6月6日シリアの政権側が反政府勢力の補給の拠点クサイルを占領した。ここはレバノンからの補給の拠点でもあり反政府軍は大打撃だ。
一方トルコのデモの理由は色々あるであろうが、なぜこのタイミングなのであろうか?IOC(イスタンブールは東京と2020年オリンピックの開催地を争っている)の決議にも大きく影響するこの時期になぜであろうか?シリアの政権側がトルコの介入を嫌い、トルコ国内で燻っていた若者の不満を煽り、デモを大火事にしたと言う見方は、少々穿った見方であろうか?
シリアの現政権は中東の民主化の大波に耐えている。エジプトもリビアもこの民主化の波に洗われて独裁政権が崩壊した。しかし現アサド政権は民主化の波に耐えている。ヒズボラを抱えているためか?ロシアやイランが支援しているためか、良く耐えている。
シリアの反政府勢力に協力的となる可能性が高い強国はNATO加盟国のトルコである。イスラエルはこの地の状況から直接的な支援はやりづらい。間接的に化学兵器工場を攻撃するのが精一杯で、反政府勢力に組みするシリア国民のイスラエルへの嫌悪感を無視できない。一番の懸念は隣国のトルコである。そのトルコがデモの影響で外国に関わる余裕がなくなっている。偶然で片付けて良い問題であろうか?トルコの若者に対し何らかの支援があったとみるのが、妥当ではないか?シリアかロシアかイランのいずれかが支援したと見るべきであろう。
しかし日本人に解らないがトルコ人のロシア嫌いは筋金入りであり、シーア派のイランに対しては「狂っている」と思っている国民が大多数だそうだ。するとシリアのアサド政権が現在トルコに避難している難民キャンプを拠点に動いたと観るのが、一番無理がない。アサド政権ではなくアサド政権の支持者とすれば可能性はより高くなる。
このようなモノの見方は、北朝鮮拉致事件が実行犯だけではムリで日本国内に支援者がいたと考えることと似ている。同様に在日特権の廃止に繋がる国民背番号制は30年ほど前のレインボーシステム(納税番号、パスポート番号、運転免許番号、年金の番号、保険証の番号、住民台帳の番号と後一つ忘れた、とを統一番号で管理する)を旧社会党、共産党が国会で潰した過去を見ても、ここに利益があった者の影響を感じ取れる。今また、この統一番号を採用しようとしているが、年金問題等の影響から反対派の声は小さい。
「偶然は」現実的には思っているよりは少ないようだ。誰かの意思が大なり小なり働いてその「偶然」を導く、こうなると「必然」と言うことになってしまう。これに証拠を挙げても意味がない。証拠は後々出てくることもままあるが、その時に戻れない以上意味がない。