ウエーファ欧州選手権 UEFA European Football Championship 2020(サッカーのヨーロッパ杯)の準決勝でイングランドがデンマークに勝ちました。
私は実は全く興味がないのですが、後半だけ夫につきあってテレビで観戦しました。(後述)
...今日の話題は、規制が撤廃されつつあるパンデミック下の飲食、です。
先週の土曜日(準々決勝の日)ストックポートのタウンセンターを横切る国道A6沿いにあるマクドナルド Mac Donald's (ちなみに、発音はマクドゥノオウズ)でマックシェイクを買いました。
国道A6に面したそもそもの正面入り口は「出口専用」になっていたので裏にまわって、大きな駐車場に面した出入り口から入りました。
客どうしが出入り口で向き合わないようにする「(効果が疑わしい)感染拡大防止」のための一方通行策です。
バスを待つ30分ほど、店で座ってゆっくりしたかったのですが、気が変わって持ち帰りに変更しました。
店内の飲食はすでに解禁です。しかし店内で飲食するのなら例の「国家保健サービス感染者追跡アプリケーション NHS Track & Trace App 」をスマートフォンに搭載していない私は、連絡先を書いて残さなくてはならないと言われたためです。めんどくさいので持ち帰ってバス停で飲むことにしました。
店内で飲食していたのは、入り口近くでだらしなく椅子の上に足をあげている若い男性(☟の写真)ただ1人でした。
駐車場に面した裏側の入り口の近くには30人以上の男性たちが静かに群れていました。
多くが彫りが深くて浅黒い顔立ちの中近東系の若い男性(しかも全員、黒衣でした)の群れを遠くから見かけた時はちょっとおじけづきました。
ウーバーイーツやデリバルーなどのロゴ入りクーラーバッグを手にした、宅配エージェントのドライバー(配達員)です。
それにしても、土曜日の午後5時前後のタウンセンターのマクドナルドのガラガラぶりと、宅配ビジネスの空前絶後の盛況ぶりにはたまげました。
コンピューター画面で注文したチョコレート・マックシェイクは用意ができたらカウンターまで取りに行くことになっています。
そのカウンターはすごいことになっていました。
第一、近づけません。
衝立のむこうで、たった1人のスタッフが注文の品を手早く大きな紙袋に詰めていました。
3人のスタッフがかわるがわるカウンターと入り口付近にたむろする配達員の群れのあいだを小走りに行き来して、紙袋を手渡していました。
番号か何かの確認があったようですが「お待たせ」とか「どうも」とかの通常の言葉を掛け合うこともなくほぼ無言。
配達品を手にした配達員がクルマやモーターバイクですばやく立ち去ると同時に次々と新しい配達員がやってきます。
私のマックシェイクを受け取るまでの10分間(長い!)そのあわただしいやり取りをずっと立って眺めていました。
夜の8時からの準々決勝感染前に手早く詰め込む夕食の注文でしょう。
私の他には持ち帰りの客が2組いました。
いずれも10人分とも思われる巨大な紙袋を、手分けしていくつも受け取っていました。
まだ屋内では同世帯の人以外とは3人以上で会ってはいけないはずなのですが....!
