イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

季節遅れのクリスマス料理、シリーズ最後を飾るモドキ製品を使ったベジタリアン版

2021年02月04日 08時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物
メリークリスマス!


これで最後です。
近所のコンビニエンスストアで半額で買ったインスタント・サシェット instant sachet (袋入りインスタント調味料)クリスマス・スペシャル版、第3弾...


ソテーした芽キャベツとベーコン Sautéed Brussels Sprouts with Bacon。
イギリスでは芽キャベツ Brusseles sprouts はロースト・ターキーのクリスマスディナーに添える定番中の定番です。

子供たちが食べたがらないクリスマスの付け合わせの定番としても知られています。

なぜ芽キャベツの英語が「ブラッスルス・スプロウト(ブリュッセルの芽)」とベルギーの首都の名前を冠しているのか気になるところです。
「古代ローマ時代に現在のベルギーあたりで栽培が始まった(出典不明)」とウィッキピーディアには書かれています。
まわりのイギリス人はこの謎が誰も気にならないようです。

昔いっしょに食事をした友達のお父さんにきいてみたら「ブラッスルスが気に入らないのならキオト(京都)スプラウトとでも呼ぼうじゃないか」といわれたことがあります。

ベーコンと芽キャベツを炒め合わせるレシピは、昔からあるようです。
雑誌やテレビで紹介されているのも目にします。

砕いたクルミや乾燥したトウガラシを試したこともあります。
フランスや「本場(?)」ベルギーではクリと炒め合わせるそうです。

昨日載せた写真をもう一度。


夫がベジタリアンなので、ベーコンとは似ても似つかない「肉モドキ」ベーコンを使いました。

見た目が気持ちわるい、いちばん最初の写真をご覧ください。
ちぎって少し食べてみました。

大豆たんぱくが主原料だそうですが、なんだか懐かしい「魚肉ソーセージ」のような食感です。
かすかに、スモークト・ベーコンのようないぶした味がついています。不味い。

ベーコン(モドキ)と、茎と外側の葉を除いた芽キャベツ(半分に切るのを忘れました!)を焼き色がつくまで炒めて少量の水とサシェットの粉末のなかみを混ぜ、弱火にしてフタをして10分....



子供が嫌う淡泊で青臭いキャベツの味がすっかり消えてなんだか複雑で濃いクリスマス風味で....おいしかったのです!

赤っぽい色はパプリカのようです。
材料一覧を見てみました。
タイム、セージ、パセリとイギリスに昔からあるハーブ類と、ニンニク、麦芽まで入っています。
クリスマスっぽい風味のもとはたぶん黒いモラセス molasses (糖蜜)でしょう。

ブランデーに浸したドライフルーツがぎっしり詰まってどす黒くて重いイギリスの「クリスマス・ケーキ」にはモラセスが使われることが多いのです。

昔からの芽キャベツとベーコンのソテーには通常コショウぐらいしか調味料を使わないはずです。
(今、レシピのウェッブサイトを見て確認しました)
ベーコンからにじみ出た風味豊かな脂と塩味が淡泊な芽キャベツに与える風味だけで充分おいしいはずなのです。

こんがり炒めてややこしい味付けをされたベーコンモドキは結構おいしかったですよ。
「せっかくのブラッスルス・スプロウトを薄気味悪い肉モドキが台なしにしている」とモンクたらたらだった夫も食べてみて悪くない、と評価を下しました。

本物のベーコンを使っていたら、もっともっと複雑濃厚でややこしい味に仕上がったのかもしれません。
コメント (2)
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