名物天丼を食らふ

たまには贅沢なものを食べたいと思う。
これだけ働いているのだから
多少の贅沢をしてもバチは当たるまいと思う。
寿司か焼肉かフランス料理かと
あれこれ迷った挙句に天丼を食べることにした。

ド迫力の「江戸前天丼」である。
新鮮な海老に烏賊に穴子に季節の野菜も盛られて
まさに立錐の余地もない迫力である。
穴子など丼から大きくはみ出してしまっている。
以前に一度だけ食べたことがあって
そのボリュームと味にドキモを抜かれたことがあって
以来、もう一度食べたいものだと願ってきた。
どれぐらいの迫力かというと・・・

思わず顔をうずめたいぐらいの迫力なのである。
香ばしいごま油の匂いに食欲をそそられ
秘伝のタレの深い味にさらなる食欲をそそられて
がっつくように完食してしまった。
この迫力で９８０円は抜群のコスパと言わねばなるまい。
久しぶりの贅沢がたった９８０円とは
いささか情けない気もするが安いに越したことはない。

日本橋は三越前の「金子半之助本店」と言う。
天丼の名店として名高く行列が絶えない店である。
行列に並ぶのは大嫌いだが
その信念を撤回しても充分にお釣りがくる名店である。
とてつもないデカイ台風が九州に接近中という折柄ではあったが
東京はピーカンで格好の天丼日和であった。