグラ好き!と思った方には、とくにおすすめ!

雨水のあはれ

2018-03-01 18:12:49 | フリーゲーム(ファンタジー)
「雨水のあはれ」
探索ADV・和風・美麗マップ
制作者:あきら様(ほーむorあうぇい

====================

カラスのゲームをDLしたあと、独特の雰囲気が気になって過去作を掘り返してみました。
レディとメイドと同じ作者様だったんだ!! 全然雰囲気が違ってわかりませんでした…;
ついでに、ソラドウトもこの方だったと初めて知りましたが、こちらは作品のカラーが同じなので納得です。

さて、雨水のあはれ。
これはとある沼で起きた出来事を、4人の登場人物の視点からそれぞれプレイする話です。
何が起きているかはハッキリとは語られないので、それぞれの登場人物の言葉や、会話…動物たちの話、そして時折挟まれる記憶?を頼りに、推測していくしかありません。

雨に煙る、薄闇色の沼の風景。
ぼんやりと灯る灯り、画面にたちのぼる水の気配。
肌にまつわる湿度すら感じられそうな、良いマップでした。


4人のキャラクターは、同一のマップをそれぞれが探索していくのですが、キャラによって、水の中しか歩けなかったり、動物の言葉を解したり解せなかったり、人間の文字を解読できたりできなかったり、という特徴があり、それらは、彼らの正体…彼らが何者であるか、に由来しています。

姫と狐面の二名に関しては、モロに相手の正体を名前呼びするので、ああここのヌシなんだな、とすぐわかるんですが…その眷属である二人は何者なのかは、ボンヤリしたまま終わるのが、なんともいえない余韻を残すんですよね~

学生服の青年はヨシと呼ばれる女性のことを知っているようですし…
かたや水に棲み、かたや陸を歩く存在でありながら、二人とも人の文字を読むことができる。
付記に書かれた「四野見」の物語は…果たして誰を示しているのでしょう。
また、狐面の男編のオープニングで語られた、水底に沈む母子は一体?

どういうことなのか知りたいと、読み込めば読み込むほどによくわからなくなる、逃げ水のようなシナリオでした。
付記に、元ネタになった…と思われる物語の断片がありますが…「塩焼き文正」を読んでみても、あんまり、理解の助けにはならなかった…いくつかの物語を混ぜて練り直しているのかなぁ。

ともかく、マップの雰囲気によくあった、ミステリアスなゲームで…すごく雰囲気が良くて好きでした。
サックリプレイできるので、気になった方はどうぞ!


また、これが気に入った方は、同じ雰囲気の洋風謎解きゲーム「ソラドウト」もおすすめです!






沼の主と社の神との戦いの末…結局、芳子と青年は、その後どうなったのでしょうね…

 

オーダーメイド! ユーリカ村の仕立屋物語

2018-02-23 13:42:35 | フリーゲーム(ファンタジー)
「オーダーメイド! ユーリカ村の仕立屋物語」
ダンジョン探索ADV・お店ゲー
制作者:どらお様(ゆらゆらドット。

=================

Ver1.1でプレイ・ラストダンジョンは未クリアです。
なんとかLV50まで上げたけど、それでも雑魚に苦戦する…!

今見たらその後もバージョン上がってるようなので、もしかしたら内容に修正済&調整済案件があるかもしれませんがご容赦ください;
時間のかかるゲームだけに…さすがに、今DLしなおして全て検証しなおすのは許して…orz

えーと、まずざっくりあらすじを紹介すると、「ユーリカ村」で仕立て屋を営む少女イリスが、ダンジョンで材料を集め、いろんな経験からアイディアを閃いて、素敵なお洋服を作って売るゲームです。
日々おしゃれを磨き、素敵な服を仕立て、そして3か月後に開かれるベストドレッサーコンテストで、みごと優勝を勝ち取りましょう。

たった3か月…されど3か月。
その間に、材料を集めて服を作って、ひらめき集めのために本を読んだり、バイトをしたり。
一緒に冒険してくれる仲間たちとの絆を深めたり…などなど、やることがたくさんあって、内容の濃いゲームでした!
しかも、一日に一度しか挑戦できないイベントもあり、毎日コツコツ積み上げるのは意外に大変で…
めいっぱい、堪能させていただきましたよー。

