近所の道路に停まっていた白いヴァンです。
スタッフォードシャー・ブルテリア Staffordshire bull terrior のイラストが強烈です。
この後ろに私たちのクルマを停めて、夫が調剤薬局に立ち寄りました。
私もいっしょに薬局に入るつもりだったのですが、同じ並びにあるコンビニエンスストアの前につながれて買い物中の飼い主を待つ、美しいシルバーグレイ色のフレンチブルドッグを発見!薬局に入るのをやめてそばで鑑賞することにしました。さわりたいなぁと思ったものの、神経質そうに後ずさりします。
飼い主がそばにいない見知らぬイヌはかまわなぬがよし。
ちょうどそこへやってきたのが、これは偶然!ほんもののスタッフォードシャー・ブルテリア 略してスタッフィー Staffie。
フレンチ・ブルドッグ略してフレンチィも、スタッフィーもガニガニした肢体と悲しそうな憂い顔が強烈に私の好みです!
スタッフィーの飼い主が、フレンチィを見て「このイヌはかまわない方がよさそうだな。でもうちのはさわっていいよ」と言ってくれたので、ガシガシ撫でさせてもらいました。他人の関心が嬉しい人懐こいイヌだそうです。
この寂しげな微笑みがたまらない...
店に入る飼い主がイヌと仲良くなるきっかけ作りに私にイヌ用のビスケットをくれました。買い物をしている間、私がかまってくれることも期待したのかもしれません。
でも、食べません。
飼い主に置いていかれることに神経質で、撫でても声をかけてももちろん「お写真撮るから、こっち向いて」と言っても一切反応なしで、一心不乱に飼い主が入って行った店の入り口を見つめています。
なんという麗しい忠犬ぶり!
奥のフレンチィも同様、店の中にいる見えない飼い主の動向を外から熱心にうかがっているようすです。
スタッフォードシャー・ブルテリアはもともと、闘犬だった獰猛なイヌでした。
17、18世紀に盛り上がった庶民の娯楽、野蛮で残酷な繋がれた雄牛(bull)とイヌを戦わせる闘犬は19世紀の半ばに禁止されています。以後スタッフィーは忠実で温和なペットむきのイヌとして改良され、英国で人気の愛玩犬種として定着しています。
と言っても、近頃あまり見ない気がします。
スタッフィーを、ピット・ブル pit bull(闘犬)として飼う不心得者がいるようです。育て方次第で、先祖返りして獰猛なイヌに仕立てることも可能です。
チャブ chav と呼ばれる、公営住宅に住む無職か低収入で学歴がなく素行が悪く、特にイキっているけど実際にはそれほど強くないのに「強く見せたい」願望の男性が好んで飼うような印象のイヌです。もちろん偏見ですが。そのせいもあって「怖いイヌ」という印象を持つ人も根強くいるようです。
なんだか理不尽...こんなにかわいいのに!
このイヌの飼い主はおだやかそうな人柄の、労働者階級職に就いているであろう風貌の中年男性でした。
で、停めてあった白いヴァンですが、業務用の車種なのにビジネス名や電話番号がかかれていなくて、獰猛そうなスタッフィーのイラストだけ後ろに...謎めいています。
夫は、「猛犬注意」の注意書きがわりか、おなじみ「ダミー警官」みたいな、ヴァンをこじ開けて中のものを盗む人をけん制するためのおまじないだろうと言います。
実際に持ち主は獰猛なピット・ブル」タイプの獰猛なスタッフィーの愛好家かもしれません。
おなじみ「ダミー警官」について書いた最新記事です☟。
久々に見つけたダミー警官、なんだか場違いなマンチェスターの表玄関
ダミー警官には、「カードボード・オフィサー cardbord officer (ボール紙の警官)」というちゃんとした名前があるそうです。
前におかれた骨の形のイヌ用ビスケットに注目です。飼い主が戻ったら食べたかもしれません。
飼い主を 待つなんて
可愛いですね