イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

カエルの卵がかえる春のおとずれ、オタマジャクシの命のはかなさ、うじゃうじゃ

2018年04月05日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
うちの近所の川沿いの散歩道、ストックポート日報 ではおなじみですね、ハッピーヴァレーの保護林を歩きました。



イースターも終わって.....
春を実感!カエルの卵がかえる季節です!


林がはじまるあたりにある、自然観測池。



ああ、こういう話がお嫌いな方、本当にごめんなさい。にゅるにゅる ぶつぶつ写真があります。
.........途中で警告しますので、まずは池の周りの写真を見てくださいな。

ソーセージのような蒲(ガマ)の穂がはぜる季節です。


ああ、大丈夫です。ガマ(ガエル)は出てきませんから。

実は、私たち夫婦、カエルが大好きなんです。本当に本当に、わくわくするぐらい好きです。
カエルを見に、やって来たのです。

そろそろ、おいやな方は下までスクロールしていただいた方がいいかもしれません。

一番下の野生の水仙の写真でも見ていただきましょう。




いた!


写真を撮るのが困難でした!
全部で7匹ぐらい、(そのうち2匹は私たちが見ている前で交尾までしてくれました)水面下をスイスイ泳いでいるのが見えました。

common frog。



ヨーロッパ全域に住んでいる、鼻の先からお尻まで 5㎝ぐらいの小振りな、どこにでもいるカエル。
日本のトノサマガエルのように模様がありますが、皮膚に凹凸があります。

お殿様とは対極の「庶民的/下品な (common)」カエル。

卵は、オタマジャクシはどこかな。

おっ。



池の端から約50㎝の草地に落ちた、ゼリー状の物体、中には黒いオタマジャクシがうごめいています。

雨続きで、そこら中ぬかるみだらけ。この時は晴天でしたが、池と周りの境が例によってあいまいになっている、かなり危険な湿地帯です。
雨が降り続いて、池の水かさが増した時にあふれ出た卵が、水が引いてのこってしまったとか?

池に押し戻してやろうか、と一瞬迷いましたが、やめました。かわいそうだけど、自然に任せることにします。(手で触るのはかなりためらわれます!)

観測デッキから見る限り池の中に卵はなさそう。

あ、ちょっとまって、足がずぶずぶ湿地にはまる、池の横側に歩いてみました。
誰も来ないこのあたりに来ると夏には極楽に咲くような美しい蓮の花や、金屛風に出てくるようなシラサギを目にすることがあります。

危ないです。まあ「自己責任」ですね。

危険を冒した価値あり!



なに、わからない?



黒くピコピコうごめくこの浮体は何千匹というオタマジャクシの密集状態!!!!!!!

キャビアの瓶詰、ヒジキ、何に例えればよいのか?!

黒光りするオタマジャクシの個体が光を反射する水面をうごめかして夢のようにきれいでした!

上の層のオタマジャクシたちは、水面から出てしまって、えら呼吸ができず、アップアップ苦しそうです。
この時こそはと、木切れで束をほぐして水の中に落としてやろうかと思ったのですが、夫にとめられました。

そうですね、自然に任せるしかないですよね。

これだけのオタマジャクシがすべて無事成長してカエルになったら大変です。
世界中がカエルだらけになってしまうでしょう。

水中にもぐることができない何割かは日干しになってしまうはず。
無事、群れからほぐれて泳ぎ出しても魚に食べられる、鳥やヤゴに食べられる、オタマジャクシには危険がいっぱい。
カエルになって冬眠して、来年の春に卵を産むまで生き残るのは1パーセントにも満たないのでは?

まだ卵!
  

上の写真のうじゃうじゃオタマジャクシはかえりたてのほやほやのようです。



かわいい!かわいい!


家からジャムの空き瓶をもってきて少し掬っていこうかと本気で考えました。

オタマジャクシは自然の状態では水藻を食べて成長するらしいのですが、調べたら、ぐずぐずに煮たキャベツの細切れで育てることができるそうです。

両足が生えたら、カエル食に変換。
生きたハエや蚊を与えるハードルはかなり高そうです。

爬虫類の専門店で売っている、バッタの(生きた)赤ちゃんを与えるように書いてありましたが、かなりイヤです。
足が生えたら、池に戻す選択肢もありますが、別れのつらさを思うとこれも無理がありそうです。

やはり、池で生まれたオタマジャクシは池で育つ、あるいは淘汰に任せるしかないようです。







野生の水仙、保護林です。誰かが植えたのかもしれません。




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イギリスでは巨大産業!イースターエッグにまつわる奇習、キリスト教の祝祭にふさわしくない生臭い起源

2018年04月02日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
きのうはイースター・サンデー Easter Sunday 。今日はイースター・マンデー・バンク・ホリデー Easter Monday Bank Holiday 。祝日です。



イースターには、卵の形のチョコレートを贈りあいます。
日本ではまだこの習慣は広まっていませんよね....?

