soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

書籍「罪の声/塩田 武士著」その“声”に着目した時、「罪」とは一体なんだったのだろう

2017-02-16 01:09:50 | 読書の時間
書籍「罪の声/塩田 武士著」★★★★☆
出版社: 講談社 (2016/8/3)
418ページ、1782円

<リンク:
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

罪の声 [ 塩田 武士 ]
価格:1782円(税込、送料無料) (2017/2/20時点)


>@

      →★映画のブログ     
どんなブログが人気なのか知りたい



週刊文春」ミステリーベスト10 2016国内部門第1位!
第7回山田風太郎賞受賞作。

「逃げ続けることが、人生だった。
家族に時効はない。
今を生きる「子供たち」に
昭和最大の未解決事件「グリ森」は影を落とす。

「これは、自分の声だ」
京都でテーラーを営む曽根俊也は、
ある日父の遺品の中からカセットテープと
黒革のノートを見つける。

未解決事件の闇には、犯人も、その家族も存在する。
圧倒的な取材と着想で描かれた全世代必読!
本年度最高の長編小説!」



最近は映画に出かけるより
本を読む時間が増えている、

あとは犬の散歩。


この本は新聞の書評で気になって
ネットで買っていて、
昨年からの在庫、やっと順番が回って来た。

「グリコ・森永事件」って名前に
記憶はあるけど、もう詳細は分からない、
ただ子供が食べるお菓子に
「毒を入れる」という脅迫や
グリコの社長が風呂場から
誘拐されたこと、
身代金の要求はあったが
確かお金は手に入れて無いはず。


会社の名前は変えてあるが
起きた事実のほとんどは
この小説の中で使われているらしい、
面白そうだな、と読み始めた



この小説の読みやすいところは
犯人を追い詰めていくというより、
脅迫に使われた「子供の声」が
自分なんじゃないかと疑う男が
僅かな証拠を頼りに
かなり真実に近づいていくあたり。

これなら自分も凄く身近に感じる。
そして「怖いな」と感じる


そしてもう一方では
新聞社の文化部の記者も
仕事としてこの事件を掘り返し、
二人にとうとう接点が現れる。

犯行の動機とか
犯罪者側の言い分じゃなく、
ほぼ当事者、でも利用されただけの
子供たちの苦しみ、
このあたりはフィクションながら
胸を突かれた。



読みながら感情が高ぶり
思わず涙を流したが
これは感動じゃなく、
彼らの心の苦悩がリアルに伝わったからだ。


「かい人21面相」と名乗り
愉快犯とも言われたようだが

本当はあの時、何が起こり
何が行われていたのか
真実は分からない、
でもその一つの答えがこの小説にある。


凄く面白かった。この著者の他の作品も読んでみよう。

★100点満点で90点

soramove

                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい