Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

新しい歌集

2008-01-20 18:40:32 | 音楽療法
勤務する高齢者施設には3冊の『音楽療法歌集 歌の本』がある。『Ⅰ』は高齢者施設で好まれる、いわゆる昔の流行歌・民謡・唱歌が120曲。その3年後に作った『Ⅱ』はそれより少し時代が新しくなり、同様の歌のほかに演歌も数曲入っている100曲。高齢者対象の音楽療法士の基本は『Ⅰ』、これはなんとかなったが、『Ⅱ』は7割が知らない曲で、自信を持って全曲弾けるようになったのは半年後。今でも歌詞だけではおぼつかない曲が何曲かある。『Ⅱ』も歌いつくしたのでと昨秋から準備していた『Ⅲ』が完成し、先週からデイケア(通所)で歌い始めている。

新歌集『Ⅲ』の内容は多岐にわたる。利用者様の年代幅が広がってきた(若年化)ので、音楽に古さを感じないよう戦後の歌も多い。『Ⅰ』『Ⅱ』でとりこぼした曲のほかに、利用者様のリクエストも聞いた。団塊の世代が好む70年代フォークやその頃の流行歌、「もはや戦後ではない」(1956年)世代の歌、教科書系の歌、シャンソン、ビートルズ、エルビス・プレスリー、英語の歌、カンツォーネ、キャンプソング、最近の大人の歌、アニメソング、演歌・・・の100曲。私の趣味で入れた好きな歌や歌いなれたものも多い分、そうでない歌とのギャップがいちばんある歌集。知らない歌でもとりあえず楽譜があれば初見で弾けるし歌えるが、聞き覚えについていくのがいちばん恐ろしい。その多くは最近の歌謡番組らしいが、聞くほうはかなりの自己流だから、楽譜かじりつきの私は「ハ? 4つのばすはず」「音が違う」「絶叫してのばしすぎないで」・・・。挙句の果てに「先生、違うよ」と言われると、これは負けられぬと伴奏するピアノの音は激しく大きくなっていく。



歌集はアイウエオ順、ア行~サ行まで歌い進んでいる。いきなり躓いたア行、《哀愁の高山》《熱海の夜》《天城越え》、私が不得意で好まない分野の曲はカラオケ名人のAさんのリクエスト。演歌はその人の思い入れが歌い方にでるので、大勢で歌ったり歌集には不向きだが、聞いたからには選別するわけにもいかず泣く泣く入れることになってしまった。この間にある《愛の賛歌》《アニーローリー》《アルプス一万尺》は私もスタッフたちも活き活き楽しく歌えるのに、どうもこの3曲はトーンがさがる。トーンが下がりすぎて、這い上がるためにオペラ調になることもあるほど。

先週のデート、美味しいイタリアンの後はカラオケに。「仕事がらみでごめんなさい」とお願いして、喉が痛くなるほど10曲くらい歌ってもらった。『Ⅲ』を思いついてから、2軒目はカラオケの出番が多い。秋は楽譜片手の私も、一応楽譜が頭に入っている先週は、「♪あまぎ~ご~え~」だけははまるようになった。でも先は長い、やっとタ行。「ピアノに合わせて!!」と心の中で切れる寸前の音楽療法士は、今週も笑顔で闘う!