さいたま新都心駅西口からけや木広場に入る所にご覧の様な
巨大な風船人形があった。気に成ったのでパチリ。
頭のはち巻にはビバラガーデン開催中と書いてある。
何やらけや木広場でもイベントをやっているらしい。
それにしても最近のエア人形はよくできているナ。
ここ埼玉スーパーアリーナが第8回世界盆栽大会のメイン会場。
「日本の盆栽・水石至宝展」と称して日本盆栽・水石の枠を
一堂に集めた世界最高峰の展示会が
4月28日(金)~4月30日(日)まで3ヶ日間開催された。
尚サブ広場として大宮盆栽村、さいたま市大宮盆栽美術館、
武蔵一宮氷川神社でも同時開催された。
行ったのは最終日の4月30日(日)。10時開館というのに、
その前からご覧の長蛇の列。いったいどの位待つのか
見当もつかず、瞬間帰ろうかなーと思う程の人気、人出だった。
今回の大会ポスターに使用されたシンボル盆栽、真柏銘「飛龍」。
推定樹齢千年を超える日本を代表する名品だ。
この真柏は1983年に新潟県糸魚川市の山中で
採取されたもので、その壮大な姿と繊細なまでの品格に誰もが心を打たれる。
盆栽の文化と歴史と題し、盆栽の歴史や伝統を紐解きながら
日本特有の文化、芸術として確立し、世界で愛されるようになった
BONSAIをわかりやすくパネル等で紹介している企画展コーナー。
三菱の創業者岩崎彌太郎の弟、岩崎彌之助は美術、芸能などを支援、
収集品は盆栽をはじめ、広い分野にわたった。
大宮盆栽美術館蔵の「いわしで」もその1つだ。
又、石油王で富豪の中野貫一の長男の忠太郎は当時の
日本を代表する趣味人で、その収集品は国宝12点重要美術品
30点を含む膨大なものであった。その中の当代一の銘品が
「五葉松 日暮し」大宮盆栽美術館蔵。
明治を代表する俳人・歌人の正岡子規の俳句や短歌の中にも
盆栽を題材とした歌が登場している。
大宮盆栽村誕生の歴史・・・東京の団子坂(文京区千駄木)
周辺には、江戸の大名屋敷などの庭造りをしていた
植木職人が多く住んでいた。大正12年の関東大震災で
東京が大きな被害を受け、盆栽業者は壊滅した東京から離れ
盆栽育成に通じた土壌を求めて大宮に移住した。
最盛期の昭和10年頃には約30もの盆栽園がたち並んでいた。
現在は地図の黄色の園6まで減ってしまった。
1989年4月に開催された第1回世界盆栽大会の貴重な
資料、写真が展示してあった。
因みに第2回はアメリカ・オーランド 第3回は韓国ソウル
第4回はドイツミュンヘン 第5回はアメリカ・ワシントンDC
第6回はプエルトリコサンファン 第7回は中国ジンタンで
開催された。これを見ても盆栽は世界で愛されるBONSAIだ。
特別展「皇居の盆栽特別展示」「日本の名品」の
コーナーは盆栽を鑑賞しながら歩く通路に成っており、
大変な人混みであった。
江戸時代から明治、大正、昭和と400年余の歳月が形として
生きている皇居の盆栽と盆器。雄々しく、荘重な気品に満ちたその佇まい。
皇居の盆栽の歴史と大道庭園をパネルで紹介するとともに
その貴重な名品盆栽盆器が展示してあった。これは
伏見宮博恭王から明治天皇に献上されたものと伝わる
黒松(推定樹齢130年)と御紋章円栽(琉球焼)。
世界盆栽友好連盟国際顧問野呂田芳成蔵の五葉松(瑞祥)
日本水石協会会長島村宣伸所蔵の「古谷石」
世界盆栽友好連盟副会長 岩崎苗美蔵のやまもみじ
ここからは色々書くより、気に入った盆栽の写真をじっくり観賞して下さい。
一位(樹齢約600年)銘「残月」
米栂(樹齢約600年)銘「寿王」
真柏(樹齢約350年)銘「仙龍」