昨日の記事にも書いたように、キリスト教の発生以前から、卵は春のシンボルとされていたそうです。
生命の誕生=再生の象徴ですからキリストの復活を祝う、キリスト教のお祝いと結びつけてしまうのも無理がなかったことと思われます。

ご存知のとおり、キリスト教にとって大変重要な行事なのにもかかわらず、宗教の教義とも権威とも全く関係のないへんてこりんな習慣が満載の古代からのおまつり...


戦前ごろまでは、にわとりの卵をきれいに着色して贈りあったそうです。
ゆで卵の着色は、かざりや特に子供向けのクラフトとして今も人気です。

でも、今、子供がもらって喜ぶのは、このがらんどうの大きなチョコレート。


☝...箱入り。

かご編み模様のプリントされたわざとらしい厚紙の箱に入っています。


金色のフォイルを剥いたチョコレートの写真を撮るのを忘れました!

私がイギリスに来たばかりの時は、この大きながらんどうのチョコレート卵の中に、通常の製品(マーブルチョコのようなスマ―ティーズや、キャラメルなど)が入っていたものでしたが、今はすべて小袋入りのものが上の写真のように別に添えられて箱に入っています。

息子が言うには、大きな卵にかぶりついた子供が中味をのどに詰まらせ、窒息する事件が毎年発生したため安全上の理由から、企業が一斉に自主規制を始めたとのこと。学校でそう習ったそうです。

先週行った、スーパーのイースター・エッグ売り場。




長大なスペースを割いて販売しています。

午後早い時間でした。整然としています。午後も遅くなると棚が半分空になり、ディスプレイ用の厚紙の箱が散乱します。

比較的高級志向のスーパー、ここセインズベリーでは売れたそばからどんどん棚に補充していくので、それほど見苦しくはならないはずです。
先週からいくつかのメーカー品のイースター・エッグが値下げになりました。

イースターがおわってから、今スペインに旅行中の息子とそのガールフレンドに、大人向きの高級志向のイースター・バニー(ウサギ型)を買うつもりです。いきなり半額以下になるのがうれしいじゃないですか!?(みみっちい?)

両親、おじいちゃんおばあちゃん、おじさんおばさん、近所の人まで含めると数十人にも上る大人から大量のイースター・エッグをもらう子供たち。体にいいわけがないのですが...
安売りを見かけるたびに買ってくる私からうちの下の息子(15歳)がもらったのはたったの3個。

上の写真の「 M & M 's 」の2ポンド(295円ぐらい)のものはイースターにあけるためにとっておいて、2つの「クリームエッグ」(1ポンド)はイースター前にすぐに開けて食べちゃいました。



これは、手のひらにのるサイズ(200g)の小型のスイス・チョコレート、リンツ Lindt のゴールデン・バニー。


うちのネコ、ホレイシオが私にくれました。
正価だと、2ポンド80ペンスもします。

大きさは、さまざま。小型のうさぎ実物大ぐらいのサイズは18ポンドぐらいしたと思います。

ウサギは多産の象徴です。
春になるとサカリがついてしょっちゅう興奮していることで知られます。
キリストの復活を祝う荘厳な宗教行事のマスコットには似つかわしくない生臭い理由!

ちなみに、クリスマス前にはリンツのテディ・ベアー型のチョコレートが販売されます。

イースターに卵を贈りあう習慣はどこから来たのか...肉、卵、乳製品を食べるのを禁止されたレント(四旬節)の期間、ニワトリが産んだ卵は、固ゆでにして肉食解禁のイースターまで涼しい場所に保存されイースターの朝、教会にもって行って乞食や貧しい人たちに施したのが始まりだと言われているそうです。

国王が、献上された金箔を施された卵をイースターの朝に食べる習慣もあったとか。
中世の頃の話です。

庶民は玉ねぎの皮でくるんだ卵を大量の玉ねぎの皮といっしょに固ゆでにして、殻を黄土色に染めたそうです。王様の金箔卵にあやかって...みみっちいなあ。どんな色に染まったんだろう。そのうち実験してみる価値あり、かもしれません。

今年見つけて買った、かなりリアルな、金箔まがい卵。


ハチドリの卵ぐらいの大きさの、中まで詰まったミルクチョコレートでした。
夫も息子も、金色のフォイルに包まれていると思って、食べる前に爪を立てていました。

はい、一番上の写真を見てください。
まだら入りの、カドベリー社製、ミニ・エッグス Mini Eggs。袋入りで1ポンド。

それを使った、イースター・ネスト Easter nest という伝統的なお菓子。


ベーカリーで4個入りを買いました。


手づくりも簡単です。
コーンフレークを 溶かしたチョコレートでからめて ミニ・エッグスをのせるだけ。


イギリスの家庭では、イースターの朝に、チョコレート・エッグを庭の草むらに隠して子供たちに探させます。イースター・エッグハントといって楽しみにしている子供がたくさんいますが、うちではやったことがありません。
地域ぐるみで大掛かりにやっているところもあるようです。