ゲーム開始時は、服を売ろうにも材料はないし、材料を買おうとしてもお金はないし、材料集めは一日にほぼ一か所しか行けなくて、しかも最初は弱くてMP少ないので、すぐ回復できなくなり、ほぼほぼセーブしながら「逃げる」に徹するという…地味~な作業になりまする。
こんなので間に合うの?と不安になるかもしれませんが、ある程度レベルがあがってくると、ダンジョンの敵のお金が多くなったり、高く売れる服を作れるようになったりするので、楽になりますよ!

お洋服のデザイン、イリスちゃんが着替えるたびにきちんとホコグラも変わってくれるのが嬉しいですね。
このお洋服、微妙にステータスにも影響するので、できれば他の3人にも着せたかった!
キーファにはぜひとも、肉襦袢を着せたい!! 

ゲームクリア…コンテストの優勝そのものは、さほど条件難しくなさそうで、十二月前半にオシャレ度150くらいで時間飛ばしてみても、ちゃんと優勝できました。
一緒に冒険するキャラと仲良くなると、コンテストのときに身に着けられるアイテムが手に入り、そのどれを選ぶかでエンディング後のエピソードが変わります。

ほかに、ゲーム中には、レシピブックや実績確認という、イベント・アイテム図鑑があるのですが、こちらを全て埋めようと思うと…なかなか難易度高いかも。
私の場合、ひらめきが揃いませんでした…コインがどこにあるのかわからないのよぅ;
てか、1枚目コインの入手条件「ぬいぐるみ20回?調べる」とか、絶対ノーヒントじゃわからないと思うんだ!
…占い師さんには、ぜひともひらめきの場所だけではなく!コインの場所も占ってほしい!と切に思います。

また、バイトの「上級コース」のクリアでもコインが手に入るんですが…
村のレストランの上級コースはオニすぎでした。
端の皿から端の皿まで1秒で到達して決定しろってどういうことなの;
ニブイ私には無理…無理です…「おそい!」と叱られっぱなしです。
ここはクリアできる気がしない…;


えーと、あとは戦闘システムについて~

戦闘は、常に一定のダメージは食らう仕様…のような気がします。
いくらレベルがあがっても装備を整えても、チマチマと少量のダメージを食らう。
「全体魔法」がないうえに、敵も4体とか6体とか並んで出たりするので無傷で戦闘を終えることはほぼなく、イリスの全体回復魔法は超必須!
話が進んでも、戦闘にかかる手間も時間も変わらない&雑魚を蹴散らす爽快感がない、ので…正直、最後の方は戦闘するのに飽きるかな…
なので、ごめんなさい、隠しダンジョンはまだクリアしてません。
もしかしたらレベル60くらいになれば、ダンジョンの雑魚は楽に倒せるようになるのかも?

あ、そうそう。
主人公のレベルか、物語の進度かタイミングがわかりませんが、フィールドの雑魚は段階的にレベルアップして強くなってしまいます。
材料&魔石集めは、楽な時にできるだけ粘って手に入れておいた方がいいかもしれないっすね…
特に魔石はドロ率があまりよくないので、必要な個数が多くなってくる後半は、集めるの大変ですよ。


いろんなやりこみ要素がたくさんあって、プレイしがいのあるゲームでした!
おすすめですよ~










メダルを集めて入れる場所でひらめく、5つのお洋服のひらめき……
これはデザインのヒントを貰うというより、見たそのまんまでは…?^^;とか思ってしまった;
教科書を見て制服を閃くとか、ブーケを見てドレスを閃くとか、何か別アイテムを見て思いつく…って感じにしたら、もっとよかったんじゃないかなぁ

僧房のカンタレラ

2018-02-15 10:15:44 | フリーゲーム(ファンタジー)
「僧房のカンタレラ」
探索ADV・からあゲー
制作者:おばけ様(おばけやしき

===================

美麗マップに定評のある作者様ですー。
今回は中世の僧院を舞台に、ゴシックダークな世界を創ってくれました!

