銀杏の葉が絶え間なく降り注いでくる。
肩にも顔にも間断なく降って来る。
いい齢こいたオジサンは感傷にふけりながらも
妙に嬉しくて深呼吸などしてみる。
深く息を吸い込むと胸の奥がズキンと痛む。
恥ずかしくて黙っていたが
一週間ほど前、自宅のベッドの上で転倒した。
いつものように酔っぱらって前後不覚で眠りこんでいると
深夜、枕元のスマホが突然大音量で鳴り出して
驚いて慌てて飛び起きたのだが
なにせ前後不覚状態だけにすぐには事情が飲み込めず
身体のバランスを崩してベッド下に落下。
その際、金属製保護柵のでしたたかに胸を強打して悶絶。
二、三日たっても痛みが引かないので職場近くの整形外科を受診。
初老の医師はレントゲン写真を一見にこやかに・・・
「ははあ、肋骨にヒビが入ってますねえ」
すぐさま固定用の強靭なテープを体に巻かれ湿布薬と痛み止めを処方。
自分の迂闊さに思わず笑ってしまったが笑うと痛みが・・・
私のカルテを見ながら「しばらく時間がかかりますよ」とにこやかに一言。
韓国の転倒事故も大惨事だったが
わが家の転倒事故も悲惨な結果なのであった。