埼玉県はせんげん台の駅を降りると、ロータリーの向こうに「かすかべ湯元温泉」の看板があり、クレヨンしんちゃんの世界にやってきたような気分になる。駅からホテホテと10分ほど歩き、大きなイオンのショッピングモールを抜けると、いかにも地元民御用達といった怪しげなスナックなどが入っていそうな、古めかしい雑居ビルの2階に、スパイスカレーを標榜するお店がある。それがこの「モクロミ」だ。
スナックをそのまま居抜きで使っているような店内は、重厚なカウンター席で7席ほど。時には行列もできるほどの注目店だ。
定番メニューと週替わりのカレーの中から2種類を選ぶスタイル。本日は、週替わりメニューの2品、魯肉飯と麻辣牛筋咖喱飯のあいがけを。
店主が一人で切り盛りしていて大変そうだが、仕事ぶりは接客なども含めてとても丁寧だ。時間は多少かかったが、カレーが到着。
魯肉飯は、最近カレー屋さんで魯肉飯を出す店がちょっと流行っている気がする。程よくスパイシーだが、お肉の旨みがしっかり引き立っていて、ボリューム感もあって満足度が高い。
麻辣牛筋咖喱飯のほうは、山椒や花椒など中華系のスパイスが前面に出ており、鼻を抜けるような独特な辛さが効いている。中華的なアプローチでありながら、他のスパイスもじわじわと効いてきて、全体としてカレーとしてしっかりまとめられている。なかなか面白いカレーだ。
つけあわせになっている豆腐干、根菜のマリネ、紫キャベツのビネガー煮も、それぞれに丁寧に作られているがわかる、レベルが高い品々だ。
いわゆる最近流行のスパイスカレーのアプローチとは少し趣が異なるものの、とてもオリジナリティ溢れる面白いカレーを作っていて、ぜひとも押さえておきたいお店だ。ぜひ都内に店を出してほしい気もするが、この場所だからできるというバランスもあるんだろうな。
スパイスカレー「モクロミ」(せんげん台)
埼玉県越谷市千間台西5-2-30 2F
11:00〜14:00(L.O)
定休日:火・水曜日
https://twitter.com/mokuromi_curry
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