「血が増える病気」で瀉血しないと死んでしまう修道士と、
人の血を吸わなければどんどん体力が減ってしまう吸血鬼。
いろいろワケアリな二人は、果たして、無事にこの僧院から出られるのでしょうか…

歩くたびに減る吸血鬼の体力に気を配り、血を与えつつ探索していきます。
血をあげると修道士の体力が100減ってしまうので、2回与えたら好物の「ザンギ」(!?)で回復!
回復アイテムのザンギは僧院のあちこちで拾える(←w)ので、よほどウロウロしすぎない限り、足りないことはないんじゃないかと…
アイテム・イベントなどのポイントには、基本目印がついていますが、一部、近くにいかないと出てこないものもあるので、探索はしっかりと~

えっ?…ザンギって何? って? 
一言で言えば、下味つきのから揚げでございます。
下味の付け方には決まりがないので、その家や店によって全然味が違って美味しいですよん。


探索していくうちに、この僧院で行われていたことや、吸血鬼の身の上が、うっすらと見えてきます。
そして、主人公である修道士の目的も…
しかし、普通にシリアスなゲームに、からあげ要素をいきなりぶちこんだ!…みたいに見えるのに、全く不自然さがなく纏まっているのがすごいw
修道士と吸血鬼の会話も適度にゆる~くて、荘厳なマップやシリアスな設定とのギャップが面白いっす。

エンドは探索度合いと、とある選択肢によって分岐。
あと、バッドがいくつかありますが…ゲームそのものの難易度は高くないので、故意に見ようとしないと見られないんじゃないかな。


エンディングを迎えたものの、二人のその後は一体どうなるのか…
あっさり終われる短編ながら、余韻の残るゲームになっております。
おすすめですよ~






最近、やたら唐揚げの出てくるゲームが上がってきてますけど、どこかで企画やってるんでしょうか…
プレイするたびに食べたくなって、ちょっとした飯テロだと思います…
唐揚げ買ってこようかな…

ポポポレスト

2018-02-09 12:04:21 | フリーゲーム(ファンタジー)
「ポポポレスト」
探索RPG・エルフの少女と森をお散歩
制作者:とりあか様(エトリエ

====================

…あれ?この絵?この敵キャラ?あれ? 
と思ったら、何人かの方と協力して作られたゲームだったんですね。
なるほど…ポポポレスト…なるほど…


えー、ざっくり言うと、とある森に入り込んだ青年が、そこに住むエルフの少女の道案内を受けるゲームです。
とにかくエルフのアリュちゃんが、かーわーいーいー!!
胸に目が行くグラフィックの魅力だけでなくてね、この子、話す会話の内容が、凄く可愛いのですよ!

道中で、ひたすらひたすら話しかけると、少しづつ仲良くなってきて、最初は許してくれなかった膝枕をさせてくれるようになったり「どこに触ってもいいですよ…あなたなら♡」みたいな言葉も出始めたり。
プレイしてて、(〃д〃)きゃ~♪ って気分になるゲームw

最後のアリュちゃんのお着換えした姿がすごく綺麗なので、ぜひぜひたくさん話しかけて、仲良くなってください!

おすすめですよー

Alteradio -オルタラジオ-

2018-02-07 00:00:44 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Alteradio -オルタラジオ-」
アクションADV・カレッジラジオ
制作者:Achamoth様(Achamoth Potal

===================

ロック音楽をテーマにした作品群でおなじみの作者様です。
いつも作品を通して、音楽ジャンルに関する独特の世界を垣間見せてくれるので、すごく楽しみなんですよね。
プレイしながら「…へぇ…ほぉ…」と唸りつつ、裏画面で関連用語を検索したりするのででいつもプレイにすごく時間がかかりますが←w 雑学ヲタクの私にとっては、まだ知らない世界について知識を得るのは、とても楽しいことなので…って楽しむポイントが違うか?


