灘菊酒造 大返しめし
兵庫県姫路市手柄1-121
TEL 079-285-3111
灘菊酒造さんは創業明治43年の老舗造り酒屋さん。
平成5年に国宝姫路城が世界遺産に登録されたのを
機縁に酒蔵見学と酒蔵の膳を始めた。
お酒と食文化のハーモニーをテーマにしている。
当社のお酒は数々の賞を受賞している。大吟醸は酒造之助、
純米酒は灘菊。純米大吟醸はきくのしずく、特別純米はMISA33を製造している。
約2700坪の敷地に創業当時からの木造酒蔵が現存している。
昭和30年代までの造り酒屋の配置を残す灘菊では表通りに面して
母屋があり、その奥に明治時代より現存する木造の蔵が立ち並ぶ、
昔ながらの佇まいを今に残している。又現在の酒造りは
RC蔵「甲蔵(きのえぐら)」で行われており、6つの木造蔵と
現在の仕込み蔵がある。とても趣きのある風情の酒蔵だ。
釜場の跡を利用したお食事処西蔵。中に入ると酒蔵だっただけに
かなり広い。酒造の人から「大返しめし」の説明を受ける。
当社はこれ以外に炭鍋と豆腐料理の「前蔵」串揚とすずき鍋の「蔵」
フランス料理「GINJYO」もやっている。
「大返しめし」とは備中高松城水攻の陣中において明智光秀の
本能寺の変の報せを知り、姫路城主羽柴秀吉天下取りの快挙
「中国大返し」の故事に因んだ料理だ。地元産の旬の食材を使った賄い料理、
酒蔵ならではの発酵食品に拘り、だしからすべて手作りの
豆腐、塩麴鍋、麦めしとろろなど藩州姫路の味の酒蔵の膳が並んでいる。
昭和30年代までの酒造りの道具を展示している中蔵。現在の
仕込み蔵の杜氏は蔵元の3女が務めている。
女性では全国3人目、西日本では初めてだそうだ。
灘菊酒造では兵庫産山田錦、兵庫夢錦を厳選し、
500㎏の小造りで丹精込めて醸している。山田錦は稲の品種の1つで
主に日本酒製造に用いられており、酒造好適米の代表と言われている。
大正12年に兵庫県明石市の農事試験場で誕生し、
昭和3年に兵庫県加東市で産地適応性の試験が行われた。
昭和11年に山田錦と名付けられ、兵庫県の奨励品種になった。
現在全国の生産量の8割を兵庫県産が占めている。