イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

トラブル続きのオリンピック開会式、時差で昼から見た約4時間、長かった!それなりに楽しめたこれまた冗長な感想

2021年07月24日 05時42分30秒 | 英国の、生活のひとコマ
英国時間で午前12時にスタートした東京2020オリンピックの開会式をBBC放送のライブで見てしまいました。



写真はもう開き直って、ストックポート日報ではおなじみの「うちのネコ」です。

4時間、キッチンにあるテレビで昼食を作って食べて片付けながら、庭に出て洗濯物を干したりゴミを片付けたりしながらダラダラと最後まで見ました。

長かったです。
...ですよね?

今日の話題は、開会式。私個人の感想と日本のみなさんが知りたがっていると思われる、英国のメディアの報道についていろいろと取り留めもなく書きます。

見終わった後、午後いっぱい次々と発信される日英のオンライン記事をチェックしました。
たぶん一夜明けた今、日本でも「海外ニュースによる報道」として次々と紹介されているでしょうから詳細は避けますが...

おおむね、英国のメディアは好感を持って伝えていました。
(1本、ボロXソ けなし報道あり)



開会式の中継の冒頭ではオンライン・ニュースですでに日本国外でも報道されていた「演出責任者がホロコースト・ジョークのために前日に解任」された件は、「多くの困難を乗り越えて開会にこぎつけた...」というまあ好意的な常套句の一部としてちょこっと触れられました。

ホロコーストを「ネタ」にしたジョークの内容や背景について私は日本のニュースで知っていますが、英国ではぜんぜん報道されていません。
私が見落としただけかもしれませんが。
「過去のホロコースト・ジョークのために開会式の前日に解任」とだけ聞いたら、その演出責任者はかつてホロコーストジョークが定番の持ちネタだったまるで札付きの反ユダヤ主義者のように聞こえますが、実際そんなことはありませんよね。

実際、よく知らないくせに歴史の授業やテレビや映画でききおぼえた「知的な」歴史がらみのジョークを調子に乗って口にした、浅はかで思慮のない行為というだけだと思うのですが。
開会式の作曲担当者のように激しい嫌悪感をおぼえるような悪行に手を染めたとも思えません。
知的障害のあるクラスメートに実際に自身がぞっとするようなイジメに手を下して、それを大人になってから自慢するような行為はさかのぼって追責されても当然だと思います。
でも過去1回の「ホロコースト・ネタ」で、前日に開会式を解任されるのは妥当な処置でしょうか。
国際世論を気にしすぎなのじゃないかと思いました...なんて書くと国際ユダヤ協会から抗議が来るでしょうか。

もしかしてもしかしたら...「解任されるほど悪質なことなのか?」と疑問を持ちながら報道した英国のメディアもあったかもしれません。
でも余計なことを言って「アンティ・セミスト(反ユダヤ主義)」などというレッテルを貼られると大ごとなのでサラッと事実のみ言及するにとどめているだけなのかもしれません。(私見)

国際ユダヤ協会だって、報告を受ければ黙っているわけにはいかないでしょう。
ナチスによるユダヤ人の大虐殺はそれはそれは怖ろしく、非道なことなのですから。
もちろん、笑いのネタにしていいようなことでは絶対ありません。

でも、30年前、20代のころ人気が出る前についうっかり...でしょう?



その人を解任したということですが、昨日世界中でテレビ放送された開会式のパフォーマンスはその人が総合アレンジしたのでしょう?
解任した意味があるのでしょうか。

選手が入場する時の日本製ゲームの音楽のオーケストラアレンジは BBC の解説チームに大好評でした。
知っている曲がメドレーで出てくるので、スポーツ担当らしい男性解説員は「これ知っている、これも!」と大喜びでした。

イジメ作曲家辞任で成功。



開会式の感想です;
パフォーマンスのひとつひとつはとても質が高かったようですが、「簡素に短く」を心がけたはずなのに盛りだくさんすぎではありませんでしたか。
本当に全部必要だったでしょうか。



最後のほうに出てきた「ピクトグラム」を模したパントマイムはとても楽しかったです。
オリジナルだし、日本的でした。

おおぜいで大きな箱を動かして作ったオリンピック・エンブレム、空中に飛ばしたドローンで作ったオリンピック・エンブレムも好きでした。
(市松模様に関する英語の解説がありました)

