3カ月ぶりのネコ保護施設です!
去年の11月に始め、12月初めから日本滞在のため中断していた、「ネコ保護施設で飼いネコ候補のネコたちに話しかける」有意義なボランティアの再開です。
ヒマな夫を誘うと、ついてきました。
夫婦でかまうと「温かい家庭感」が増し、ネコの情操によりよい効果があるのではと思ったのです。他にも2人、女性のボランティアがいました。その後、新たに夫婦が加わり最後には運営女性もやってきました。
英語でネコが大好きなおばさんのことを「クレイジー・キャット・レイディ cragy cat lady 」と呼びます。
この私営ネコ保護施設、 ストップフォード・キャット・レスキュー・センター Stepford Cat Rescue Centre を運営する女性をうちでは勝手に「キャット・レイディ」とよんでいます。以下、略してCL。
飼いネコ候補のネコたちは人恋しそうです。
人がやってくるたびに高い囲いの入り口になっている二重扉にワラワラと集まってきます。
あいかわらずのゴミ屋敷状態、施設全体が雑然としています。
それでもボランティアがていねいにネコ用トイレを片付け、毛布も定期的にほこりを払い持って帰って洗濯、ネコの住環境をできるかぎり清潔に快適に保つ努力は惜しまれていません。
年末に最後に来た時には、2カ月以上ネコの貰い手は皆無、引き取ってほしい依頼は引きも切らず...のうら悲しい状況だったのですが、顔なじみの人懐こいネコ数匹が引き取り先を見つけて姿を消していました。嬉しいニュースです。
膝のり常連のマーヤ、バーティ、他のネコにケンカを吹っかける嫌われ者のアイザックなど、懐くネコ、きれいなネコから貰い手がきまります。
冬を越した高齢で腎臓病のコーニッシュとの再会は嬉しいおどろきでした。フェルト化したむさくるしい毛並みと、目鼻が中央寄りのライオンのような顔立ちもあいかわらずですが、夫の膝でゴロゴロのどを鳴らし人懐っこさ全開です。
コーニッシュは、もちろん引き取り手募集中ではありません。この施設でボランティアにも守られながらそう遠くない最後を迎えることになっています。腎臓病が悪化してトイレに行けなくなったら獣医師の手で安楽死させます。
新入り4匹組。
3歳きょうだいと8歳きょうだいの2匹ずつ、きょうだい2組の混成クロネコ団。同じ純クロネコでも、ツヤツヤ毛並みとフワフワ毛並みで血縁の区別がつきます。
フワフワ組代表は斜視でした。
飼い主の奥さんが急死、悲観にくれたご主人はすべてを捨てて生活をー新するため、飼いネコ4匹の世話を施設に託したそうです。今のところ、4匹まとめて引き取ってもらえる家庭をさがしています。4匹は切っても切れない絆で結ばれています。
パラボラアンテナのような医療用カラーをつけたこのネコは...
夜逃げした飼い主に置き去りにされ、近所の人に世話されていたのですが、耳の中が化膿してバランスを失って立てなくなり連絡を受けたCLに保護され(幸い施設の近所でした)獣医の手術を受け保護されています。
3カ月前は顔面の手術を受けて療養中だったガーフィールド(通称ガッフ)がすっかり回復して、ムクムクふとり、施設内を自由に歩き回っていました。
塀を乗り越え、勝手に出入りしていた、くっきり美しいサバ柄のマカレル・タビー(キジネコ)のタイガ(通称ティッグ)が個別のペン(檻)に幽閉されていました。
ガッフと相性が激烈に悪く、顔を合わせるたびにケンカを吹っかける乱暴者のティッグはガッフが自由に闊歩している間は閉じ込められるようです。幽閉ティッグのふてくされた写真を撮るのを忘れました。
おなじみの「飼えなくなったネコを引き取ってほしい」依頼の電話がCLの携帯電話にかかってきました。深刻なやり取りのあと語ってくれたあらましは...
「自分はイヌを飼っているので、ケアホームに入る父親がかわいがっていたネコを引き取ることはできない」とのこと...その飼いネコは推定19歳か20歳(あるいはそれ以上)!
