アメリカを離れてロンドン、バルセロナ、パリそして今回はローマ。アレンは単なるヨーロッパ観光をしているのではあるまい、でも何となく超・余裕がありすぎる感がしないでもない。
彼の映画には出演志願者が多いんだろうなあ、今回も主役級のスターが何人もアレンしている。彼らの純粋な映画愛をうまく利用している感も確かにある。俳優陣にしてみれば彼の映画に出ることこそ究極の願望であり、アレンにしてみるとそんな彼らの欲望をうまく利用し、調理している風でもあるのだ。
相変わらずセリフの饒舌さは衰えを見せず、そのセリフの裏葉に隠された毒舌とアイロニーを見て取るのも彼の映画を見る楽しみである。というか、ここ最近はそれしかないのではないか、とも思わせる。見ている間はそれなりに楽しいが、そのうちほとんど忘れ去るといった感じ、か。
冒頭のローマの街頭はオートバイが集団で走りフェリーニの「ローマ」のオマージュとも取れたが、他にそういうシ-ンはなかったので僕の早とちりか。
結構なエピソード数である。どれもみな軽くしかし重そうで、人生の営みとはこんなにもいい加減なのかとも思えそうな印象だが、僕らはそれをアレン一流の紙芝居だということを知っている。紙芝居だと続きが気になるが、飴玉を頬のくるませながらのんびり楽しむこともできる。そんな映画もあっていいのだろうが、僕は本当はそろそろ卒業したい気もあるのだ。。
ところでアレンさん、次はベルギー辺りですか?
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