認知症フロアのTさんは歌が大好き。新しいことは入っていかないし文字の認識もできないが、自分の知っている歌をいつも明るく大きな声で歌っていた。ところがある日転倒し骨折、入院。病院から帰ってきたら、あの元気な歌声がまったくなくなってしまった。認知症が進んで言葉がなくなり、いつも「まんまんまんまん・・・」とつぶやいている。
ある日の音楽療法セッションで《七つの子》を取り上げた。「これって《七つの子》って題だったんだ」という若い介護スタッフの驚き声に、Aさんは「《からすの子》だと思った?」。その横でTさんが <♪から~す~なぜなくの~> と歌い始めた。明確な歌詞で手をたたきながら歌っている。見事に歌いきったTさんに皆で拍手、そしてそのままタイミングを続けて全員で一緒に歌う。嬉しそうなTさん、久しぶりに見るいい笑顔だった。
終了してから、私はもう一度Tさんと二人で歌ってみる。「ななつのこ」とはっきり発音し、もちろんまたしっかり歌う、これは決して偶然ではない。その日歌った他の20曲あまりは「まんまんまんまん・・・」だったが、どうして <♪から~す~なぜなくの~> は歌うのだろうか。それからスタッフたちも私も、Tさんを見かけると「《七つの子》歌おう」と声かけし一緒に歌っている。<♪から~す~なぜなくの~> と歌いながら「何か思い出あるの?」と聞いてもニコニコしながら歌うだけ。何かのきっかけになればと思うからこそ知りたい、Tさんの《七つの子》物語。
あれから1週間がたった。私の顔を見ると <♪から~す~なぜなくの~> と歌い始めるTさん。Tさんの中では、私=《七つの子》になっているらしい。Tさんに歌声が戻ったことが本当に嬉しい、音楽療法士の感動物語!
ある日の音楽療法セッションで《七つの子》を取り上げた。「これって《七つの子》って題だったんだ」という若い介護スタッフの驚き声に、Aさんは「《からすの子》だと思った?」。その横でTさんが <♪から~す~なぜなくの~> と歌い始めた。明確な歌詞で手をたたきながら歌っている。見事に歌いきったTさんに皆で拍手、そしてそのままタイミングを続けて全員で一緒に歌う。嬉しそうなTさん、久しぶりに見るいい笑顔だった。
終了してから、私はもう一度Tさんと二人で歌ってみる。「ななつのこ」とはっきり発音し、もちろんまたしっかり歌う、これは決して偶然ではない。その日歌った他の20曲あまりは「まんまんまんまん・・・」だったが、どうして <♪から~す~なぜなくの~> は歌うのだろうか。それからスタッフたちも私も、Tさんを見かけると「《七つの子》歌おう」と声かけし一緒に歌っている。<♪から~す~なぜなくの~> と歌いながら「何か思い出あるの?」と聞いてもニコニコしながら歌うだけ。何かのきっかけになればと思うからこそ知りたい、Tさんの《七つの子》物語。
あれから1週間がたった。私の顔を見ると <♪から~す~なぜなくの~> と歌い始めるTさん。Tさんの中では、私=《七つの子》になっているらしい。Tさんに歌声が戻ったことが本当に嬉しい、音楽療法士の感動物語!