セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 73本、 演劇 45本

飢餓海峡 (1965/日)(内田吐夢) 85点

2007-09-24 20:52:41 | 映画遍歴
しっとりとしたそれでいて壮絶な人間ドラマ。その合間に終戦後の赤線廃止までの日本の庶民の生活もしっかりと描かれている。この辺りは原作の匂うぐらいの人間くささがストレートに反映されており素晴らしい。
問題はやはり高倉健でしょうか。こんなに青臭い演技をしていたんですね。彼の役回りは彼のせいでもないけれど、彼の出現で、この映画のカラーが見事悪い方に変わってしまったことも事実。
まあ、それはさておき、映画的には花家で犬飼と八重が女郎屋で一時の運命的な邂逅のシーンが絶品。左幸子の代表作ではないか、と思う。
三国連太郎、伴淳三郎ももちろんいいが、ラストはあまりにあっけない。ちょっと演出力に疑問。
映画的緊張感がずっとあるので、3時間強の長さはまったく感じなかった。名作であることの証拠でしょう。
やはりこんな世知辛いご時勢、小さな愛を一生の宝にまで消火させる深さは本当に尊い。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レイヤー・ケーキ (2004/英)(... | トップ | めがね (2007/日)(荻上直子... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
先日はコメントを頂き有難う御座いました。 (アスカパパ)
2007-09-25 09:09:31
やっと昨日当たりから暑さが和らいで来たようですが、如何お過ごしですか。
『太陽』は、もし、当時を知っている有能な日本人の監督が撮ったとしたら、更に素晴らしい作品が出来上がったに違いない。と思いました。不可能に近いことではありますが。
『飢餓海峡』TBさせていただきました。
返信する

コメントを投稿

映画遍歴」カテゴリの最新記事