最後の花火も定番ですが見ごたえがありました。



世界平和を訴える「イマジン」も、大工さんたちが金色の五輪シンボルをたてる部分も外せなかったでしょうね。
でも大工さんの仕事歌に若者たちの群舞やタップダンスにつなげる必然性はあったのでしょうか。
いえ、パフォーマンスは本当に素晴らしかったのですが...長かったです。

ストーリー性のあるだしものの多くは長すぎたように思います。

最初のほうでトレッド・ミルの上を黙々と走る女性が出てきて、「パンデミックのあいだ黙々とトレーニングを続けるアスリート」という解説を聞いた時、「ちょっといいな」と思ったのですが、つづくダンスでつづる感動ストーリーが長かったのです。

コービッド死者への黙とうにつなげる前衛舞踊も歌舞伎とピアノ演奏も芸術性の高さには文句のつけようがなかったはずですが、できるだけ簡素に短くあげるべき開会式のパフォーマンスに必要だったか、疑問に思いました。
夜も遅く、暑く、翌日から競技のある選手たちは疲れているし、ただでさえパンデミックのさなかにめちゃくちゃ密になっている状況はできるだけ早く切り上げるべきだったのに...

なんだか長く長く引きのばすべく努力をしているように思えました。



なんと言っても長かったのが橋本聖子JOC 会長とトーマス・バッハ IOC会長のスピーチです。
驚いたことに、「長い」と評した英国メディアは(7月23日の時点でオンラインニュースで見る限り)皆無です。

日本のメディアは一様に「長い長い」とモンクたらたらで、共感できました。
バッハ会長の長話のおかげでテレビ放送枠を延長せざるを得なかったという記事を読んで納得です。
時差で昼間に放送した英国では、余分な時間枠を最初からとっていたのでしょうか、ライブ中継後の短時間を英国のメダル予想などの解説に費やしていて、時間オーバーだったなんて気がつきませんでした。

(長いスピーチ話の続きです)
開会式の出場者、関係者には英語が分らない人もいっぱいいたでしょうに。
橋本会長の日本語スピーチのあいだは競技場内のスクリーンに英語の翻訳と手話(何語の?)の通訳が映し出されていたようですがやっぱり長くて英語も日本語もわからに人には耐えられなく長い時間だったことでしょう。
特にバッハ会長の冗長なスピーチの時に何度も手持ちぶさたにキョロキョロしている日本人選手が映し出されて気の毒になりました。あ、日本語訳が出ていたのでしょうか?



「がんばって日本語を混ぜてスピーチする外国人に好感をもつ」という日本人の特徴をちゃんとリサーチしてしっかり日本語入りのスピーチ原稿を用意してきたバッハ会長、惜しい!

その努力を簡潔で要領を得たスピーチ原稿作成に使うべきでした。


BBC の解説員が読み上げる解説原稿では、日本人パフォーマーや大会関係者の名前がすべて「姓→名」で呼ばれていたのに(例;ハシモト・セイコ)、選手の名前は「名→姓」の西洋式 (例;ナオミ・オサカ)でした。
聞いている人は混乱しないかと心配になりました。

「マスクを外している外国人選手が少なからずいた」という日本のメディアの速報がいくつかありましたが、それどころではありません。
せっかくソーシャル・ディスタンシングを重視して国と国を離して入場行進をしたらしいのに終わったらバラバラに散らばって記念写真を撮りまくっているではありませんか。
マスクにこだわる日本人、なぜ?
(決まりぐらい最低守ろうよ、守ってよ、という気持ちはわかりますが)



天皇陛下が起立して「開会宣言」を述べている時に遅れてダラダラと立ち上がった礼儀知らずの菅首相の映像ももちろんバッチリBBCで放送されましたよ!
世界中に配信されていることでしょう。
眠そうでしたね。
やっぱりスピーチが長すぎたのです。



オリンピック競技には全く興味がない私も選手の入場行進は楽しめました。
ユニフォームや、規律の有無をチェックしたり(歩きながらスマホをいじっている選手が多数、インスタグラムにライブ投稿していたみたいですね)。
聞きなれない小国に関する地理学のウンチク(人口はたったの200万人で公用語はポルトガル語...等)を聞くのも楽しかったです。
ええ、さすがに長くて、このあたりは家事をしながら、時々席を外して見ましたが。













コメント
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