さて、今回は、オルタナティブ・ロックと天女と仏教思想と大学生とメディアと悪魔のコンフュージョン?
またずいぶんと面白い組み合わせの世界観だなぁと思って進めていったら、とあるロックバンドの名前が出てきて、なるほど!と思いました。
それで涅槃か…好きな人はもう熱狂的に好きだよね。このバンド。

しかしまぁ…時代的に、ちょうど彼らが旬なころ、私も同世代だったわけですが。
このころ「若者扱い」でオジサンオバサンを馬鹿にしていた輩も、今や立派な中年世代。
まこと、この世は諸行無常でございますな。
…ロックスターは自殺や短命な人が多くて、そのために「伝説」の存在になったりするけれど…それはある意味、必然なのかもしれないねぇ…


天界に住む天女の一人・瑠璃は、ある日、いきなり何者かの声を聴いて倒れてしまった。
「師匠」と呼ばれる天界の仏は、瑠璃には天女の寿命…天人五衰が訪れたのだと告げる。
同じく五衰を迎えた天女・紅緒に、このまま死を迎えれば、畜生道に堕ちて何もわからない動物に転生してしまうが、修行をすれば人間として生まれ変わることができる、と教えられた瑠璃は、「三毒」と呼ばれる場所で「十二因縁」を集める修行をすることにした。
一つ因縁を探すごとに映し出されるのは、地上に生きる、とある青年の物語。
彼の姿は、果たして瑠璃の心に何を呼び起こすのか。


というわけで、物語は天女・瑠璃と、アメリカの大学生・スティーブの視点を行き来して進んでいきます。
瑠璃は「三毒(トリヴィシャ)」で餓鬼を倒しながら十二因縁を探し、見つかった十二因縁を「師匠」に渡すことでスティーブのエピソードを見られます。

スティーブはシアトルの大学生。カレッジラジオに憧れ、大学に入ったら絶対に自分も活動すると決めたものの…目当てのサークルは、部員もヲタクのジョルジュ一人しかおらず、事実上の休止状態。
自分がこのラジオを復活させるのだと決心したスティーブは、DJとして大学の問題児・クリスをヘッドハントし、ジョルジュを含め3人で再び、カレッジラジオを再開します。

…思えば子供のころ、やたらと放送部が人気だったり、深夜のラジオ番組をみんなで聴いて曲をチェックするのが流行りだったりしたのは、このへんの流れを組んでのことだったのかなぁ…


グラフィックは相変わらずオシャレで、遊び心のあるセンスが素敵。
泉の代わりにテレビに乗った仏とか、発想がスゴイよね。
個人的には、三毒のボスキャラのデザインが凄い好きでした。特に手がいっぱい出てくる奴。
あと、河童の姿の敵の名前が「遠野」っていうのはちょっと笑った。

アクション要素は、ごくごく簡単。
装備した黒と白との花珠に合わせて、対極の色の餓鬼に体当たりする、だけです。
素早く次々と倒していくと、連続コンボで良いアイテムが手に入るのでがんばりませう。
ただし相手もチョロチョロ動き回るので、色を意識してタイミングよく当たろうと思うと案外難しいかも。



音楽とサブカルのジャンルの差はあれど、インディーズバンドとカレッジラジオの関係は、今の同人界隈とネットメディアの関係に近い気がしなくもないですね…
それこそフリゲだって、実況や動画をきっかけにブレイクすることも多いですし。また、逆に、それによって潰されてしまう人も…多い、よね。

最初は、ただ好きなものを創ることで満足していたはずなのに、なまじ成功してしまったがために、周囲の声に気を取られて、自分を見失って苦しくなっていってしまうっていうのも…何かわかる気はする。
最初は「自分のため」に作っていたのものが、不特定多数の誰かのため、になっちゃうと、いきなり迷走してしまう感じ…あるある。

スティーブ達やバンドボーカルの彼の個人的な苦悩と、それより大きな「ロック」という音楽ジャンルの変遷の歴史と。ミクロとマクロの視点から同時に語られる物語は、いろいろ感慨深いものがありました。

ロックファンだけでなく、多くの人にプレイしてほしいゲームでした。
おすすめですよ~


サイレントフィリア

2018-02-03 09:06:55 | フリーゲーム(ファンタジー)
「サイレントフィリア」
宝探しADV・両想いのすれ違い
制作者:栄崎様(箱庭のイデア) 専用プラグイン制作:すけ様

