まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

被災地の霊体験

2017年05月29日 | 日記

先日、友人がFacebookで奨めていたので
深い考えもなく買ってみた。
いきなり「霊体験」などと言われてもピンと来ないのだが
読んでみて大いに困ってしまった。



死者・行方不明者18000人余を出しだ東日本大震災。
その被災地で不思議な体験が語られているらしい。
多くの人の胸に秘められながら
口から口へと語り伝えられてきたそれらは
大切な人たちとのかけがえのない「再会」の体験談であり
死者から生者への貴重なメッセージでもある。

津波で流された筈の祖母が
あの朝、出かけた時の服装のまま縁側で微笑んでいた。
夢の中であの人にハグされると体温まで伝わって来てうれしい。
亡くなったあの人の携帯に電話したら、あの人の声が聴こえて来た。
泣いていたら、津波で逝ったあの子のオモチャが音を立てて動いた。

どれも錯覚や偶然の産物と言ってしまえば終わりだが
そうは言い難い切実さにあふれている。



読者からも続々と反響が寄せられていると言う。
さまざまなメディアも取り上げている。
霊の存在を信じるか信じないかという皮相的な問題ではなく
死者と生者の溝を埋めるのは
その人をどれだけ深く愛したかではないかと思ったりする。

 「成仏してどっかに行っちゃうんだったら、成仏しない方がいい」
 「そばにいて、いつでも出て来て欲しいんです」

幽霊などと聞くとすぐに震え上がってしまう私だが
そこには恐怖の感情は微塵もない。
誰もが奇跡のような不思議な出会いに感謝しながら
「大切な人」との再会を喜んでいる。
その思いがヒシヒシと伝わって来て思わず文字がにじんでしまう。
電車の中で周囲の「奇異」な視線に絶えながら
もう一週間近く本に向かっているのに
うーん、涙を拭くのに忙しくて、まだ、半分も読めていない。(涙)




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
不思議 (雫石鉄也)
2017-05-29 09:05:46
私は、神戸市東灘区という、最も死者数の多かった、ところで阪神大震災に被災し、そのごも東灘で暮らしてますが、阪神大震災の被災地では、こういう話を聞いたことがありません。私が知らないだけかもしれません。不思議です。東北と神戸の土地柄の違いでしょうか。
返信する
死者との交流 (まろ)
2017-05-29 17:42:57
雫石鉄也様
東灘は犠牲者が多かったですよねえ。
阪神淡路と東日本にどんな違いがあるかはわかりませんが
例えば恐山のイタコの口寄せのように、東北には死者と交流する風習はあちこちにあるようです。
もちろんそれだけで説明できるような事柄ではなく
著者の奥野さんがコツコツと証言を集められた結果ではないでしょうか。

返信する

コメントを投稿