1日の終わりに ~森真理マンドリン教室~

マンドリンと共に暮らす日常のあれこれを、ほぼ毎日綴っています。

欠点を長所に

2005年12月05日 | Weblog
チケットクラシック(11月号)に、ピアニスト小山実雅恵さんのインタビュー記事が載っていました。

とても優雅な印象の小山さん。
今年、ラ・フォル・ジュルネに行きましたが、演奏している姿もとても自然にゆったりとして見えた、という記憶があります。

好不調の波があって本番でとんでもないことになることがあるとか。
とんでもないといっても、もちろん常人の「とんでもない」のようなことではないと思いますが・・・。
でも、本番で完全無欠なことなんて有り得ない、と思っているから気負いのない演奏ができるんだそうです。
こういう気持ちの持ち方は、参考になると思います。

そして、印象に残ったのがこの言葉。

「私って本当にピアノが下手だなあと思うことが今でもあります。
そういうところでは自信がない。
だからかどうかわかりませんが、子どものころから難しいパッセージを自分なりにいろいろ工夫して弾くことを遊び感覚で楽しんでいました」

下手だと思うなんてとても意外ですが、だからこそ、工夫するようになった、ということが、ご本人にとってはとてもいいことだったんだと思います。

もう何年も前に、先生に同じようなことを言われました。

「シルベスさんは器用じゃないから、人に教えるのに向いてると思うわ」

喜んでいいんだか悲しむべきなんだか、困ってしまうような話なんですが・・・。
天才肌の人だと、どんなテクニックも苦労することなくさらりとできてしまうから、それをできない人に教える、というのが難しいらしいです。
確かにそうかもしれません。

仕事でご一緒している弦楽の人は、小さい頃から英才教育を受け芸大や桐朋を卒業してるような、いわばエリート。
生徒さんを指導していて、「なんでこんなことができないのかがわからない」と正直思うことがあるそうです。

確かにそういう点では、私は苦労しながらずっとやってきているので、「なかなかできない人の気持ち」はよくわかると思います。
だからこそ、その人に合わせた解決方法をなんとか考えようと一所懸命になります。

こんな風に自分の欠点も、少しはいい方向に役立てることができて、まぁよかったです。
コメント (2)
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