なんだか、もう本当にどうでもいいみたいです。
昨日の準決勝には6万人がステーディアムで観戦したようですし。
そのうち5千席がイギリス在住のデンマーク人のために割り当てられたそうです。
通常であれば、注文した品ができ次第カウンターの上の表示板にレシートに書かれた番号が表示されて取りに行くことを促されるのですが、その仕組みもとまっていました。
いつまでも何も言われないので催促にいったら、ずいぶん前に用意ができていたらしい私のマックシェイクを奥まで取りに行ってくれました。
どうやら全店あげて大量の宅配注文をさばくことだけに集中したい日だったのかもしれません。
マックシェイク1杯の注文や店内での飲食はあまり歓迎されていないムードでした。
その日は友人とタウンセンターで遅い昼食を食べました。
(マクドナルドに寄ったのはその友人と別れた後、帰宅のバスに乗る前です)
イギリスのレストランやパブでは午後3時をすぎると昼食のオーダーをストップすることが多いのです。
出遅れた私たちは1日中食事を提供している人気のプロデュース・ホール Produce Hall で食事をすることになりました。
とてもオシャレな、多国籍エスニック料理のカウンターが種類別にいくつかある大ホールです。
本来はそれぞれのカウンターで好きなものを注文してお金を払えば席まで持ってきてもらえる仕組みですが「学生食堂」や「社員食堂」のようなザワザワした雰囲気はぬぐえません。
今回は感染拡大対策で、座席は外のみ、屋内にも立ち入り禁止でした。
メニューは、テーブルに貼ってある(前述の)「国家保健サービスの感染者追跡アプリケーション」と連動しているQRコードにかざして見るしくみです。
友人は「追跡アプリケーション」を搭載しているにもかかわらず、旧式なスマートフォンのため、QRコードには反応しません。
「追跡アプリケーション」利用はあきらめカウンターごとに違う、QRコードが印刷された紙を店員さんにもってきてもらって、「追跡アプリケーション」を搭載していない私のスマートフォンにかざして画面にあらわれたメニューを見て注文支払いをすることができました。
本来なら、「追跡アプリケーション」をスマートフォンに搭載していない人はメニューを見られない(外食できない)ことになっているはずなのです!だったら紙のQRコードなんか用意しておかないで「追跡アプリケーション」を持っていない人は来店お断り、にでもするべきではありませんか?
何のための「追跡アプリケーション」なのでしょう?もちろん、私たちがその時間にそこで食事した記録は政府の「追跡アプリケーション」には跡形も残っていません!
マクドナルドと違い、連絡先を残すようにとも言われませんでしたから。
ベトナム料理を注文してカードで支払ったものの、飲み物はまた別の飲み物メニューの紙に印刷されたQRコードをかざして別に支払わなければならないという想像を絶するわずらわしさ!
(パンデミック前の、行動規制がなくて自由に店内に出入りできた頃には、欲しいものがあるカウンターに行きその場で注文、支払いをしてまわっていたのです)
めんどくさいのでドリンクのオーダーはやめにして、無料でもらえる水道のお水を持ってきてもらいました。
「追跡アプリケーション」を搭載していれば1回の入力ですべてのカウンターの品を注文できるらしいのですが。
「追跡アプリケーション」を国民に浸透させる政府イチ押しのはずのこの仕組み、搭載している友人のスマートフォンでは使用できなくて、していない私のスマートフォンでもメニューが見られるなら... 意味なし!
「テレビ観戦まえに自宅でで手早く夕食」需要が非常に高かったその日のマクドナルドでは店内飲食(しかも飲み物のみ)の客を引き止めたい理由など全くなかったのでしょうね。
反対に、飲食店にとって書き入れ時の規制撤廃が始まった今、座って昼食を食べたい私たちを「追跡アプリケーション」を持っていない(もしくは持っていてもそれを使って注文ができない)という理由で断って30ポンド前後の売り上げをふいにするなんて全くのナンセンスだったはずです。不備の客のための抜け道注文法がまかり通っているのも当然ではありませんか!?
まあ、規制がゆるかったのは「屋外席」だからともいえるのですが。
ちなみに、イギリスのスマートフォンの普及率は日本よりも高いそうです。
イギリスには日本独自の「ガラケー」とかいう高度に発達した携帯電話がなかったものですから、スマートフォンへの切り替えが日本よりもずーっと迅速に進んだようです。
それはともかく...!
準々決勝のその日は、夜8時からの試合前の景気づけに午後いっぱいストックポートのタウンセンター中が酔っ払いであふれるのではないかと懸念していたのですが、雨もようのためかどこもガラガラでした。
コロナウィルス感染防止対策の行動制限を予定通り19日に撤廃する是非が国会で激論されています。
議論の余地はあるものの今のところ撤廃が決まっているようです。
マスクの着用も任意になるはずです。
(法定でなければイギリス人はいっせいにやめることが予想されます)
人数制限もなく誰とどこであっても良いことになります。
日常生活を完全に取り戻すことにするらしいのです。
飲食店にとっては通常の営業が悲願なはずです。
客の私たちもQRコード連動のメニューと形骸化した追跡システムには心底ウンザリ....
でもしかし!
ワクチン接種の効果があがり、重症者、死亡者は激減してはいます。(昨日の新規感染者は32、548人と増え続ける一方なのですが!)
ちなみにイングランドの決勝戦進出に夫はむせび泣きしていました。
「この瞬間のために今まで生きてきた気がする」とも言い切りました。