花屋の店先で「ひまわり」を見かけた。
「ああ、夏だなあ、どこかへ出かけたいなあ~」と
ついつい旅心を誘われる花でもある。
そして、真夏の空に屹立するひまわりの大輪を見ると
ウクライナの大地を思い浮かべるのである。
ひまわりはウクライナの国花である。
最近になって初めて知って大いにうなづいた。
名匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督が
ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニを主演に
ヘンリー・マンシーニ音楽で描く名作「ひまわり」。
スクリーンいっぱい揺れるひまわりの映像は
今も強烈な印象として記憶に残る。
あの映画のロケ地となったのはウクライナ南部の農村
ヘルソンのひまわり畑だと言う。
世界有数のひまわり油の生産地として知られるだけに
まさに国の花・国花であるのも頷ける。
ロシアのウクライナ侵攻以降この名画は全国各地で上映され
多くの観客が涙していると言う。
50年以上も前の映画が今も人々の心を捉えて離さないのは
戦争が今も地上の現実であるという事実で
こうしている間にも多くの民の命が奪われ続けている
どうしようもない悲しみの連鎖を思う。