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読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

「レッドクリフ Part1」大地を駆けるいにしえの男たち

2008-11-20 01:24:34 | 大作映画ハリウッド系
レッドクリフ Part1」★★★☆
トニー・レオン、金城武 主演
ジョン・ウー 監督、2008年、145分



三国志は中学の頃確か
読んだはず、
最近になって読み返そうかと
書店へ行ったら、分厚い文庫が5巻、
その背表紙を見ただけで退散した。

物語の量を考えると
中心となる人物はもちろん、
もっと語られるべき人たちの
キャラクターも薄められているだろうが、
全部を忠実にというより
描きたいところをとりだしたのだろう、
心躍るシーンもいくつかあって、
見応えのある映画に仕上がっていた。


映画としてどっしりとした部分を持ち、
時折のユーモアと
美しい山野、
人はそんな中でも争わないと
生きている実感を得られないとでもいうようだ。

背後からは襲わない正義だとか、
主君への忠義だとか、
礼節など、今では言葉では語られるが
死語に近い事柄に
昔は人は命を懸けたのだ。

自分の思うようにはならない
「枠」の中で何かを犠牲にしつつも
忠義を尽くすとか
そんなの今どきないよと思う反面
こんなふうに画面でみせられると
人間の品位だとか品格だとか
そんなことを考えてしまう。


完結編では魅力ある主人公達が
死んでしまうのだろうな、たぶん。
でもその無常感にどっぷり
はまってもいいかな。

★100点満点で75点

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三国志ファンには物足りないだろうな、
でもちゃんと描こうとしたら10作くらい必要だろう。

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「真木栗ノ穴」貧乏作家の小説世界を覗き見る

2008-11-18 00:09:17 | 邦画
「真木栗ノ穴」★★★☆
西島秀俊 、粟田麗 主演
深川栄洋 監督、2007年、110分



取り壊しの決まっている
ボロいアパートの一室で
売れない作家の主人公は
壁にあいた穴から隣を覗き見、
その様子を連載小説に書き始めた。

この小説はまさに
小説世界そのものだ。

目で見たものをを文章で表現するように、
丁寧に丁寧に映し出していく。

だからって格調高いって訳じゃなく、
穴から見える光景に
自分の創造を加えたはずが、
原稿用紙に書き記すことで、
それが現実となっていくような
奇妙な感覚に捕らわれていく。

貧しい暮らしをしつつも、
窓際に置いた机に向かって
ペンを走らせる姿は
懸命でまっすぐで
侘しい貧乏暮らしながら
輝いているようにさえ見える。

映画を見て、心躍るとか
勇気がわいてくるとか
そんななにかプラスになるような要素は全く無いけれど
ひとつの映画の世界がそこにある。

主役の西島秀俊の存在が際立つ作品、
どんな映画だったかと聞かれたら
「変わった映画だったよ」と答えるかな。

★100点満点で70点

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映画の出来と映画が語る事柄の意義はまた別物。

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「七夜待」良いのはポスターだけ

2008-11-16 00:09:15 | 邦画
「七夜待」★☆
長谷川京子 、グウレゴワール・コラン 主演、
河瀬直美 監督、2008年、90分



海外旅行に行くと
日本女性の一人旅途中の人も多く見かける、
旅慣れた様子はコッチも見習いたいくらい、
英語が話せ、
気配りをし、なにより旅を楽しもうと
そんな気持ちが伝わってくると
僅かな言葉を交わすだけでも、こっちも嬉しくなる。

でも、そんな人と同じくらい
勘違いな旅行者も多く見かける、
自分のお金をみんなが狙っているくらいの
勢いで、バッグを胸あたりでかたく
握り締める人や
この国の人はみんな私をどうにかするかもしれない
そんな哀しくなるくらいこっけいな人。

そんななら日本で自分のいつもの暮らしを
守っていればいいのに、

「何か」を求めて、日本と同じようにしようと
奮闘している。

この映画を見ていて、そんな気持ちを思い出した。


「人生のリセットを求めてタイに着いた日本人女性が主人公、
タクシーに連れて行かれたのは森の中」


自意識過剰な勘違い女が
ひたすら自己を守り、他者を認めない姿が
哀れにさえ映る。


監督はそのあまりに「場違い」なところに
何かを言いたかったのだろうが
それは全く成功していない、ただただ
哀れでアホくさい姿が際立つだけ。

この映画はかつての香港映画のように
かっちりとした脚本も無く、
場面設定をその日その日出演者に渡して
演者に自由に演じてもらっていたようだ、
それはそれで何が出来上がるか分からない
面白さもあるだろうが、
それは実験映画ならいいけど、
そろそろ「面白い」映画を作って欲しいな。

