スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

浦和エリア旨い店シリーズ ~その16-Ⅲ~

2022-02-16 06:39:27 | 食~居酒屋

あの青春の味、南蛮亭が49年間の歴史に幕を閉じました。

超寂しい!

今、南蛮亭ロス状態です。

この方が約半世紀お世話になったT村大将です。

口数は少なく、若い頃は和食に没頭し、

やがてこの焼鳥業界で六本木に於いて一世を風靡し、

人の縁で浦和の地に草鞋を脱いだ筋金入りの職人です。

日本の城が趣味で、スミダマンが城に行っては

その話で盛り上がったのを思い出します。

この1枚がT村大将夫婦。

お母さんのフランクで飾らない人柄は

人を惹きつけ、密かなファンが沢山いたことでしょう。

最近はだいぶお疲れで夫唱婦随で本当に頑張ったと思います。

長い間、大変お疲れ様でした。

そしてお世話になりました。

そしてこの薩摩芋焼酎「邑」を何十本も飲んだことでしょう。

いつも南蛮亭では生ビールを1杯飲んだ後、

水割セット(南蛮亭の氷は水割用の砕氷)で

焼酎の水割りを焼鳥と交互にいただき、長い年月が過ぎた。

今まではごく当たり前の南蛮亭の夜の店構えも、

今となっては貴重な記録の写真となってしまいました。

今回は南蛮亭の焼鳥を1本でも多くブロブに残して、

その味、その姿を偲んでみたいと思います。(すごく感傷的です。)

2011-4-23 ~その16~

2017-10-15 ~その16-Ⅱ~

2021-7-24 西口記録写真 参照

当店は浦和駅西口再開発、そして新型コロナの影響(憶測です)で

2022年1月31日、49年間の一途の歴史を終えました。

当店の店内風景。

特にこの小上り座敷では昔、よく様々な懐かしい人達と

喧々諤々の議論をしたものです。

まさに兵どもが夢の跡といった感じを強く持ちます。

そもそも当店との出会いは当店が他の場所でオープンして約1週間後、

深い理由があって山椒を置いている焼鳥屋さんを浦和で探していたところ、

ここで出会ったのがキッカケ。

スミダマンがまだ独身時代の事でした。

あれから49年・・・。

店内には、この場所に移転して約42年間、

全く変えることなく壁に飾られていたしつらえの版画絵。

そして木札のメニュー。

もう見るからに年季を感じます。

この中で2枚目の写真、小上り席の上に飾られていた南蛮屏風の絵を

思い出の記念としていただきました。

 

 