日本水石100選。水石とは山水景情石の総称で、一塊の石から
大宇宙を感得するもの。自然芸術、趣味の中でも高い精神性と
文化性を極めたものだ。水石の鑑賞は、それを眺める人の心に
あると言われる。大自然に心を遊ばせ、水石から森羅万象、
自然の風趣風韻を感じ取り、更には沈潜した無限の世界の声を
聴くに至ることで幽玄な佗び心、寂びの心へ自己を誘うものです。
揖斐川五色石 銘「萬峰秀眺」青銅地紋掯円水盤
静岳石
ふじもどき
ブーゲンビレア
ぶな
自然を畏敬し、心落ち着かせお茶を頂く茶庭。
茶道の世界は、今もなお日本人の心の中に受け継がれている。
新緑の木々や可憐な草花を眺め、伝統的な日本の庭園文化を
感じながら一服できるコーナーだ。
大宮盆栽村、清香園の盆栽作家山田香織さんのコーナー。
彼女はNHK Eテレで彩花盆栽教室を開いていた。
今回は写真家工藤裕之さんといっしょに盆栽と写真の
コラボレーション展示を実施していた。合わせて盆栽の剪定などを
体験できるワークショップを開催した。
世界中で愛されているBONSAIの姿を映像や写真等を
使用して紹介する世界のBONSAI紀行コーナー。
ヨーロッパ、アフリカ、インド、中国、アジアパシフィック、
オーストラリア、ニュージーランド、北米、ラテンアメリカなどの
地域を紹介している。
別室では世界の盆栽専門家が集まって研修している
場所も用意され、この中は大変な熱気を感じた。
ここは子供盆栽の展示コーナー。盆栽の育成を通じて、
世界に誇る伝統文化の盆栽に興味を持ち
理解を深める授業を行っているさいたま市内11の小学校
約1,000名が育てている盆栽を一堂に展示している。
日本全国の愛好家が所蔵する盆栽・水石の名品約300席を
一堂に展示してあるコーナー。展示席数、展示作品のレベルともに
最大規模の展示会となったそうだ。この(一般財団法人)京都国際
文化振興財団慶雲庵等は展示会の見どころだそうだ。
今や日本の盆栽は世界のBONSAIに成った。
広い会場内には世界中から集まった外国人(YOU)が大勢居た。
TVインタビューを受けている人。ビデオを撮っている人。
盆栽の器具を熱心に探している人。皆その目は真剣でしかも幸せそうであった。
尚、来週月曜日に放映予定のTV東京の「Youは何しに日本へ」で
放送されるので是非見て下さい。
今回日本全国から184ブースの売店が出店した。
その中で一際目に付いたのが雨竹庵の「矮鶏五葉松」。
戦禍を守り抜いた250年の名樹だそうだ。
そのお値段はなんと1億円・・・ご成約だそうだ。
日本のトップクラスの盆栽師や世界8地域より招聘した
盆栽師を講師としたデモンストレーションやトークショー、
などを開催している至宝展ステージ。
片や日本小品盆栽組合が主催していたデモンストレーションステージ。
聴衆はどの人も真剣な眼差しで盆栽師の技を見ていた。
至守展ステージではハクビ京都きもの学院による
きものショーも行われていた。この時だけは華やいだ空気が流れ
盆栽とは違う目の保養になった。やはり日本開催ならではの企画だ。
係の人でしょう、会場内には国際大会らしいデザインの
ジャンパーを着ていた人がいた。このジャンパーほしかったナー。
最後に偶々、会場内で今大会の実行委員長萬青園の
加藤初治園主とお会いできた。盆栽とは全く無縁の
私が約16~17年前あることで大宮盆栽園の皆様と大変親しくなった。
その当時の皆さんは日本の盆栽、大宮の盆栽に関して
ものすごい危機感をお持ちであった。あれから1/4世紀。
この世界盆栽大会を見て隔世の感を懐いたのでは私だけであろうか!