とんびの視点

まとはづれなことばかり

震災から10年

2021年03月11日 | 雑文
震災から10年がたった。
東京にいたので、直接的には大した被害はなかった。
(食器棚からいろんなものが落ちて割れたり、レンジの扉がおかしくなったりした程度だ)
でも、いろんなものが大きく変わってしまった。

夜、気仙沼が燃えている映像をテレビで見たとき、ああ、世界は変わってしまったと感じた。
翌朝、津波でなくなった人たちの数が、千人単位で増えていくのを見て、がく然とした。
(記憶では、若林地区で千七百人くらいの被害者が‥‥、という内容だ。)

そして、原発が爆発した。
廃炉には40年かかると言っているテレビを、10歳の長男と見ていた。
この子が50歳なのか、私たち大人はとんでもないことをしてしまった、とがく然とした。
私たち大人は、子どもたちに責められても仕方がない存在になった。
同じようなことを二度と繰り返してはいけない、そう思った。

震災前は、頻繁にブログを書いていた。
自分なりにいろいろ考えて、言葉にしていたつもりだった。
でも、震災を経て、自分の言葉が軽いもののように感じられ、書かなくなった。

書かない代わりに、原発について本を読んだり、抗議行動に足を運んだりした。
日本国憲法も何度も何度も読み直した。
社会や政治に関する知識もたくさん身に付けた。
(頼まれたので)小学校のPTA会長もやった。(がらにもなく)

書かないけれど、震災以前より、頭の中では言葉はあふれていた。

震災から10年がたった。
はたして、この社会はより良くなったのだろうか?
子どもたちに「この社会で、生きるのっていいぞ」と言えるだろうか?

残念だが、そう言える自信はない。

本当は書き続けなければいけなかったのかも知れない。
書くことで、自分の言葉の軽さが現実に届かないことを実感する。
そんなことを繰り返すべきだったのかも知れない。

ふと、そんなことを思った。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