====================

ハコイリ様や白のキョウメイ、エインルートの作者様です。
相変わらず、グラフィックがとても可愛い。
淡めのマイルド&カラフルな色使いと、丸みを帯びたマップチップも雰囲気良いな~
シナリオは(いつもどおり?)ややダークめではあるのですが、今作はなんとも初々しい恋物語も絡んで、とても心温まる仕上がり!
キャラクターもそれぞれが立っていて、短いながらも、心に残る良作品でした。


見知らぬ屋敷で目を覚ましたクラード。
周囲を見回すと、傍には、人形のように身動きしない少女が立っていた。
どうしたのかと、彼女に触れようとした時、クラードの脳裏に「フィリア」という名前がよみがえった。
彼女はフィリア。自分にとって大切な人…しかし、それ以上のことは思い出せない。
しかし傍に落ちていたメモを見るに、彼女は「傀儡の呪い」にかかっているらしい。

その屋敷に住む不思議な双子は、二人はその呪いを解く薬を求めてここへ来たのだとクラードに告げる。
そして、その薬が欲しければ、自分たちと宝探しをして遊べ、と。


宝探しそのものの難易度は低いので、サラッと遊べるゲームです。
一周目はまず、決まったエンディングしか行けません。本番はむしろそこから!
ほんの少し、前回と違う宝探しを経て、ほんの少し打ち解けた様子の双子から違う話を聞いて…
前回とは違うエンドを目指しましょう!!

フィリアとクラードが、お互いを想い合いつつ行違う姿が、微笑ましくもせつない物語でした。
「八色の能力者」と呼ばれる存在の設定が物語の根底にあり、それが悲劇の引き金でもあったりするんですが…全体的な印象は「優しい」物語。
全篇通して流れる、穏やかな音楽の効果もあるだろうけど、プレイしていてなにか落ち着く~


一番いいと思われるエンド1では、その後の二人は、短くとも幸せな時間を過ごせたようで一安心でした。
ただ…とある謎を解いて、とあるレポートを読むと…最後にほんの少し、ゾクっとする追加要素が…

双子は決して邪悪ではないけれど、モノの考え方や価値観が育っていなくて、人間っぽくない。
クラードとフィリアと、もっと長く過ごせたなら、違ったのかもだけど…

果たして、双子がこの先、一体何をするつもりなのか…
もしかしたらこの物語は、まだ続いたりするのかな?
この双子は一作で終わるには惜しすぎるキャラですし、フィーネの成長後の姿も見てみたいですね^^
また、今は公開停止になっている二つの作品…こちらはサイレントフィリアに繋がる物語のようなので、いずれ再公開してくれるといいな…(←未プレイなのです)




双子の、つたない喋り方と、セリフを互いに被せていくような感じがすごく好きー

王子と秘書官

2018-01-13 01:58:24 | フリーゲーム(ファンタジー)
「王子と秘書官」
謎解きアクション・さりげなくBL・鳥皮のない鳥肉なんて!
制作者:赤リンゴ様(赤リンゴ屋敷

====================

「さまよえる不死者たちの城」の作者様の前作です。
特に難しい道でもなく、追われて急いでるわけでもないのに崖だの水だのに落ちまくりましたが、なんとか無事クリアできました。
なにかこう…まっすぐ行くと落ちるなーとわかっていても、吸い寄せられるように落ちてしまうんですよね。なぜか。

プレイしてまず思ったのは、シナリオといいグラフィックといい、個性の塊のようなゲームだなってこと。
「さまよえる~」は、全てにおいて平均的にレベルが高く整っていて、プレイしやすくとっつきやすいとは思いますが…個人的には、この「王子と秘書官]のほうが印象が強く感じます。
ぶっとんだキャラ作りもさることながら…なんだろう? すごく作者様がノリノリで作ってるなって気がする…?のですよ。
自分が好きなキャラと好きな世界観を思い切りぶちこみました!みたいな、思い切りの良さが素敵~

シナリオは、割と大人めな展開もありますが、基本、ギャグ漫画のような会話運びに、ボケとツッコミが秀逸で、もう会話シーンになるたびにひたすら爆笑してました。
王子クランと秘書官トゥーラをはじめ、本来敵であるはずのあの人やあの人も、全員がそれぞれ魅力的で憎めません。
一応、登場人物の中には、女性と絡むシーンも一部あるんですが…
どうにもこうにも、そのあたりはちょいと不純で泥沼に描かれているため、むしろ男同士の絆のほうがずっと綺麗で純粋に見えてきてしまうという。
一度エンディングを見てしまうと、トゥーラの容赦ない王子へのツッコミには、愛があふれてるようにしか見えなくなりますよ!