作家性を主張するあまり
お金を払って見に来る
観客を忘れてしまったようだ。


予告編やチラシでみんな薄々感じたのか
150人くらい入る客席に8人くらいの
寒々しい映画館で
暑い国が舞台の映画を見ながら
醒めた気分は劇場を出て
地下鉄に乗る頃まで続いた。

こんなの作ってると
そのうち誰も見なくなるんじゃないかな。
勝負作を期待したい。

★100点満点で35点★

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タイが舞台なので見に行ったが、
どこかの山奥ならどこでも良かったような。

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韓国映画「宿命」から聞こえる雑音アレコレ

2008-11-14 00:09:09 | 韓国映画・アジア映画
クォン・サンウ、ソン・スンホン主演『宿命』の危機



クォン・サンウ、ソン・スンホン主演、
キム・ヘゴン監督の映画
『宿命』が日本でトラブルに
巻き込まれているらしい。

もともとこの映画は昨年8月には
完成前にも関わらず
200万ドル(約2億3000万円)で輸出契約を結んだと
華々しい話題を作っていたが、
今回明らかになったのは
公開合意金は約3億ウォン(約1994万円)だったということ。

いったいどこから200万ドルという金額が
出てきたのか。


これまでの興行収入は1億5千万円あまり、
単純に考えると2.000万円弱の買い付けなら
利益は出るのだけど、
宣伝やモロモロで赤字となって
フォーミュラーエンターテイメントという
日本の配給会社が
「予想外の追加経費がかかって
精神的なダメージまで受けたことから、
合意金を支給するのは困る」と通知したらしい。


クォン・サンウやソン・スンホンの
ギャラがちゃんと払われてるのかも心配したくなる、
何故なら韓国の制作会社の上場廃止等
この映画は色々有るらしいから。


どこまでホントかどうか分からないけど、
GLAYの歌を本編にかぶせたり
最悪の編集と映画ファンを馬鹿にしたような
日本版上映の代償は大きかったか。

映画の出来は「普通」で、
色んな要素を盛り込んだけど、
心を熱くさせてくれるような「何か」は無かった。

韓国のMKDK側は「約束の意味を知らない日本人と
仕事をしたとは遺憾」とし
「残金を支給しないのは、他人の物を盗んだことと同じ。
今すぐ映画の情報や資料を返却すべきだ」と主張している。


さて、もうすぐ韓国で多くの観客を集めた
「D-WARS」で、離れた韓国映画ファンを取り戻せるか。
韓国映画ファンとしては、
もっとしみじみいい映画を地道に
買い付けて公開してもらいたい。


ここに書いた記事の多くの引用は「中央日報」から。


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俳優で観客を呼べるというのは相当大変なことだ、
こんな有名な二人の映画も韓国でも大ヒットとはならなかった。

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「Xファイル:真実を求めて」映画的な世界には到達せず

2008-11-13 00:25:54 | 大作映画ハリウッド系
「Xファイル:真実を求めて」★★★
デヴィッド・ドゥカヴニー 、ジリアン・アンダーソン 主演
クリス・カーター 監督、2008年、アメリカ



モルダーとスカリーの名コンビ。
今回彼らが挑むのは、FBI女性捜査官の失踪事件。

冒頭のテーマ曲が流れると
「おお、始まる、始まる」と気分が高まる、

TVの時間を楽しみにしていた
今の海外ドラマブームの先駆者的存在、
主演の2人は今は全く別の生き方をしている。

そのあたりの背景から丁寧に描いている、
そして「猟奇的」ともいえる犯罪は
目を背けたくなるようなものだ。

超能力者を名乗る人物を
疑いながらも、全く否定は出来ない、
何故なら2人は今まで多くの
不可思議な超常現象ともいえることを
見てきたからだ。

展開はドラマの通り、
でも真実が明らかになると
「なんか違うな」と。

この程度の「恐るべき真実」なら
TVシリーズの範疇じゃないかな、
映画の大画面で見るほどじゃない
急に醒める気分は、
なんとなく幸せな予感のラストも救ってはくれなかった。

でもこのスーパーナチュラルで
「絶対無い」とは言い切れない
様々な現象はまたドラマでやってくれたら嬉しい、
このドラマの「キモ」の部分は
もっと軽めな
「そういうことって、あるかもな」くらいの
ノリで見せて欲しいからだ。


しっかし、あまり入ってない劇場、
シリーズ終了から6年と言うのは
あまりに長すぎたか。

★100点満点で65点

soramove
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主演の2人は最近あまり見かけない、
強烈な作品に出るということは、幸せであり不幸にも思える。

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