1日の終わりに ~森真理マンドリン教室~

マンドリンと共に暮らす日常のあれこれを、ほぼ毎日綴っています。

録音のこと 2

2019年09月19日 | マンドリン&ギターCD制作

あんなに濃い経験だったのに、細かいことをどんどん忘れていきそうです。
少しでも早く書かないと。


収録の機材。
ハイレゾ録音・高音質なんだそうです。
数値的なことも教えてくださいましたが、私にはよくわからず。知識の無さが申し訳ない。
tutti氏は電気系に強いので、話がはずんでよかったです。


思い起こせば、約3年前。
初めて「録音」のことを言葉にしたのがこのイベントの帰りの二次会でした。
イベントはカルチャーのクラスのアンサンブル発表。
しかもショッピングモールのオープンスペースでの演奏でした。
どうしてこの日に「録音を残したい」という気持ちが高まっていたのかわかりません。
言うタイミングがたまたまこの日だっただけ、だと思います。
驚いたのは、お互い同じ考えだったこと。
収録希望曲をお店の紙ナプキンに雑にメモしたりして、楽しかった。

この時点ではCDを自主制作するとはどういうことか、まず何をして、費用がいくらくらいかかるのか、まったくわかっていませんでした。
現実問題はさておき、夢と希望だけはありました。

プレソで東北遠征をした際にご縁のあった石巻マンドリーノのみなさん。
その代表の小杉さんのCDが、私の理想のものでした。
小杉さんにはいろいろなことを本音で教えていただき、どれほど助けられたかわかりません。
小杉さんが制作した際お世話になった方を紹介していただく・・・、という方向で話は進んだんですが、先方のご都合で実現しないことになりました。


それからお互いにネットで調査。
ほとんどの作業を自力でやれば安上がり。
業者に依頼すれば高くなる。それも値段にはかなりの差があることがわかりました。

どの程度費用をかけるか。
これは難しい判断でした。
2人の考えの違いもあったと思います。

ネットで調べると、自主制作といえばバンド系が多い。
クラシック(自分がクラシックかというとそうでもないジャンルかも)系だとかなり絞られてきます。
さらにいくつか比較検討して・・・という中で、自分の気持ちを代弁してくれいているようなサイトを見つけました。
とはいえ、こちらからの一方的な思いだけでは契約は成立しないので、まずは連絡を。

私の気持ちを大いに理解してくれ、その後数度やり取りを重ねてぜひここにお願いしようと決めました。
この出会いは結果的に本当に素晴らしいものでした。
選択が違っていれば、CDはまったく別の物になっていたことでしょう。

まずアドバイスされたのは、2人で演奏会を重ねること。

・自分たちが本当に弾きたい曲
・お客様の反応がいい曲

手ごたえを直に感じ、収録曲を決める助けになるそうです。
そのアドバイスで始めたのが「いちょう坂カフェ」でのコンサートです。
2年にわたって6回(それに加え、カフェ主催夜のコンサート1回)の本番を重ね、自分たちの方向性をまとめていきました。

恩師である片岡先生にも、計画を報告しました。
先生からのアドバイスは、

・スタジオではなく、ホール録音
・自分のマンドリン人生を振り返るような選曲

ということでした。
無謀なチャレンジに、温かく応援してくださいました。

ホールの確保は本当に大変でした。
おさらい会のホールを1日ぶん取るのでも苦労しているのに、連続2日当てるなんて。
もちろん抽選方式ではないホールなら苦労はなかったかもしれません。
当初は、横浜市の施設の利用料金が安いホールを狙っていたので、とにかく当たるまで毎月毎月抽選に申し込む、を続けていました。

やっと当選したのが昨年の10月利用分。
それに向けて、プロデューサーと私たちで顔合わせをしました。

ここで問題になったのは、収録曲の編曲問題。
CDに収録するには、まず許諾を得ないといけない、ということも知りませんでした。
そして、譜面を改編してはいけない、ということも。

たとえば、市販されている譜面を勝手に変える(アレンジを加える)のは断固NG。
楽器を変える(フルートの譜面をマンドリンで弾く、など)はグレーゾーン。

ここで、自分たちの使っている譜面を大いに見直さなければいけないということがわかりました。
これまで、2人で弾く曲は気に入った譜面がなければtutti氏が編曲してくれていました。
ギター独奏譜をマンドリンとギター用にばらしたり、バイオリンとピアノ用の譜面を置き換えたり。
それらの編曲し直し、連絡のとれる作曲家に収録許可を得て。
この時点で、選曲から外したものもありました。

その作業があったので、せっかくホールは取れたけれど録音は延期することにしました。
残念だったけれど、準備万端でなければできない。
ホールは仲間たちとの楽しい演奏会に使いました。

その後、母が亡くなり、父と半同居することになり。生活が大きく変わってしまいました。
その上、自分の入院・手術も重なり、この時期が結構辛かった。

でも運よくホールは当選しました。
7月の末に収録する方向で、さらに準備を進めました。

が、しかし。

エンジニアがホールの下見をしたら、遮音性が低いので録音には向かないと言われたんです。
それはホール側からも予約の際に説明してもらっていましたが、まぁどうにかなるだろうと考えていました。
雑音が入らないように、ホールだけでなく一棟借りしなければ厳しい、とのこと。
そこに目をつぶっても、建物の構造上、大雨が降ると雨の音も入ってしまい、最悪の場合は途中で中止もある。

そ、そんな・・・。

同じ日程で他会場も取れず、だいたい2度もホールを流すなんて経済的に辛い。
一か八か予定通りやる、という手もありましたが、結局諦めました。
ホールは公共の施設を諦め、プロデューサーに一任。
その結果、紹介されたのが今回お世話になった、Sala MASAKAです。
HPを見てもとても素敵ですが、実際音を出したら本当に心地良く、しあわせでした。
自分が予約していたホールだったら、きっと今回のような音にはならなかった。
録音会場は費用を削らず、最初から選定をお任せするべきでした。
遠回りしてしまったけれど、いいホールで弾けたので良かったです。


今回はここまで。

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2 コメント

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Unknown (tuttiguitar)
2019-09-20 08:41:06
覚えています。
辻堂からの帰りの東海道線で『話がある』と言うので『CDでも作るの?』と言ったらビンゴだったんですね。

あのホールは本当にいい。
私達のような編成には本当にいい。
まさか近所にあんな素敵なところが有ったなんて、、是非またあそこでやりましょう。
返信する
Unknown (シルベス)
2019-09-20 09:01:12
tuttiさん、
そうかそうか、そうでしたね!
あの時は実現するまでこんなに時間がかかるとは思っていませんでした。
ホールを変更してからの数週間、ここがとても貴重でしたね。
かといってこれ以上先延ばししても行き詰ると思うし、本当に絶妙なタイミングでした。

ホールでまた弾くのが楽しみです。
いつも私たちのコンサートに足を運んでくださる人に、ぜひあの響きを聴いていただきたいです。
返信する

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