GOVAP便り

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バンゾックの滝-THÁC BẢN GIỐC

2016-06-16 20:26:48 | 旅行

カオバン省最大の観光地はバンゾックの滝で、ハノイからのツアーが多く企画されています。ウェブサイトの写真を見る限り一見の価値はありそうです。しかし、日本語のサイトで調べたところ10年ほど前の情報で此処へ行く外国人は事前に「入域許可証」が必要とのこと。迷った末に現地の旅行会社を訪ねて確認することにしました。2年前、カンボジア国境でベトナムの軍隊に拘束された挙句、二日も足止めされ罰金まで払わされ、風邪を引いて気管支炎になった悪夢が蘇ります。

ところが訪ねた朝は土曜日で旅行会社のオフィスは閉まっており、丸二日間待たねばなりません。更に3泊することになるので少し落ち着けるホテルに移ろうか・・・などと思っているとエレベータ付の新しいホテルが近くにありました。一泊40万ドンとの返事でしたが、3泊するからということで一泊30万ドンに値下げして貰い、早速荷物を移してから取り敢えずバイクでバンゾック方向へ出掛けました。

地図を見るとバンゾックの滝へは省道206号と記されています。市街から「BẢN GIỐC行き」と書かれたバスが走っており、また、分岐点には道路標識もありました。パクボに向かう道とは違って峠が多いのですが、道路は舗装され、行き交うバイクも多く「秘境」と呼ぶほどの地ではありませんでした。

     

新しいリゾートホテルも建っていて、目的地周辺に来たことはわかりましたが、ホテルに気を取られて看板を見落して直進し川沿いを南下して暫く走ってしまい、川向うに中国語の看板を見付けて慌てて引き返しました。滝の駐輪場にはレンタルバイクで訪れた欧米人旅行客の姿も多く、どうやら「入域許可証」は必要なさそう。

滝を見ながら一休みしていると青年男女に声を掛けられ、「峠で見掛けた」とのこと。確かに二人乗りのバイクに峠で抜かされました。旅は道連れ・・・ということで誘われるままに行動を共にすることに。近くの洞窟を見に行くことになりました。

      

後を付いてバイクを走らせると、滝から西南に2㎞ほどの所にグムガオ洞窟(Động Ngườm Ngao)がありました。1921年に発見され、1996年から観光地化されたとのことです。勿論、古い時代から現地の人々には知られていた洞窟であり、グムガオという言葉もTay語で「虎の洞窟」という意味で虎が生息していたとの言い伝えがあるそうです。

      

ランソンで見たものと同じ鍾乳洞ですが、規模と迫力はそれ以上のものでした。10人位を一グループとして係員が一緒に洞窟に入り案内と解説をしてくれるわけですが、長いセンテンスはまったく聞き取れません。すると同じグループに居た若い女性が親切にも流暢な英語に訳してくれることに。まったく自分にとっては有難迷惑で尚更意味不明。

かつてカオバンは金・銀の産地。かつては儂智高や莫氏残党の独立政権が中国にこの金を貢いで政治的支持を取り付けていたわけなので、洞窟の中に白くキラキラ光る岩を見て「もしや・・・」などと思ってしまったところ、「シリカ」です、とのこと。付近では採石作業中でしたが、道路建設用の採石のようでした。

      

 バンゾックの滝は、中国語で黑水河 (左江) 或は归春河の名で呼ばれ、ベトナム語ではSông Quây Sơn、中越国境をながれる河です。滝の左岸が中国領となるわけですが、一部ベトナム領の地となっている部分もあり、其処に国境市場がありました。滝の上流数百mの距離ですが、訪れるには道路がやや複雑。たぶん自力では行けなかった。多くの中国人客の姿がありました。並べられた商品は多くはベトナム製品でしたが特に、と思えるものではなさそうでした。滝の周辺でテントを張って泊まる予定の二人と共に再びバンゾックの滝に戻り、暫く休んだ後で一人でカオバン市街に戻りました。

 ホテルに戻ると不機嫌そうな女主人に代わって新人のレセプション壌がにこやかに迎えてくれて気分一新。今回の旅行で、まして北部のホテルの受付で初めて肩の力が抜けるような笑顔でした。