それではここからなるべく多くの南蛮亭の焼鳥作品をアップしてみたいと思います。

これが最初に出てくるキャベツ、大根、セロリ、人参の生野菜スティックのお通し。

これを秘伝の味噌ダレと塩でいただく。

このタレは絶品でした。

当店のセロリスティックでセロリが大好きになりました。

当店の一番の看板メニュー「アスパラ巻」。

これは大将が考えたオリジナルメニューで、

日本だけではなく世界中に拡がった焼鳥の最高傑作。

スミダマン的には焼鳥業界の金字塔と思っている。

初期の頃はこのアスパラを手に入れるのが

本当に苦労したという逸話が懐かしい。

アスパラ巻がNo1なら一時期No2の座を占めていたのがこの「しそ巻」。

これは焼鳥というよりは創作肉串焼。

これも大将のオリジナルメニューだ。

すごいネー。

約50年の歴史で途中から最初のオーダーはこの「手羽先」になった。

他の焼鳥よりボリュームがあり途中からだと重くなり、

旨味が半減するため先頭バッターになった。

これはいつ食べても最高の絶品でした。

前半の歴史ではスミダマンのコースが決まっていて

注文しなくても「いつもので!」と言うだけで出てきた時代があった。

大将の記憶力には敬服したものだ。

それが、このレギュラーの「つくね」と「ねぎ間」。

その当時はつくねは味噌とたれ、

ねぎ間は塩とたれと決まっていて、わがままが通用していた。

なお、当店の仕込みで一番手間がかかるのがつくねだと何度も聞かされた。

この「梅しそ」がまた絶品で最高。

鶏のささみの中に梅干しとしその葉を仕込む。

これはオーダーしてから仕込まれる傑作の1つだ。

アスパラ巻の流れをくむ「オクラ巻」。

オクラのネバネバ、プチプチ感がとても新鮮。

そうそう、各々の焼鳥にはレモンが付き、これを絞り、

お好みで(スミダマンは絶対に)山椒をかける。

そういえば七味唐辛子はかけた記憶があまりないナ。

当店のレバーは小ぶりで上品。

これは塩だがタレも美味しい。

こちらは砂肝の塩。

南蛮亭の長い歴史の中にはいくつかの危機があった。

大きなピンチは鶏肉の仕入れ先の閉店。

素材が変わると南蛮亭の焼鳥の味も全く変わってしまう。

大将は料理のプロとしてどれだけ努力したことか。

しばらくして苦労話を聞かされた。

コラーゲンたっぷりの「とり皮」。

前述の危機を1度だけ舌で体験した。

大将にどうしたの?と聞いたら前述の答えが返ってきたのを思い出した。

ここからは若干ジャンルの違うメニューに入る。

これは「南蛮焼」と称して牛たんのたれ焼。

年を重ねると重い肉類はオーダーから遠くなった。

最も遠くなったのがこの「スペアリブ」。

これはもうステーキ屋さんの世界だ。

逆にいつまでもしぶとく注文を続けたのが「げそ焼」。

最初は注文を迷うのだが、食べてみるとやっぱり旨い。

イイネーとなる。

ここからは軽めの料理「うずら玉子」。

これは後半になぜか食べたくなるシンプルな焼物。

この黒ゴマが効いているんだナー。

「ぎんなん」。

最後の1個だけ皮がむいてあるのはなぜか、とうとう聞き忘れた。

当店には松竹梅のコースがあり、

そのコースに付いている「ししとう、ねぎ、しいたけ」。

通常は2本でワンセット。

このルールを対象は最後まで崩さなかった。

職人根性のすごいのは、この頑固さ。

最近ほとんど食べなくなった「とりわさ」。

他に「かくしわさ」「鳥の洗い」などもある。

コースに付いている漬物(おしんこ)。

これは自家製ですごく好評。

特に大根の漬物は逸品中の逸品だ。

さぁいよいよ〆の段階。

最初から食べ続けたのが三角の焼おにぎり。

これは絶対に他店ではお目にかかれなかった

南蛮亭を代表する逸品の1つだ。

作っているところを何度も近くでじっと見てきたが、

備長炭で何度も何度も焼き上げていく。

表面はカリカリで中はしっとり。

醤油の味が香ばしい。

途中からその旨さを知ったのが「おにぎり」。

これはおにいちゃんの担当で、その秘訣を聞いたら

「女性を優しく抱くように握るんですヨ」との

名文句が返ってきたのを思い出す。

味付けは塩と味の素を手のひらにのせ、水で溶いて優しく握る。

今やスミダマンのおにぎりは、このやり方だ。

〆に忘れてならないのがもう1ジャンルあります。

最近すっかりご無沙汰していた、とり茶漬(500円)、しゃけ茶漬(400円)。

久し振りに食べて鶏ガラスープの美味しさを改めて感じた。

最後に南蛮亭さんの舞台裏を撮らせてもらった。

特にこの焼物の焼場、備長炭で焼くコツ、難しさを大将から聞き、

そのデリケートさにビックリしたのを思い出した。

昨年12月、今年1月はもう二度と南蛮亭の焼鳥が食べられないと思い、

深く舌の内側、脳の中に味を刻みこもうと

幾度も懐かしい人を誇って通ってしまいました。

そして20代から約半世紀、感謝の気持ちを込めて花を置いてきた。

「49年間、美味をありがとう!!」と記して。

 


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