ほとんど舞台設定がワンシーンのミステリー劇である。そしてほとんど安楽椅子探偵ごとく真犯人を探す手段はスマホとパソコンという現代ツールのみ。ちょっと無理はあれどこれは面白かった。
結構本格ものの体裁を最後まで保ってるんだよなあ。
男と女はお互いに疑い合う。膨大なデータからある一人の人間の生きていた人間像が浮かんでくるその映画的面白さ。これはまさにミステリーそのものでありますぞ。そして真犯人登場。そしてその後に続くあっと驚く真相とは、、。
映画を見たというより一冊のミステリーを読んだ感のほうが強い作品です。そりゃあ、あの本格ものでは有数の我孫子武丸が原作だからソツはない。起承転結しっかりしている。ミステリーとしては、ね。
けれど映画としては舞台劇でもないのに(低予算のせいかもしれないが)映像的広がりがない。色彩的余裕もない。監禁された夏菜が口ひとつで男にスマホ、パソコンを操作させるには少々無理がある。あっけない真犯人(そりゃあないだろうと言いたい気持ちも分るが、最近は昔と違って重要人物が真犯人とは限らない)。映画的には少々きついものもある。
まあ、いいのではないか。ミステリー的には及第点をあげられる作品に仕上がっています。見て損はない映画であります。
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