これも、昔は着色したゆで卵を使っていたそうです。

今日、イースター・マンデーは、天下の奇習、卵転がし egg rollingが見られる日です。

草の茂った丘の上から子供たちや、若者たちが卵を転がしてはしゃぐ、縁起かつぎのような習慣です。私はテレビでしか見たことがありませんが、何百年も続いてきた衣装や作法がある、有名な場所もあるようです。

アメリカの首相官邸、ホワイトハウスの庭でも年中行事として行われているらしいですね。

木のへらで卵をつつきながら転がして走るマヌケなリレー競技をやるイギリスの田舎の村もあるようです。



かごに入れた、ドイツ系安売りスーパー、リドルのオリジナルイースター・バニーは上のリンツのものと同じサイズで、一つ 79ペンス!


うさぎの絵のプリントされたチョコレートの卵も詰まっています。

下の息子が、休暇のヨーロッパ旅行から来週帰ってくるガールフレンドにあげるためのものです。





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ハッピー・イースター、春の始まりの宗教行事に関するうんちくいろいろ....

2018年04月01日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
Happy Easter!
 イースターを象徴する、ダフォデイル(黄色いラッパ水仙) の写真はあまり本文と関係ありません。

今日は、イースター・サンデー Easter Sunday 。復活祭ですね。

その名の通り、金曜日(グッド・フライデー)に十字架にかかって処刑されたキリストが復活したのを祝う日です。

キリストの処刑は4月の初めの金曜日、その2日後の日曜日に蘇生(復活)した、と聖書に明記されているものの どの日曜日か確定できないんだそうです。
そこで宗派を超えて採用されている、イースター・サンデーの決め方は...

自分で書いておいて忘れたので ストックポート日報 の 3月11日の記事を読み直しました。☟

クロッカスが咲き始めたフクロウの木彫りのある空き地、春まで秒読み、イースター前の今日は(イギリスでは)母の日!


「エクイノックス(キリスト教の春分の日)の後、最初の満月の後の最初の日曜日!」

ところで、キリストが12弟子と最後の晩餐をとった木曜日(モーンデイ・サースデイ)とキリストが処刑された金曜日(グッド・フライデー)は特別な日なのですが さて、昨日の土曜日は何か特別の日だったのか。

....突然思いついた疑問です。金曜日から月曜日(イースター・マンデイ)までの4連休の間の ただの週末の一日、だと思っていました。

違いました!
調べました。

ホーリー・サタデイ Holly Saturday という、あまり工夫のない名前が付けられた、キリスト教徒にとっては特別な日だそうです。

イギリスに長いこと住んでいて、いろいろな行事に付き合ってきた私も、60年以上イギリスに住んでいるイギリス人の夫も、イギリスで義務教育を受けているうちの息子たちも知らない(というか、全然気にしない)キリスト教関係者にとっては大切な日らしかったのです。


宗派をこえて、宗教がらみの儀式を行わない日だそうです。
カトリックの臨終の秘蹟は例外として、お葬式、結婚式、礼拝いっさいなし。

キリストを失った喪に服する日。




ところで、イースター・サンデー。

この日ももともとはEostre という春と大地の女神をまつる、古代アングロサクソンの楽しい季節の節目のお祭りでした。
クリスマス同様、キリスト教が土着の信仰に基づく行事をちゃっかり取り入れちゃったんだそうです。

ちょうどこのころにおこったと言われている、キリストの復活と、草木が芽吹き、新しい生命が誕生(再生)する春がじょうずに結びついたんですね。

ウサギは、Eostreが連れ歩いている、多産の象徴、卵は生命の誕生の象徴、仔羊は....イースター・サンデーにごちそうに食べられたんです。



卵に関してはもうちょっと、書くことがあります... また明日。














硬くつぼんだつぼみをつけたダフォデイルの束が、スーパーや花屋で産地から輸送されてきたそのままの状態で大量に箱に入って積まれて売られています。
買って帰って水に差すと、数時間でぱっと花を開きます。


一束、1ポンド(149円)。
お客をイースター・ディナー(昼食)によぶ家などでは、何束も買ってテーブルや窓辺に飾るようですね。

私のうちでは、オーブンが不調なので、ローストではなく、下の息子と仔羊肉のステーキを食べます。

上の息子はスペインに旅行中。
ベジタリアン(正確には魚は食べる、ペスカトリアン)の夫には、鮭のムニエルでも作るつもりです。

スーパー、アスダの人食い植物のような巨大ダフォデイル・ディスプレイ。



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