普天間飛行場のある沖縄県の宜野湾市長選をめぐり、防衛省沖縄防衛局長が、関係部局にメールで照会して宜野湾市に住む職員と親族に関するリストを作り、市長選への投票を呼びかけていたことが問題になっている。またまた沖縄防衛局かという感じである。
局長は、職員に対し、「講話」を行ったようで、「私は職員に、特定の候補者に投票しなさいと言える立場ではありません。」と断った上で、候補者の2人の主張の違いを紹介し、重要な選挙であり、ぜひ投票に行くよう述べたそうだ。
この講話の内容については、公職選挙法の地位利用はもちろん、国家公務員法や自衛隊法の政治的行為の制限に微妙に触れないようにし、かつ、特定の候補者への投票の誘導を想起させて意図した効果を上げられるよう、なかなか周到に計算されている。発言内容は頭のいい官僚が考え、組織的に十分検討されたことであろう。
局長の弁解のように、公平な立場で単純に投票に行くよう呼びかけるために職員を集めて局長が講話をすることは、組織として100%ないと断言できる。何かの都合で本当にそのような周知を行う必要があったとしたら、総務課あたりから、投票に行きましょうという、通りいっぺんの通知が出されるだけである。
一方で、wedgeの報道によると、今回、宜野湾市の職員労働組合においても、特定の候補者(どうみても防衛局長が示唆する候補者とは別の候補者)を支持するチラシや支持者カードの配布・回収などが公務員の手により日常的に勤務時間中に行われているそうだ。
これは、役所の友人から聞いた話とも合致しており、労組の政治活動はどうやら日常茶飯事らしい。特に、日教組など、教員系の組合で多いようだ。民主党も、最初は息巻いていたのに、局長の行為は法令違反ではないなどと軌道修正してきているが、支持団体である労組の方に波及するとまずいので、ひとまず追求をあきらめたのではないだろうか。
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