いつから始まったかはわからないが、NHK大河ドラマで、
その主人公のゆかりの地に大河ドラマ館をPR効果を狙って造っている。
ここ「渋沢栄一 青天を衝け」深谷大河ドラマ館は
今年2月16日に深谷生涯学習センター・深谷公民館でオープン。
来年の1月10日(月・祝)まで開館している。
本来なら土日は大勢の人で混んでいるのだろうが、コロナ禍の中、
館内はゆったりした入りで密にならずゆっくり楽しめた。
広い駐車場とドラマ館の間には記念写真用の
大きなパネル前で写真を撮っていたがパラパラの人だった。
新1万円札を持った渋沢像のこのパネルをよく見ると
渋沢栄一が生きていたら181歳だそうだ。
館内に入るとアンドロイド映像の渋沢栄一と尾高惇忠、
尾高長七郎のパネルが迎えてくれる。
天井からは藍で染められた長い布が下り、井戸が設けられていた。
そしてそこには深谷市のイメージキャラクター(ゆるキャラ)の
「ふっかちゃん」が手を振って歓迎してくれた。
「ふっかちゃん」は2010年に生まれ、深谷ねぎをモチーフにできた。
2013年のゆるキャラグランプリでは4位、2014年は準グランプリ、
2015年は3位、この年のキャラ(R)forチルドレンでは初代グランプリに輝いた。
いよいよドラマ館へ入館。
当館は一部の動画、サイン等、撮影禁止マークの所を除けば
写真撮影はOKとなっている。
入館前の渋沢栄一4枚の大型パネルの前で記念写真を撮って下さいとすすめられた。
チケット売場の前には主役の渋沢栄一役の吉沢亮、渋沢喜作役の高良健吾、
渋沢なか役の村川絵梨のサインと当館での写真が
入館日を記念して展示されていた。
実は大河ドラマを見ていて気になっていた疑問が一つ解けた。
ドラマが始まるスタート時の字幕にテーマ曲の指揮者がN響正指揮者の尾高忠明とある。
ひょっとして尾高氏は尾高家のひ孫ではないかな?と思っていた。
この場の資料を見て渋沢栄一のひ孫ということが分かった。
これはまさに運命的な巡り合わせだとしみじみ思います。
主人公の渋沢栄一が生まれ育った家として創作されたセットでは、
当時の暮らしぶりを身近に感じられる。
そしてポイントポイントに各役者さんの等身大のパネルが置かれ、
来客者はその横に立って、なかには肩を組んで記念写真を撮っていた。
栄一の母・ゑい役を演じているのはスミダマンの好きな女優・和久井映見。
アイドルだった映見ちゃんも随分オバサンになってしまった。
ドラマのセット、ドラマに登場する衣装や小道具のコーナーでは
今まで放映されたドラマのシーンを思い起こさせ
大河ドラマをより楽しむファクターとなった。
ドラマ館のポイントポイントには撮影現場の裏舞台など貴重なDVDが流れていて、
時間が過ぎるのを忘れてしまう程、興味ある映像シーンが見られる。
なお、このDVDは動画撮影が禁止の為、
残念ながら皆様にはご紹介できません。
「青天を衝け」の人間相関図。
今まで大河ドラマを見てきて、人と人のつながりがよく分からない人物がいたが、
この図を見てその関係が一目瞭然となった。
それにしてもここに出ている役者だけでも50名もいるとは、
一つの芝居を作るのは大変な作業だ。
武州藍の生産番付表。
行司は渋沢栄一と喜作になっている。
この番付の版木は比較的最近、親戚の家から発見されたと、
「ブラタモリ 深谷編」で言っていた。
この番付作成の発想が将来の栄一の経済界での大活躍を暗示するものとなっている。
栄一の実家の渋沢家は染物の顔料「藍玉」の生産、製造、販売を
一貫して行う裕福な農家であった。
栄一は単なる農家ではなく、メーカーとして商社としての
ビジネス体験を若くして実践していた。
撮影風景やキャストのインタビューを上映する「4Kドラマシアター」は迫力があり、
撮影の苦労話など裏側の物語が紹介され、
その見応えさに終わるまでこの席を一歩も離れることができなかった。
「青天を衝け」のメインキャスト8名のスチール写真とコメントが載ったコーナー。
パリ万博のパビリオンで外国人に混じって栄一達武士の一行が
エレベーターに乗ったシーンに使われたエレベーターのセット。
こちらは左側が渋沢篤太夫(栄一)と右側が渋沢成一郎(喜作)の着た着物衣装。
これを見て裏方の衣装係さんの苦労が見えるようだ。
これは平岡円四郎(堤真一)が妻・やす(木村佳乃)へ残した文。
実際に撮影で使われたものが展示してあった。
これが尾高淳忠を中心に渋沢栄一など攘夷の血気に燃える仲間達が高崎城を乗っ取り、
外国人居留地を焼き討ちする計画を立てた時に書かれた
アジテーションの神託と血判状。
文字の大小、使われた文字の激しさがその時の思いを伝えている。
これが大河ドラマ青天を衝けの第1回、第19回、第25回の台本。
中も是非見たかったナー。
ドラマ館最後の展示コーナー。
ポイントポイント写真を撮っていると係の年配女性がそっと横に来てすごく優しく
「申し訳ない。ここは写真撮影もダメなんですヨ。ごめんなさいネ。」と
こちらが恐縮してしまう程、断り方が素晴らしい。
人の心を動かすのは北風ではなく太陽だと改めて実体験し、学ばされた。
この掛軸の書は、明治6年6月24日、明治天皇の母である皇太后(英照皇太后)と
皇后(後の昭憲皇太后)が富岡製糸場へ行啓された時、
一行を出迎えた初代場長の尾高惇忠が書いた漢詩です。(複製品)
その行啓の様子を惇忠が詠んだものだ。
ドラマ館を出ると吹き抜け的なトップライトの広場がある。
そこには1936年製のナッシュ・ラ・ファイエット3610が展示してあった。
ここはドラマ館の隣りにある深谷物産館。
深谷の特産品や新鮮野菜などと同時に大河ドラマ「青天を衝け」のロゴグッズや
ふっかちゃんグッズなどが取り揃えてある。
最後に大河ドラマ「青天を衝け」の渋沢栄一役の吉沢亮のアップポスターをプレゼン。
このポスターには小さく「仁なる者に 敵は無し」と・・・。
作は大森美香、音楽は佐藤直紀、題字は杉本博司が担当している。