グラフィックには若干癖がありますが、私はけっこう好きでした。
なんとも味のある、良い表情付けをしてくれるんですよねぇ。
王子が16歳の設定だったことには最初驚きましたが、ミラードは年相応?で、渋くて良いキャラでした。
特におまけのゲームをプレイすると、ミラードがすごく可愛く見えてきてしまって…!
むしろ彼はヒロイン!きっと本編のその後では、囚われのお姫様のごとくリーンに救われるんだろうな…


アクション難易度は甘目です。
無制限回復ポイントが要所要所に設置されているので、危なくなったら全回復しつつ探索できる仕様。
崖落ち・水落ちも、落ちたところからすぐに復活できる安心設計。
イベント関係は大体「うまい人なら要領よく進められるけど、下手糞でも時間さえかければなんとかなる」くらいの難易度調整で、アクション下手にも優しいゲームだと思いました。

ただ、途中、ちょっとレベリングは必要かな? 
レベルが一つあがると、2発当てなきゃ倒せなかった敵が1発で倒せるようになったりするので、それだけで探索がとても楽になるはず。
あと探索はしっかりとすみずみまですること。
マップの奥…ちょっと探すのにコツがいるような場所にある宝箱は、大抵とても役に立つ装備や武器が入っています。
また、あちこちに置いている意味ありげな黒樽は、後々壊した数に応じて良いアイテムが手に入るので、積極的に探していきましょう。


時間を忘れてプレイしてしまう、とても面白いゲームでした。
BLっぽい要素があるので、そういうのが好きな方には特におすすめ!

Billion Blaze 第2章~Call for the shine~-序-

2018-01-11 18:14:24 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Billion Blaze 第2章~Call for the shine~-序-」
サバイバルRPG・序盤のみ公開
制作者:ビリプレ制作委員会様(公式サイト

=====================

サバイバル系RPGの続編ですー
グラフィックは今回絵師様の協力を得たということで、可愛い子は可愛く!イケメンはよりイケメンに!なりました。
私は前の絵も好きでしたけどね~、今回のグラは色合いに重厚感が増して、より世界観に合ったものになった気がします。
しかし…オジサンは大体、そのままの路線だからいいとして…
黒嶋くんはちと、一人だけ顔がリアルすぎて、可哀想な気がしなくもありませんな…

そして今回も顔グラなしの丹治さん!wwwwちょw何故www
パーティー組むときは貴重な回復役だというのにこの扱いは一体!!www


さてさて、シリーズ二作目である今作、物語はもちろん、前作の続きです。
なんとか街をつくり、それなりに平和な生活を取り戻しつつある人々…
しかし、当座の生活に不安がなくなると、途端に出てくるのが「人間同士のこぜりあい」。
都市国家同士の軋轢をなんとかするため、討伐隊が二手に分かれて行動します。

都市機能が整えば、自然と支配階級ができ、貧富の差ができ。
利用する側とされる側とに分かれたその中で、より大きな富と力を持つものがすべてを吸収してゆく。
狡猾な手法を選んでも結果を求めるか、それとも公正さに拘って結果を残せず終わるか。
いろんな意味で考えさせられるシナリオでした。

この話…この先いったいどうなるのでしょうね?政治向きの話も出てきそうな感じだけれど。
個人的には、火岡にはいまのまま変わらずに、理想を追い続けてほしい気もしますが…
より上を目指すなら、清濁併せのむ度量も必要…なのでしょうかね?


