戦争反対

すでに旧聞の話かも知れないが
それにしてもビックリして唖然としてしまった。
厳しい言論統制下にある筈のロシア国営テレビ局の生放送中に
突然、プラカードを持って「戦争反対」を叫んだ謎の女性。
思わずドッキリか、それとも放送事故かと訝しんだ。

テレビ局と言えばとにかくセキュリティが厳しく
ましてや生放送中のスタジオに不届き者が侵入するなんて
常識では考えられない不祥事である。
時間にすればものの７、８秒の出来事だったか。
すぐにカメラは切り替えられたが
このご時世に戦争反対を叫ぶなんて自殺行為である。
戦争をしている事実でさえ
国営テレビはひた隠しにしたいはずなのに・・・

犯人の女性はテレビ局の編集部員だそうである。
彼女はプラカードの主張とともにＳＮＳに動画も用意していて
その中で犯行動機を切々とのべていた。
テレビ局員として報道の一翼を担いながらも真実に背を向け
長年、国のプロパガンダに協力してきたことを恥じ
国民である視聴者に心から詫びていた。
このメッセージが止むにやまれぬ心情を吐露していて
なかなかに感動的でグっと来てしまった。
ロシアにもちゃんとこんな人がいるんだと驚くと同時に
ここまでプーチンを面と向かって悲観しては
ただでは済まないだろうな・・・と思ったのだが
裁判の結果は意外な処分だった。