CLは引き取りを断りました。飼いネコだった超高齢ネコを檻に入れるのはしのびず、引き取り手が見つかる可能性も皆無です。獣医師による安楽死を勧めるしか選択肢はありません。もちろん「他をあたって下さい」とも言ったそうです。
その女性は、自分が父親のネコを安楽死させに連れて行くのは徹底拒否するものの、引き取ってもらえた保護センターで安楽死させてもかまわないようです...身勝手ではありませんか。それともその気持ちはわかる、という人が多いのでしょうか?
(安楽死の処置にも100ポンド=19,000円程度の料金が発生します)
「動物愛護国として知られる英国の、ネコの幸福のために尽力するネコ保護施設の運営者が年を取っているだけのネコを死なせようとするなんて!」といぶかしく思う日本人は多いのではないでしょうか。
依頼者の女性も激しい言葉で反論したそうですが、英国の動物愛護の認識では、飼い主が世話をしきれず、良い引き取り手が見つかる見込みもないのなら高齢の(あるいはなおる見込みのない病気の)ペットは安楽死させるのは致し方ないということになっています。
「飼えなくなれば、保護センターに引き取ってもらえばいいや」と気楽に考える人が多すぎるのです。
その人が父親の飼いネコをどうするのかは不明です。1年以内に死ぬ可能性の高い高齢ネコの引き取り手を何とかして見つけるのか、それとも安楽死...?気になるところです、
とにかく、年を取って寂しくなったからという理由で子ネコを飼い始めることはよく考えてほしい、飼い始める前に、自分が高齢になり世話できなくなる前にイヌやネコが死ぬことを想定しなければ飼うのをあきらめなければいけないことを本当に痛感しました。
保護施設の屋内の、自分専用の寝床はすべて床暖房完備です!
毛布やタオルの下に手を突っ込んで暖かさをひとつひとつ確認してみた夫は「いいなぁ、ぜいたくだなぁ」とうらやましそうでした。
いいえ、そんなことはないですよ。飼い主とさまざまな事情で引き離されて物置小屋仕様の宿舎に他の大勢のネコと共同生活を送らなければならなくなったネコたちの境遇は決して恵まれているとは思えません。
やわらかいソファーで飼い主とぬくぬくとくつろぐうちのネコたちは幸せなはずなのですが、本人たちは理解しているのでしょうか。子ネコの時にうちに来たティブはもちろん、母ネコのリヴィーもこの保護ネコ施設のことは記憶からすっかり消えていることでしょう。
ティブの執拗な毛づくろいの習慣はあいかわらずで、胴体の両脇の毛も薄くなってきました。
それでも、消炎作用のある苦い内服薬の効き目か、疑いがあった UTIs (urinary tract infections 尿路感染症 )らしい症状は寛解しているようです。尿に血が混じることも排尿困難な症状も見られません。
以下の記事で、以前いた人懐こいネコたちやインネンつけネコ、テイッグの写真が見られます。
今回書いた昨今の事情や、施設の状況がより詳しく紹介されています。リンクを貼りましたので読んでみてください。
うちのネコ2匹を見つけた懐かしの保護センターと手放さざるを得ない昨今の驚きのペット事情
ネコの幸福にわずかながらも貢献...ネコを愛する人たちが作り上げたネコの天国(見た目はちょっとゴミ屋敷)
ネコとの会話のボランティア、やりがいがあって楽しそうなネコ保護活動の悲しい一面
その金額の 押し付け合いのような 電話のやり取りを 丁寧になさる ボランティアの方には 頭が下がりますね
当家の犬は5才と15才 この犬が 生きてる間は僕は死んでは イケナイのでしょう
イヌやネコのために長生きの決意、いいことです。
本文ちょっと、キツイいい方でしたので書き直しました。私も子ネコのティブがうちに来た時に50代の後半、ティブが20年生きたとしたら80歳近くなっているわけです。人のことは言えません。
本当は成人ネコを引き取るつもりだったのですが、母子まとめて迎えることになり、後悔はしていません。
私もうちのネコ2匹がの一生に責任を持つつもりです。
浅井さんも私も、少なくとも一人暮らしではありませんので、その点は少しリラックスしても良いでしょう。