とりあえず、この二作目からいきなりプレイするのは…あんまりお勧めしないです。
できれば、一作目からプレイして、引継ぎしたほうが、きっと話も繋がるしわかりやすい?
前作のキャラがせっかくフルメンバー揃って、好きにパーティ編成できるのに、メインミッションに入ると、すぐにチーム分かれて別行動になってしまうしね。

ちなみに、今回のメインミッションは、火岡と氷空の2チームにわかれたうちの、火岡ルートの途中まで(雪山イベントまで)がプレイ可能になってます。
冒頭で「ブラッドアームを討伐するかどうか」という選択肢が出ていましたが…たぶん、今作では、その選択肢は影響してない…というか、影響するところまでは行ってない…?
このあたりは、今後の更新に期待…というところでしょうか。

採集や合成は、前作では「生きていくための必須条件」でしたが、今作ではサブ的な要素となってます。
脅威からのドロップ材料で、特殊効果のある装備品を作るのが、主な目的になるのかな?
武器や鎧装備は無くても案外行けるんですが、属性防御、ステータス防御のアクセサリは必須です。

しかし、こうして作ったアイテムや装備が…次作でどこまで引継ぎになるのかは気になるところですね…
できれば持ち物レベル所持金全部引き継いでほしいな…丹治さんもしっかりレベリングしちゃったし!


続きは今回のキャラ語り…

主人公の火岡は相変わらず硬派で真面目。
真面目過ぎて、一周回って間が抜けているところも変わりなく。
ごくごくシリアスな顔で爆弾発言をぶっぱなし、辻川の怒りを買うのもお約束。
…冒頭のスクショは、巨乳の女性キャラの胸ばっか見てる!と辻川が怒ったことに対する返しなのですが…
ある意味名言だと思います。
…見ていることは否定しないんだな…; 辻川、これは怒っていいよ。うん。

辻川は、今回強力なライバル出現で終始カリカリモード。
…前回は気が付かなかったけど…改めて見ると、つるぺただったんですね…;
いやまあ、アレは大きいと、弓を引くのに邪魔になるっていうしな。
いろいろ不器用な辻川と火岡のコンビは、見ていて「だいじょぶかー?」って気分になります。
お似合いだとは思うんですがねえ…

ちなみに、コンクリートジャングルには彼女のための隠し武器があります。
これ、攻略見るまでぜんぜん気付けませんでした。
意味ありげなモノあるなー、流木の位置変わってんなー、とは思ってたけど…
次回以降に、ここでなんかイベントあんのかなー? くらいの気持ちだったし…


大守のおじさんは相変わらず。
デリカシーがないことは確かなんですが、周りの扱い(特に辻川)がけっこうヒドい…;
年代的に近い私はちょっと見ていて可哀想になってしまう部分も。



氷空ちゃん。グラフィックがものすごく可愛い!!

黒嶋。グラフィックがものすごくコワモテ!

朝霧。グラフィックがものすごく美人!

…いや、だって今回、メインミッションで出番がないんだもん…
語れるようなエピソードもまだないっす。
この3人のターンは次回以降になると思われ。


小町ちゃん。今回新登場の巨乳キャラ。
いろいろワケアリっぽい美女。
火岡に積極的にモーションかけて迫っているものの、向こうは終始逃げ腰。
据え膳喰わぬとは男としてこれいかに!とは思うものの…
食べたら実は毒入りでした!って可能性も…なくもなさそう?

水崎も小町同様、今回新登場のキャラ。
兵器メーカーのアジア支部社長。
自社の開発研究の一環として火岡と行動をともにする。
いかにも「外資系企業」寄りのモノの考え方は、今後、火岡にどう影響を与えていくのか…

火岡自身のこれから、と、ラグナロクの謎、「脅威」の正体、人間同士のいざこざ、女同士の恋の戦い(?)
などなど、いろいろ先が楽しみな展開でした。

一度に一気にプレイできないのはとても残念ですが…それまではチマチマとコンバートケイブのドロ品でも集めて装備コンプでも目指しましょうかね…







しかし、日本だけの話かと思ったら、ラグナロクって世界規模の災厄だったのね…
「脅威」はどうやって海を渡って伝播したのだろう…